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019 Ti/内向的思考(ユングの8機能⑥)

こんにちは。

今回はTiの説明をします。

Ti/内向的思考
Inteoverted Thinking

この機能を強く持つタイプ
 ●ISTP
 ●INTP
 ●ESTP
 ●ENTP

 Tiは、独立した論理性で、判断の基準を築き上げます。まずは原理原則を自身の中に取りこみ、それに対して推論を行ったうえで到達した結果を信頼します。独自の思考過程を経て、エレガントな解決方法を思いつきます。
 一方、思考が複雑になりすぎると、他人がまったく理解できない考えになってしまうことがあります。また、自身でさえも、思考の迷路に彷徨い、出口を見失うことがあります。

 どのようにしてシステムが機能しているかということを、つきつめて考えます。自然物であろうと人工物であろうと、中身がどうなっていて、どのような仕組みになっているのかということに興味を持ちます。
 そして、そこに矛盾があると、すぐに気がつきます。Tiが高い人にとって、矛盾は致命的なことです。何がどのようにどうして間違っているのかということを、個人的な感情に流されることなく、追求します。
 何事も、正しいと確信を持つのに時間がかかり、延々と推論を積み重ね、確実性を増していきます。確信することは稀で、そのために、正しいと確信するというよりも、『誤っているとは考えられない』ということが、信頼するにあたるかどうかの基準になります。常に懐疑的な姿勢をとることで、何事も深く理解していきます。
 信頼できる理解に達すると、そこからさらに論理的に考え、戦略を立てるようになります。また、同じことを何度もやることは、非効率であると感じられ、我慢できません。

 推論はあくまでも、個人の中で洗練されていくものです。その判断基準は、時に常識と乖離したものもあり、誰にでも受け入れられるものとは限りません。
 その判断基準は、深淵な推論と膨大な知識にもとづいているので、過程を他人と共有することは困難であり、かなりの努力を要することでしょう。もし、必要に迫られることがあれば、(嫌々)要点のみを簡潔に説明することですませます。

 自分には厳しい規律を要求します。非現実的で甘い希望的な観測に従うことは、馬鹿げたことだと考えています。論理的な思考から導かれた結論に従うことこそ、最終的に利益をもたらすと信じています。主体的で独立しているため、自律的に物事を考えて判断します。
 一方、他人の感情に対する配慮を欠いてしまうことがあります。まわりの人たちから見ると、冷徹でよそよそしく思われてしまうことがあります。そして、そのことで孤立すれば、他人からフィードバックを得ることができず、自分の不利益につながるということを、Tiの高い方はどこかで気がつかなければいけません。
 Tiの高い人は、とにかく深い追求をしますので、その確実性は非常に際立っています。何を追求するかによって変わってはきますが、たいていの場合、その追求が他人にも利益をもたらすことになります。利己的にならず、その優れた思考と知識をまわりに共有することで、たくさんの人たちの利益をもたらすことになるでしょう。そうすることで、必ず自分の求めている『確実』に近づくことになるのです。

 以上がTiです。簡潔に言いましょう。Tiは名探偵です。「は?」とお思いですか?例を出しましょう。たとえば、シャーロック・ホームズはTi持ちです。江戸川コナンもTi持ち。服部平次もTi持ち。金田一耕助も金田一一もTi持ち。デスノートのLもTi持ちです。創作における名探偵とされる人物は、往々にしてTiが強いのです(例外もあるでしょうが)。彼らの共通点としては、推理に長けていること。常識ではなく、自分の思考と知識で結論を出すこと。つまり、「いや、ちょっと待てよ?何かおかしくないか?」が頭に出てくる人なんです。Tiが強い人からしたら、疑問に思うことなんて当たり前のことかもしれませんが、それができない人たちがたくさんいるのです。ちなみに、毛利小五郎はTiが低いです。

 天動説と地動説をご存知でしょうか。天動説とは、地球が中心に存在していて、そのまわりを太陽をふくむほかの衛星が回っているとする学説です。紀元前からの非常に非常に長いあいだ、その概念が正しいとされてきました。
 しかし、真実は違うのではないかと、疑念を持った人がいたのです。地動説の創始者と呼ばれるコペルニクスです。彼は天動説を捨てて、地動説を唱えました。地動説は、太陽のまわりを地球が回っているという学説です。これは科学界に革命的な衝撃を与えました。それはのちに、「物事の見かたが根本的に変わってしまう」という意味の、『コペルニクス的転回』という言葉が生まれたほどです。
 その後、その地動説を同じく唱え、裁判にかけられても「それでも地球は回っている」と、真実を主張したガリレオ・ガリレイ。地動説を支持すると迫害を受けることから、表立って支持する人が減っていく中で、地動説を支持したヨハネス・ケプラー。万有引力を発見したことで、地動説の疑問をほぼ一掃したアイザック・ニュートン。その後、ブラッドリーやベッセルといった天文学者たちの宇宙の発見のすえ、やっと地動説の正しさは、科学的に証明されました。そして、21世紀に入ってようやく、長らくのあいだ 地動説許さないマンだったカトリック協会が誤りを認め、ガリレオに謝罪したのです。21世紀ですよ!本当につい最近です。これは科学者たちの、執念のTiの継承により、もぎとった『真実』だったと思うのです・・・!
 Tiとは、疑うことです。疑い、真実を探るために思考を巡らせ、知識をつめこみ、推論を繰り返す。それがTiです。
 当たり前だと思われていることを、あえて疑う。それは、時に奇異な目で見られ、辛い思いをするかもしれません。時代によっては、迫害の理由となりました。しかし、彼らが『なぜだ』と思わなければ、地球はいまだに回っていなかったかもしれません。
 当たり前とされていることを疑うのは、非常に難しいことです。なぜなら当たり前だからです。疑う理由がないからです。それでもそれを疑う人はいるのです。それができる人は限られています。そして、『なぜだ』というその疑念から、すべてが始まるのだとしたら、その疑念を持つこと自体が才能であり、その才能が時に世界を変えることもあるということです(話を壮大にしすぎて、うまくまとめられませんでした)。

 壮大な話の熱量からしてお気づきかもしれませんが、Tiはわたしの推し機能です。すみません。本当にすみません。平等にすべてのタイプを愛そうと努力しましたが、熱を隠し切れませんでした。もちろん、すべての機能が大好きです!でもその中でも特に、Tiが好きなんです( i _ i )特に、Se+Tiの組み合わせに弱いンです。思い返せば、小学生くらいから、恋愛において そういう人ばかり好きなので、もう治らない性癖なんだと思います。でも、いつかほかの機能も、歴史的偉業になぞらえて説明したいです。どの機能も、人間の文明に非常に大きな影響を与えてきたのですから!

 話を戻しまして、Tiの高い方と接していると、質問をされる方が多いです。『それはどういうこと?』とよく聞かれます。INFJ(Ni+Fe)のわたしは、結構 全体的で抽象的な話をしがちで、イメージありきの説明をするので、余計に質問されている気がします。しかし、質問されることで、自分から、からっぽだった具体性がようやく生まれます。それで納得してくれたかどうかは分からないです。

今回はここまで。

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