『きみに、着てもらえない理由は』 #ポエムのある暮らし
いつまでこうして干されているのだろう
朝陽に臨み
雲に覆われた昼空を見守り
星の煌めく澄んだ夜にはためく
大粒の雨も、なんとかやり過ごしてぼくは
それでもずっと
ベランダにひとり
風が、身体を
撫でる、
ぼくは舞う、まるで
ふたり自由に
どこまでも飛んでいける気がするのに
こうして
今日もずっと、
はためいている、
ひとりで
わかっている、
わかっているんだ
きみに
着てもらえない理由は
またきみに、着てほしいんだ
きみの
細い腕が
袖を抜ける、あの感覚を
憶えてい