045 ISTP①基本解説
こんにちは。今回はISTPについて解説します。
ISTP
第1 Ti
第2 Se
第3 Ni
第4 Fe
ISTPは正直で率直な実務家です。会話よりも活動を好みます。見栄をはらず、気どりがありません。物が作用する構造をよく理解しています。
個人の感情をまじえずに問題を分析します。機械に強く、器機や道具を扱うことが得意です。一人で論理的に考えて決断をくだし、自分の考えをはっきりと述べます。
好奇心旺盛で観察眼が鋭く、信頼のおける事実にしか納得しません。事実を重視して、自分が精通している情報を蓄え、知識の宝庫として頭におさめます。現実的で勘がさえているため、可能な方法を駆使して最大の効果をあげることができます。
静かで控えめです。時に冷静に見えることもあれば、お高くとまっているように見えることもあります。親しい人と一緒にいるとき以外は、恥ずかしがり屋にも見えます。自分で目標を立てて、自分で道を選び、前進していきます。公平で、誰にでも平等に接します。自分の衝動をコントロールできるので、急に問題が起こったり、変化が生じたりしても、臨機応変に対応します。身体を動かしたいという欲求が強く、アウトドアで過ごすことを好み、スポーツが得意です。
誰にも相談せず、一人で決断をくだすことが多く、非常に重要なこともこっそりと決めてしまうので、まわりはISTPが一体何を考えているのか、見当がつかないことがあります。ISTPは、自分の感情と関心を他人と分かち合うことが苦手で、そもそも、そんなことは不要だと思っています。
いたって現実的なため、最小限の努力で成果をあげる方法を見分けることができます。しかし、自由な時間が欲しいからという理由で、必要最低限のことしかしないところがあり、物事を最後までやり遂げないこともあります。できるだけ近道をして、努力を最小限におさえたいという欲求が強すぎるのです。
新しい情報を取り入れようと常にアンテナをはり、あらゆる可能性を逃したくないと思っているので、優柔不断で煮え切らないところがあります。興奮を求めるあまり、無鉄砲になる危険があり、すぐに飽きてしまう恐れもあります。
以上がISTPです。ISTPは手塚治虫の名作『BLACK JACK』の主人公であるブラック・ジャックのような方です。彼は典型のISTPと思われます。Tiが第一機能にあることにより、社会や世間の常識ではなく、あくまでも自分の善悪によって物事を判断します。そのため、時にはアウトローな印象を持たれることもあります。根底にはその人なりの信念がありますが、それを意図的に表すことは滅多にないので、誤解されることが多いです。ブラック・ジャックも同じように、医師の正式な免許を持ってはおらず、アウトローな医師です(本人は医師免許を持ちたいと思っていますが、医師会から煙たがられているご様子・・・)。患者に対しても、異常に高額な値段をふっかけることもあれば、たまに無料で手術をしてあげることもあったりと、落差が激しいのが印象的です。他人からしてみれば、「患者によって手術の値段を変えるなんて公平性がない」と思われるかもしれませんが、ISTPにとってはこれが公平なのです。自分の目で見て、自分の頭で判断して、相手の事情を考えたうえで、そのときそのときで結論を出す。これがISTPにとっての平等であり、公平なのです。このように、瞬間的に自分の判断で行動するため、ポリシーのようなものは抱えておらず、むしろ彼らの核となるのは「流されずに判断する」という自律した自己意識です。彼らの中に「正義」はありません。正義は、そのときの状況や環境によって、簡単に変わるということを、本能的に知っているのです。ブラック・ジャックも言っていました。「正義か。この世にそんなものありはしない。」と。あとは普通に人に「死ね」とか言います。医者なのに・・・。ISTPが口が悪いわけではないのですが、思考的にはそんな人ですから、初対面ではとっつきにくさを感じる人もいます。
