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奇跡が起きたあの夜を覚えている僕らがあの夜であえたら、あの夜を超える奇跡を目の当たりにしたそんなあの夜のこと

今日は10月14,15日の2日間で開催された舞台演劇番組イベント生配信ドラマ

「あの夜であえたら」

2022年3月に配信された前作「あの夜を覚えてる」の続編
今日はその舞台を観劇した感想を綴っていきます
千秋楽のチケットを貼っておきますね
https://pia-live.jp/perf/2316035-002

11月5日まで配信のアーカイブが販売されているので、ネタバレはメディアで言及されている部分以外は極力避けて書いていきますが、これから見るのを楽しみにしている人はブラウザバック推奨です
それでは綴っていきましょうか、あの夜のことを

第一幕、あの夜節炸裂

まず会場に入って目につくのは、物語の世界の中の番組である綾川千歳のオールナイトニッポンNのポスターやグッズの展示
国際フォーラムに入った瞬間から私たちは2025年の世界に迷い込んでしまっているような錯覚を覚えました
展示を眺めるのも大概に、開演30分ほど前に座席に着いたのですが、幕は閉じているどころか開け放たれており粛々と準備を進めるスタッフの姿が!
え、これ見えてていいのか!?と思いつつもこれも演出の一部だとすぐに気付き、早速してやられたとノーミーツの世界に惹き込まれていきました

準備をしている状態のままにぬるっと始まった舞台上では、準備に奔走する植村ディレクターの姿が!
映像越しでしか見ることのできなかった世界が目の前に広がっている事実に胸がアツくなりました

物語は序盤からキャストがあっちへこっちへと東京国際フォーラム中を大激走
舞台上のみならず、様々な場所で同時に展開していく物語に圧倒されていました

第一幕で私が心惹かれたのは準備中という舞台設定への忠実さでした
スタッフを演じるキャストにスポットライトの照明を当てたり、SEが入ってくるのは物語上不自然ですが、そこは流石鬼才小御門先生、準備中という状況を上手に利用しながら物語に違和感を与えることなくキャスト陣を輝かせていました

そして第二幕へと進んでいくわけですが、ここでもノーミーツ節にやられてしまいました
間も無く本番を迎える状況という最中で一度幕を締めることによって、東京国際フォーラムを準備中の舞台からお客さんを開演まで待っている舞台へと変貌させたのです
その瞬間、私たち観客も準備を覗いていた「あの夜であえたらの舞台観客」から「綾川千歳のオールナイトニッポンNのイベント参加者」へ役変わりさせらていました
第二幕の本番がどうなるのか、待ちきれないながらも少し長めの幕間に突入します

幕間、聖地巡礼へ

幕間に突入した途端、舞台が終わってしまったのではないと錯覚するほどたくさんの人が会場の外に飛び出していきました
普段の舞台ではお手洗い以外に特にやることもありませんし、座席で待機する人だって少なくありません
外に出ていた観客たちは何をしに行ったのか、そう「聖地巡礼」です
つい先程までキャストが走り回っていた場所、演技していた場所、座っていた場所など東京国際フォーラム全体を使った舞台だからこそ外に出ればそこは舞台上と言っても過言ではないでしょう
観客たちは今目にしたものをなぞるようにあちこちに移動しては写真を撮ったり、同じポーズをしたり思い思いの聖地巡礼を行なっていたそんな幕間
20分という時間を経て物語は第二幕へと駒を進めます

第二幕、あの夜を覚えていますか

第二幕はいよいよ「綾川千歳のオールナイトニッポンN」のイベントが幕を開けます
この第二幕まで私はすごくよくできた舞台だと感心していました
前作、「あの夜を覚えている」と新キャスト以外に変更がない中で前作を知らないと楽しめないという部分が全くなかったからです
すいません、間違えました
厳密には「前作を知らなくても楽しさに大きな差はない」というのが適切でしょうか
もちろん、第二幕も第一幕同様に前作を知らなくても楽しめる最高の舞台でした
一緒に行った祖母は前作を見ていませんが終わった後も非常に楽しかったと語っていたので間違いありません
それでも私は、もしこの記事を読んでいるみなさんがまだ前作の小説もしくは映像を見ていないけどこの舞台を見てみようと思っているなら、前作を是非見てほしい
今作を見てこの記事を読んでいるなら前作を見て、もう一度アーカイブを見直してほしい
そう心から思っています

