リモートワークによるファッションの変化➁
世の中のファッションの変化
先日は長期化するリモートワークによって変化した私の服装や、身の回りのことについての考えを主に書いてきました。
今回はもう少し視野を広げて、リモートワークによって世の中のファッション事情がどのように変化したかを考えていこうと思います。
アパレル・スーツ業界の悪化
コロナ禍の打撃を大きく受けた業界としてアパレルは頻繁に挙げられています。
緊急事態宣言を受けての商業施設や百貨店の休業があり、オフラインでの販路が一時的に断たれたことが大きな要因ではないでしょうか。
特にスーツ業界は営業再開後も依然として業績は厳しく、某大手の会社も大規模な店舗数縮小をするとニュースで目にしました。
それは何故か考えてみると、単純に消費者が外出を自粛していて客数が減っていることもそうですが、リモートワーク中心になり必要な服が変わったからではないかと思います。
すなわち、かっちりした、いわゆるビジネススーツは以前と比較すると需要が大きく落ちているということが考えられます。
『Zoom映え』『リモートファッション』の登場
ビジネススーツを着る機会は減った変わりに、キレイ見えしながらもリラックスできる着心地の服を各ブランドが積極的に作り始めました。
「Zoom映え」「リモートファッション」等、新しい言葉から価値が生まれました。
画面越しでもキレイ見えし、且つ自宅で過ごす快適さを合わせもつ服やスタイルが多く提案されていき、それはリモートではない仕事にまで影響を広げているように感じます。
メンズにおいてはジャケットを着ていてもネクタイはせず、インナーはカットソーやニット、パンツはイージーパンツというスタイルの提案をよく目にしました。
これまでベーシックなスーツスタイルを提案してきた『ザ・スーツカンパニー』でもカジュアルなアイテムで構築したスタイルをビジネススタイルとして提案し始めました。
これまでもオンオフ兼用できる服は需要を伸ばしていっていましたが、コロナ禍によってその流れは加速し、仕事と普段のファッションの境界は急速に弱まっていくのではないかと思います。
スーツはより嗜好品になっていく
これまで多くの人々が仕事着として認識していたスタイルが大きく変わろうとしています。
仕事だからといって肩の疲れるスーツを着る必要は無くなり、より過ごしやすく気持ちの良い服を選ぶことが出来るようになるのではないか。
そうなるとスーツは好きな人が着る、そんな嗜好品という仕事着とはむしろ逆とも言っていい役割が強くなっていくのかもしれません。