Cinema 4D 2023新機能: シミュレーション
Cinema 4Dのシミュレーションが進化しました。以前のバージョンはクロスとロープシミュレーションでしたが、今回のバージョンではソフトボディが追加されました。さらに、クロスに粘着性など新しいパラメータも追加されています。
粘着性パラメータ
シミュレーションに粘着性のパラメータが追加されました。布自体やほかの衝突オブジェクト、ロープ、ソフトボディのオブジェクトに触れたときに、くっつくようになりました。
次の作例は、布が一度くっついた後、剥がすアニメーションです。
ソフトボディ
前のバージョンでは、バルーン機能を使えば、疑似的なソフトボディを表現できましたが、2023ではeXtended Position Based Dynamics (XPBD) フレームワークにより、メッシュのポイント同士を「支柱」でつないで、ソフトな距離拘束を使ってシミュレートされます。支柱のネットワークは、構造の状態を保持しようとします。
クロスとソフトボディの比較映像ですが、ソフトボディは体積がしっかり保たれているのがわかります。
ソフトネスで柔軟性を表現
ソフトネスのパラメータによって、柔らかさを調整できます。作例はソフトネスの値を1、100、1000にしたものです。1は元の形状を保とうとしていますが、1000の場合かなり柔らかい印象になっています。
支柱放射面とヒット面
上記の作例のように突起物がある場合、突起部分があまり曲がらないようにしたい場合があります。これは支柱の生成方法でコントロールできます。支柱放射面というのがあり、これはデフォルトで裏になっていて、ソフトボディの支柱はオブジェクトの内部で生成されるようなっています。
この支柱放射面とヒット面を両面にすることで、突起の表面にも支柱が生成されるので、より曲がりにくくなります。
ソフトネスの値はそのままで、支柱放射面とヒット面が裏と両面での違いがこちらの動画になります。
また、粘着性のパラメータにも対応しているので、お餅のような表現も可能です。
アニメーションの混合
キャラクターアニメーション場合、キャラクターの胸やお腹など部分的にソフトボディ化したいときがあります。ある程度であればジグルデフォーマを使えば可能ですが、衝突判定には対応していません。
〈アニメーションの混合〉という機能を使えば、キャラクターをジョイントなどで動かしながら、一部だけをシミュレーションさせることができます。
次の作例では、象の頭はジョイントで動かしていますが、耳の部分はソフトボディでシミュレーションをしています。
これは頂点ウェイトで、耳の部分を0%、ほかは100%にすることで、耳以外はソフトボディの影響を受けなくなります。そのため、耳だけをシミュレーションさせることができます。
新機能はこちらの動画でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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