本番の舞台でもてんやわんやは続きます
第二幕の面白いところは、舞台上の時間が止まらないことです
第二幕の設定上、私たちは観客としてこのイベントに足を運んでいることになります
例え楽屋や舞台袖などで物語が進行していたとしても、舞台上ではイベントの時間を止めることはできません
そういった細かい設定にもこだわって作られた第二幕

第二幕をネタバレがないように総括するのであれば
「あなたにとってラジオって何ですか?」という一言です
ラジオが好きでラジオに変えられた者もいれば、ラジオが好きであるからこそすれ違う者、苦しむ者もいます
ラジオが自分にとってどんな存在なのか、今一度考えさせられるそんな第二幕でした
そして何より、やっぱりラジオが大好きだなあと思わせてくれたそんな時間でした
物語がどんな結末を迎えるのかは是非、みなさんの目で確かめてください


登場人物ごとの感想

ここからは、物語に出てくる主要人物1人1人にスポットライトを当てて、感想を書いていきます

植村杏奈(髙橋ひかる)

物語の中心はやっぱりこの人、ラジオ愛で猪突猛進植村ディレクター!
少し抜けているところもありつつも、やりたいことに真っ直ぐな彼女は今作でも物語を引っ掻き回します
それでも誰よりもラジオが好きでラジオに人生を変えられた彼女だからこそ何かを起こす力があるのでしょう
そして、今作の激走No.1でもありました
色んなところを行ったりきたり、髙橋さんは本当に大変だったことかと思います

都築聡一(中島歩)

今作からの新キャラ、しっかり者の都築さん!
ラジオでありがちなノリと勢いで全部決めちゃうタイプとは真逆の段取りの鬼
ノリと勢いって上手くハマればいいけど、悪く言えば行き当たりばったりですからその辺りをきちんと締めてくれる都築さんは出来る大人って感じ
ラジオとはあまり縁がないそうですが、物語の中でラジオ愛溢れたキャラたちに囲まれた都築がどう変化していくかに注目

相原萌花(工藤遥)

密かなる推しPart1
前作で植村さんにカッコつけた後、一ノ瀬さんに揶揄われてバツが悪そうにしている優しくて頼もしくて少し見栄っ張りなところに中の人と同じものを感じて惹かれていましたが、今作では番組制作チームから異動して都築さんチームとのこと
昔のちょっと抜けた相原はどこへやら、しっかりものですごく頼もしくなって帰ってきた相原にちょっぴり感動
先輩も板についているようですが、どこか植村味を感じる部分も!
やっぱりラジオ好きなんだなっていうのが滲み出てる相原さん
今作では本当に大活躍でした!
元アイドルということもあり、ダンスパートでは1人無双
ちょっと見え張って頑張りすぎちゃうどぅーがやっぱり好きですね

神田龍二(入江甚儀)

変人奇人、Yesマン龍こと神田君ですが、今作ですごく成長を感じました
前までは自分のラジオ愛故に苦しんでいたようにも見えましたが、大人になって視野が広がったというか、こういう考え方もできるようになったんだなあと
とはいえ、相変わらず植村ディレクターと相原さんには敵わないようで安心しました
放送作家として第二幕ではカンペを出す役割を担っていますが、そのカンペが普通に面白いのが印象的でしたし、変な声を出すだけだと思っていた神田君がこんなにも頼もしくなっていたことになんだか嬉しくなりました

綾川千歳(井上音生)

親分であり、この舞台の中心でもある綾川千歳
色々書いてしまうとネタバレになってしまいそうなので、手短にいきますね
私個人としては、綾川千歳に自分の推しをすごく重ねていました
水曜日を担当する彼女ももしかしたらこんなことを考えているのかもしれないなんて思うと、どうしても他人事とは思えませんでした
綾川千歳が何を思い、何を成すのか
この物語のその先が一番気になる人です

富小路美沙子(高野ゆらこ)

強烈なパンチ力を持ったキャラクターを仕立ててきたなという印象です
世話焼きなおばちゃんというか芯が強くて頼もしくて言いたいことをガツガツいうタイプ
だからこそ、こういう人が弱った姿を見た時に手を差し伸べたい
この人の期待に応えてあげたい、そう思わせてくれる
そして何より、とても優しい人です
タレントのことをきっと誰よりも考えている人だと思いました

