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R6予備試験再現答案:法律実務基礎科目(民事)

民事実務基礎科目の再現答案です。
自己評価:E~F。設問1は壊滅。多分小問3と4は都合良い記憶改竄が生じているはず。設問3以降はそれなりに書けてる気もするけどやっぱ怪文書

第1 設問1

1.小問(1)
賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡権
2.小問(2)
被告は、原告に対し、本件土地を明け渡せ。
3.小問(3)
(1) XはAに対し、令和2年7月1日、本件土地を賃貸した。
(2) 同日、XはAに本件土地を引き渡した。
(3) 令和6年3月21日は経過した。
4.小問(4)
XとAは、本件賃貸借契約において、建物所有を目的とすることを合意した。

第2 設問2

1.小問(1)
(1) (ⅱ)については、再抗弁として主張すべきでなく、(ⅰ)についてのみ、再抗弁として主張すべきである。
(2)(ⅱ)については、無断転貸であるから、民法612条1項に反し、Yの転借権は認められないとする主張をすることとなる。もっとも、YはAが全額を出資して設立された法人であり、事業の目的も従前のAの事業であって、A以外には一切の役職員が在籍していないことを踏まえると、事実上、同一であるとみるべきであり、事実上、Aが賃借している状況にあるといえ、無断転貸にはあたらないと解される。他方、(ⅰ)については、債務不履行による契約解除(民法541条)の主張であり、かかる主張が認められると、Yの占有権原の抗弁は否定され、本件土地明渡を求める請求の効果が復活するから、再抗弁として主張できる。
2.小問(2)
(1)(イ)には、「同日、AはXに本件商品を引き渡した」との事実が入る。
(2)AX間の時計の売買は、双務契約たる売買契約(民法555条)に基づきなされたものである。そして売買契約によって生じた代金債権を自働債権とする相殺の抗弁を行う場合、相手方からは同時履行の抗弁が提出されるものと考えられる。そして相殺の抗弁においては、同時履行の抗弁権を相手方が有することは、内在的瑕疵と位置づけられることから、かかる瑕疵を消すために、自己の債務を履行したことを主張しておく必要がある。そして本件では、売主の債務である目的物の引渡しを履行済みであることを主張する必要があるため、かかる主張を行うこととなる。

第3 設問3

1.小問(1)
(1) (う)には、「XはAに対し、令和4年11月9日に、100万円を支払った」との事実が入る。
(2)和解契約が成立すると、その時点で「争いの目的である権利」の存否や範囲が確定する(民法696条)。本件では、「争いの目的である権利」は、本件商品の代金債権であるところ、本件和解契約によって、100万円の範囲でAが「権利を有するものと認められ」たこととなる。そしてこれが和解契約成立の時点で既に弁済されていることを証明すれば、「従来その権利を有していなかった旨の確証」が「得られた」こととなり、代金債権は「消滅」したものとなって、かかる債権を自働債権とした相殺は行えなくなる。したがって、弁済の事実を主張する必要がある。
2.小問(2)
(1) 裁判所はAに対し、否認の理由を明らかにするよう確認するべきである。民事訴訟規則79条3項により、否認する際には、その理由を明らかにすることが定められているからである。
(2) もしQが、「署名がA本人のものでないこと」を否認理由とする場合には、Pは筆跡の対照(民事訴訟法229条1項)を行うための文書提出命令の申立て(同条2項、同法221条1項、223条1項)を行うべきである。そしてもし筆跡の対照を行うのに適当な文書が無い場合には、同法229条3項に基づく筆記を命ずる職権発動を促していくべきである。
他方、もしQが「署名は本人のものであるが、文書の偽造や錯誤がある」ことを理由とする場合、Pはこれに対応する訴訟活動をすぐに行う必要はない。同法228条4項により、本人の署名があるときは文書の成立の真正が推定されることから、立証責任の転換が生じ、Aにおいて真正な成立を否定する立証が必要となるからである。

第4 設問4

1.本件における強制執行は、民事執行法168条1項に定める、不動産の明渡しの強制執行として行われることとなる。しかし、強制執行の申立ての時点で本件建物の所有権が既にZに移転していることから、本件土地の占有もZに移転していることになる。そうすると、「債務者の不動産等に対する占有」が存在しないこととなり、これを解くことでなされる不動産の明渡しの強制執行は行えない。
2.かかる不具合を回避するため、Xは予め民事保全法55条1項に基づき、本件建物の処分禁止の仮処分命令を申し立てるべきであった。これにより、本件建物については処分できず占有移転を防止することができるし、仮に仮処分命令に反してYがZに本件建物の所有権を移転させていたとしても、同法64条に基づき、Zに対して強制執行を行えたからである。

以上

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