ISTPの特徴といわれるのが、その手先の器用さです。性格診断で手先の器用さが分かるの?と言われそうですが、MBTIでは分かるのです(MBTIってすごい!)。第二機能にSeがあるので、五感が発達しているのですが、第一にTiがあることにより、抜群の論理性も備えます。そのため、「自分の身体で論理を解明する」ということが得意で、たとえば、機械の仕組みだったり、道具の使いかただったりを、ほかのタイプよりも理解することが早いです。典型的な「やってみて覚える」のタイプで、一人で機械や道具を使って色々遊んだり試したりしているうちに、その道のプロフェッショナルになっているという方も多いです。また、そこまでいかずとも、そういったものに関心を抱きやすく、たとえば自動車や電子器機などのものに興味を持ったり、彫刻や絵画などで精巧な作品をつくったりと、とにかく自分の手先で何かを構築していくことが得意です。先述したブラック・ジャックも、神がかった技術で、たくさんの人たちを手術して命を救ってきましたが、それは彼の努力はもちろんのこと、ISTPの天性の手先の器用さにより、成し得たものだと言えるでしょう。
それと引き替えに、他人への協調性や同調性をおさえたのも、またISTPです。協調性と同調性というのは、どういうことなのかといえば、「相手に共感を示す」ということだと思われます。その点において、ISTPはこれが最も苦手であり、何せ自分が「そのときに自分で判断する」という人間なので、相手がどう考えようが感じようが、それはわたしには関係ないだろう、あなたはあなたで判断すればいい、という人なのです。そのため、他人に相談をするということがなく(最早 「相談をする」という概念がない人もいます)、自分で決めて自分で動き、自分で結果を見届けるという自己完結っぷりなので、結果として一匹狼になることが多いです。また、究極の効率主義者であり、とにかく無駄なことや、意味のないことを嫌います。これは人間関係においてもそうで、無駄な集まりは避けますし、意味のない馴れ合いは拒絶します。効率性を求めるという姿勢は、仕事においては強みとなって活かされやすいのですが、人間関係においては、トラブルになりやすいようです。価値観とは多様なもので、そもそも「無駄な集まりなんてない」「意味のない馴れ合いなんてない」と思っている人もいます(まさにわたしがそうです)。Feが高い人は、そういった価値観になりやすいのですが、そういった人とは、ISTPと真っ向からぶつかってしまうので、そういった人から「冷たい」「こわい」などと言われてしまうのですね。しかし、彼らは人間関係に関心がゼロというわけではなく、あくまでも無駄に広げる気がないだけで、大切な人には献身的に慈しみ深く接します。エネルギーを集中しているとも言えますね。
第三機能のNiが発達してくると、それまで目に見える結果しか求めてこなかった姿勢が、物事の裏の意味や、イメージやシンボルといった抽象的な概念にも興味を持つようになり、そうすることで、効率第一主義に少し幅が効くようになっていきます。無駄だと思っていたことにも、実は意味があるのではないかと考えるようになるのですね。そして、Niが謎に影響するのか、ちょっとロマンチックなところも出てきたりするのです。ブラック・ジャックも時々 ロマンチックなことを言いますからね。
まあ、結果、ISTPを知りたいなら、ブラック・ジャックを読んでくれっていう宣伝ですね。
最後に、ISTPを表す曲の歌詞をどうぞ。
見えない自由が欲しくて
見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ
TRAIN TRAIN 走っていけ
TRAIN TRAIN どこまでも
TRAIN TRAIN 走っていけ
TRAIN TRAIN どこまでも
栄光に向かって走る
あの列車に乗って行こう
裸足のままで飛び出して
あの列車に乗って行こう
土砂降りの痛みの中を
傘もささず走っていく
嫌らしさも汚ならしさも
むきだしにして走ってく
聖者になんてなれないよ
だけど生きてるほうがいい
だから僕は歌うんだよ
精一杯でかい声で
『TRAIN-TRAIN』THE BLUE HEARTS
今回はここまで。次回もISTPです。