西 大輝(渡辺優哉)

昔の植村、昔の相原を見ているようでした。
ラジオが好きで、ラジオに携わりたくてこの仕事を選んだのに上手くいかなくて、心が荒んで
見ていて一番共感しやすいキャラクターだと思います
一番救われて欲しいキャラクターでもあります
ラジオへの愛は本物だから
きっとこれからも前に進んでいけると私は信じています

古家晴彦(小松利昌)

飯休憩のことしか頭にないおもしろおじさんこと古家さん
物語の序盤から終始、舞台全体の空気の柔らかさを支えてくれていたのは古家さんでした
ボケキャラかと思いきや存外ツッコミも鋭くて、今作からの出演ながら一気に好きになってしまうそんなキャラクターです
上司がこんな人だったらきっと楽しく働けると思います

加野徹也(山口森広)

遅筆の加野とは俺のこと、みんな大好き加野先生
今回は主に第二幕からの登場でしたが、前作とは違って頼りになる一面も?
でもやっぱり加野先生らしいところだらけで見ていて思わず笑ってしまいました
どうやら小説家としても活躍中とのことですが、心はいつもラジオの放送作家として頑張ってくれているみたいです

堂島 稔(吉田悟郎)

密かなる推しPart2
というより堂島さんのこと嫌いな人ななんていないでしょ
今回も頼れる植村の相談相手です
いつも上と下の板挟みになりながらもラジオへの熱い情熱でみんなを支えてくれています
堂島さんがいるだけで安心感も安定感もグンと上がる一家に一台堂島さん!

一ノ瀬尚樹(山川ありそ)

キャスト陣の中で唯一東京ドームで握手したことがある一ノ瀬さん
あまり口数が多い方ではないですが、前作の1人ブースでタオルで目を覆うシーンはグッときました
今回も植村さんを支えながら番組制作チームを陰でしっかり支えてくれています
客席の真ん中に音響ブースがあるので、行ったり来たりが本当に大変そうでした笑
そして何より、本当にいい声をしてる

小園真由美(鳴海唯)

密かなる推しPart3
今作はこの人に度肝を抜かれました
こんな隠し玉を持っていたとは。。。
小園さんの真の力をぜひご覧になってください
個人的にはダンスでのウインクが可愛すぎました
そして小園さんもいつの間にか先輩になり、藤尾さんとのコンビも健在
キュートでギャップのある小園さん、推しです

野々宮代助(相田周二)

前回以上に名言製造機になった野々宮局長
立場も上がり、出番も増えて稽古も大変だったんじゃないでしょうか笑
アドリブちっくな部分もいくつかあり、相田節が炸裂していました
個人的には2日目のVTRのシーンがツボです
そんな野々宮局長もここぞというところではやっぱり頼れる人で
これからきっとラジオの為にまた出世をしていくんだろうなあと密かに妄想しております

藤尾涼太(千葉雄大)

私たちの知る藤尾涼太はどこに??
と思うくらい今作では大活躍だった藤尾さん
事前のラジオの通り、他のキャストさんとは違った意味で大変なシーンがいくつもありました
そして何より、前作のファンからしたらあの藤尾涼太が!と思わされるシーンがいくつもあり、感動と涙が止まりませんでした
物語終盤、ハンドマイクを持った藤尾さんの言葉と行動には鳥肌が立ちましたしその後の流れも含めて最高でした
きっとこれからも、ラジオに出るたびに「フリートーク」とだけ書かれたラジオの台本が回ってくるであろう偉大なオールナイトニッポン元パーソナリティでした!
P.S.これ、ちゃんと言いましたよ
https://x.com/ann55_anoyoru/status/1713826455053013005?s=20

最後に

スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした
下見にもお邪魔させていただきましたが、その時からここどんな配線敷くんだろうとか、音声のディレイの問題とか技術的な課題は山積みだったと思います
本来、舞台以外は使用する予定のない国際フォーラムを丸ごと舞台にするためにたくさんの問題を必死に解決してくれていたんだと思います
幕間で、会場外の無線を必死に直すスタッフさんやロビーでの演技中に他の一般客が入り込まないようにするスタッフさん
私たちが目につかないところでもたくさんのスタッフさんがいてくださったおかげで舞台を楽しむことができました
本当にありがとうございました
また、会えたら

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