[TikTok×日テレ縦型動画コンテスト]アーティストアセットの活用方法
Maxonは、日本テレビとTikTokが、共同で開催する縦型映像コンテスト『JAPAN VERTICAL MV CONTEST 2023 Powered by TikTok|日テレ』にコラボレーターとして協力することになりました。
このコンテストでは、課題曲を歌唱する今話題のグローバルボーイズグループJO1のクロマキー映像およびボリュメトリックデータをコンテストの素材として使用できます。
今回これらの素材を活用する方法を紹介します。
クロマキー映像の切り抜き
クロマキー映像は、グリーンバックで撮影した素材になります。このグリーンバックを切り抜くには、キーイングという作業が必要になります。このキーイングの品質で合成の結果が大きく変わります。キーイングには、Red Giant VFXのPrimatte Keyerを使うと簡単に行えます。
実際に切り抜き方法をXで動画としてアップしましたので、ぜひこちらをご覧ください。
ボリュメトリックデータをCinema 4Dで読み込む
ボリュメトリックデータは、JO1のアーティストのダンスをボリュームデータしてキャプチャーしたものになります。背景を3DCGで作成して、人物を合成する場合、クロマキー素材をキーイングしたものを読み込むとどうしてもカメラアングルに制限があったり、足の接地部分は隠してごまかす必要があります。
しかし、ボリュメトリックデータは、完全に3Dデータなので、あらゆる角度から見ることができるというメリットがあります。
データは、Alembicファイルで提供されているので、現在のシーンにデータを取り込むには、プロジェクトにマージを選んでAlembicファイルを開きます。
ファイルを開くとインポート設定が開きます。スケールを0.1にすると原寸サイズでインポートされます。
インポートされるとメッシュデータとしてインポートされます。データにテクスチャは入っていませんが、動きは再現されています。
メッシュデータは、Cinema 4Dでいろいろ加工することができるので、アイデア次第でいろいろな表現ができます。
テクスチャ付きのボリュームデータの設定方法
事前審査はありますが、テクスチャ付きのボリュメトリックデータも使うことができます。テクスチャ付きの場合、注意が必要です。
Redshiftは、テクスチャには動画ファイルは使えません。そのため、今回提供されているようなMP4の場合、事前に連番画像に変換しておく必要があります。
連番の変更には、Adobe Media Encoderなどを使うと簡単です。
Redshiftマテリアルの場合、テクスチャノードを追加して、ファイル名に連番画像に変換した最初のフレームの画像を読み込みます。
アニメーションさせるために、テクスチャのアニメートタブにして、モードをシンプルにします。そして、フレームを検出ボタンを押すと自動的にアニメーションテクスチャになります。
後は、テクスチャノードをベースのカラーに接続します。また、RS標準マテリアルの反射のウェイトはゼロにしておくといいと思います。反射が有効だと光沢が出るので不自然になります。
マテリアルができたら、インポートしたAlembicオブジェクトに割り当てます。
テクスチャは、実際に撮影時のライティングによる陰影まで含まれている状態です。そのため、ベースカラーに接続して、Cinema 4D上でライティングすると、どうしてもさらに陰影が付くため、コントラストが強くなってしまいます。
下の例だと、左はベースカラーに接続した例で、右は発光に接続した例です。発光は元の色がでますが、ライトの影響を全く受けなくなります。
真ん中は、ベースカラーと発光の両方に接続しています。ただし、発光のウェイトを下げることによって、コントラストを抑えながら、ライトの影響を受けるようにしています。
アニメーションをプレビューしたとき、テクスチャがおなしな表示になることがあります。これは、ボリュメトリックデータは、1フレーム毎にメッシュとUVが変化しているためです。
これを正しくプレビューするには、マテリアルエディタでマテリアルを選択して、ビューポートタブでアニメーションプレビューを有効にしてください。これで、連番テクスチャもプレビューに合わせて変化するので、正しくプレビューできます。
ボリュメトリックデータを扱う時の注意点
ボリュメトリックデータは、非常に重たいデータです。JO1、11人全員のデータを1シーンに読み込み、1330フレームを再生するとかなり重くなります。作業が重い場合は、プレビュー範囲を短くしたり、編集に不要な人はオフにしてり工夫してください。
ぜひ、データを活用して、素晴らしい作品を作ってください。