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R6予備試験再現答案:倒産法

倒産法の再現答案です。
自己評価:C~E。設問3が終了間際でほとんどまともなことが書けてないのと、詐害行為は間違いなく余事記載。なんでこんなこと書いたんだろう。

第1 設問1

1. BがAに対して有する未払給料債権は、当月締め、当月払いで支払われることから、令和5年1月から解雇された令和5年9月までの毎月の不足額の合計90万円である。
2. 上記のうち、「破産手続開始前三月間」の給料債権については、「財団債権」(破産法(以下法令名略)2条7項)として扱われる(149条1項)。本件においては、「破産手続開始」が令和5年11月であるから、その「前三月」に含まれる令和5年9月分の給料10万円が、財団債権として破産債権に先立って弁済を受けることができ(151条)、そして財団債権は破産手続によらずに弁済が受けられる(2条7項)。よって、まず10万円については、配当手続によらずに弁済を受けられることとなる。
3.そして残る80万円については、AB間の「雇用関係に基づいて生じた」給料債権であるから、一般の先取特権を有する(民法306条2号、308条)。そのうえで、かかる債権は「破産手続開始前」である令和5年1月から8月の未払給料債権であり、財団債権には属しないとされたものであるから、「破産債権」(2条5項)にあたる。そして、一般の先取特権を有する破産債権は、「優先的破産債権」(98条1項)として、他の破産債権に優先するものとなり、さらに、給料の請求権たる優先的破産債権は、101条1項により、配当手続によらずに弁済を受けうる。そして本件では、Bが解雇されて家族も含めて生活に困窮していることから、「生活の維持を図るのに困難を生ずるおそれ」(同項本文)が認められ、また、Dの判断により、他の債権者の「利益を害するおそれがない」(同項但書)も認められる。よって、裁判所の許可があれば、配当手続によらずに弁済を受けられる。
4.以上のことから、BがAに対して有する未払給料債権全額につき、配当手続によらずに弁済が受けられる。

第2 設問2

1.免責不許可事由は、252条1項各号に挙げられているところ、本件では、FX取引が「射幸行為」にあたるとして、同項4号に該当しないかが問題となる。
(1)FX取引は刻々とその相場が変化し、また、少額の元手で大きな金額の取引ができるという特性を有している。したがって、投機性の高いFX取引は、「射幸行為」にあたるといえる。
(2)また本件でAは、500万円という高額な自動車を売却してFX取引の元手に充てており、「著しく財産を減少させ」ている。
(3)さらにFX取引で生じた損失を取り戻すために、複数の消費者金融から借入れをし、結果としてその返済が困難になっていることから、「過大な債務を負担」している。
(4)以上のことから、Aには、252条1項4号の免責不許可事由が存在すると認められる。
2.そのうえで裁判所は、「一切の事情を考慮」したうえで、免責許可をすることができる。本件についてみると、AがFX取引を開始したのは、経営悪化に伴う資金確保の目的であるともいえ、自らの射幸心を満たすために行ったものではないといえる。また、飲食店の経営が悪化した際には、Bの給料カットを行うなど、経営立て直しのための方策も行っているとみられる。
3.よって、裁判所はAについて免責を許可することができる。

第3 設問3

1.小問(1)
(1)免責許可がなされた場合、253条1項各号に掲げる債権以外は、破産者は配当された部分を除く残部について、その「責任を免れる」こととなる。もっとも、免責の効果は「責任を免れる」ものにとどまり、債務の消滅を意味するものではない。したがって、免責が確定した破産債権については、強制執行のできない自然債務として残ることとなる。
(2)したがって債権①についても、自然債務として取り扱われることとなる。
2.小問(2)
(1)債権②については、民法766条1項に由来する債権である。そうすると、253条1項4号ハにより、非免責債権となる。
(2)債権③については、253条1項各号に該当せず、非免責債権となるため、自然債務となる。もっともAは、破産手続開始の申立ての準備をしながらかかる債務を負担しているため、不法行為として責任を追及されうる。

以上

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