見出し画像

【初心者向け】サイドプランって何?

はじめに

 ごきげんよう。もっさ(@Mawssa2000)です。今回は夜カードの練習をしたために頭が回ったまま寝付けなかったため深夜に執筆しています。ほぼ毎日見ているYouTuberの方がポケカを始められるということでそういった方向けの記事でも書くかぁと思ったのが動機です。ただし、他のクリエイターさんと違って丁寧な表記が苦手なので、略称等を使ってしまいます。ご了承ください。ただ、ポケモンカードにおけるシステムの抽象的な問題なので、具体的なカード名などは具体例のみで登場させるつもりですし、あまりルールブック等の辞書的な表記を使った説明をしないように心がけて作成しました(当然ルールブック等を参照することが一番ですが)。補足部分については読み流しても構いません(特に※がついているところなど)。また、イラストなどは私の技術上うまく使えないので、ご了承ください。深夜に執筆しているとはいえ、実際は何日か構成を考えて結構時間を使ったのでもし役に立ったという方がいらっしゃれば、投げ銭をしていただけると幸いです<m(__)m>

サイドプランとは

 まず完全に造語で公式用語とかではありません。というかもう少し厳密に言えばサイド(レースを考える上での)プランです。サイドレースというのはその字のごとく、お互いがサイドを取り切るまでのレース、すなわちせめぎ合いのようなもののことを表します。今回はそれについてどのようなせめぎ合いをするのかというプラン、すなわち計画をどのような風に立てているのかを具体例とともに紹介します。

 自分が対戦相手と戦う時に、主観目線単純に言えば


① 自分が楽をして勝ちたい
② 相手に勝ちづらい盤面を強要したい

ということをどんな対人ゲームであれ求めることになると思います。

このやや抽象的なものを具体的に落とせば、


① 楽にサイド6枚を取りたい。
② 相手により多くのサイド枚数分攻撃をさせたい。


(勝利条件がサイドを6枚とり切ることのみではないので、当然例外あり。)
ということがこのゲームにおける各プレイヤーの基本的な目標になると思います。

 ということで、上記の目標を満たすために、「どうやってぴったりサイドを6枚とり切るか」や、「相手に3-2-3と押し付けて、サイド8枚分のダメージを出させよう、さらに要求をあげるために2体目が倒されたところでリセットスタンプを打とう」といった計画を立ててプレイをすることになります。

※例外:例えば相手も自分も事故気味で、相手のベンチにメッソンがいるとき。盤面によりますが、サイド3枚分のポケモンがあと2枚の計3枚しか存在しなくても、先にメッソンをおとしてかかることはあり得ます。この際1-3-3というようなサイドの取り方(つまりサイド6枚分以上のダメージが必要)になるかもしれませんが、相手がレベルボールやうらこうさくのジメレオンを引いてしまった場合に事故が解決しやすい観点から、盤面上メッソンを落とすことが正着ということもありそうです。要は盤面次第であり、サイドプランを最優先にすると相手の勝ち筋を増やしてしまうこともありうると思います。メッソンから倒した結果、相手がデデンネgxをプレイすることになり、結果サイドを1-2-3とリセットスタンプのケアをしつつ綺麗にとり切ることができるかもしれません、結果論ですが。

 もっと具体的にいくつか紹介します。その上でデッキレシピを用意するのが面倒だった、自分の用意したレシピに自信が無かった、という私的な理由で海外オンライン大会の上位入賞デッキを引用させていただきます。(https://play.limitlesstcg.com/tournaments)

もっと具体的に① 「ブルー型のメインアタッカーがサイド3枚分デッキ」

画像1

画像3

画像22

画像23

 一部現在は使用できないカードがありますし、なんならブルーの探索がそもそももうすぐ使えなくなるのですが、とてもよい例だと思います。

画像2

 Vmax主軸のデッキの方(先に挙げたコケコVmaxデッキのような)が分かりやすいので、それを使って説明します。テキストを覚えていない方でも、

・Vがサイド2枚分
・Vmaxがサイド3枚分

という点だけ理解していれば大丈夫です。

 試合開始時に、たとえばこちらのパルスワンV君でスタートしたとします。この後に何事もなければこの雷デッキの使用者は「Vmaxかタッグチームのカードを合計2体しか」展開しません。(※デデンネgxなどの他のポケモンを使わずに展開ができるのがブルーの探索というサポートの良い点です。)

画像4

画像5

画像6

 一言で言えば、最初に気絶したパルスワンV君のサイド2枚分が「実質サイド1枚も取られていない」ようなことになるのです。

 相手目線パルスワンVを取った際に残りサイドは。しかし、相手(つまり自分)の盤面上には、サイド3枚分のアタッカーが2匹だけ。相手は残りサイド4枚なのに、強制的にサイド6枚分ダメージを与えなければならないのです。

 これって、最初からサイド3枚分のアタッカー2体を相手にしている時と変わりませんよね、いやむしろ相手目線は余分にサイドを取らされている、8枚分のサイドを取らされていることになるわけです。自分目線では、サイドを2枚とられても、基本的には一ミリも心配する必要が無いわけです。

 そして、リセットスタンプというカードが複数枚採用されているケースがほぼ100パーセントです。テキストは以下の画像の通り。

画像7

 要するに残りサイドの枚数に関係するカードです。上記のような2-3-3とサイドの取り方を強制的に要求させる盤面を築けた場合に、相手が順調にサイドを取っていけば、100パーセント残りサイド枚数が1になる瞬間が訪れます(2+3=5より)。このリセットスタンプを使えば相手の手札が1枚になってしまう訳です。相手の残りサイドが1枚なのであれば、自視点相手より残りサイドの枚数という観点からは、有利に進んでいることはあり得ません。同等以下です。つまりこのリセットスタンプを一番強く使えるタイミングで使用することで、形勢逆転を狙いやすいということです。また、残りサイド1枚でも相手はこちらのサイド3枚分のアタッカーを倒すことを強要されているわけですから、相当HPの高いポケモンが残っています。つまり、相手がサイド1枚になっている状況が長い、すなわちリセットスタンプを一番強いタイミングで複数回打つチャンスがあるということもこのデッキコンセプトの利点になります。

※100パーセント残りサイドが1枚になるわけではない話
 相手目線残りサイド1枚にならないように頑張る工夫はあります。例えば6枚同時に取ること、なんかがあります。ベンチにもダメージを与えられるポケモンを使うなどして1ターンで同時に複数のポケモンを気絶させるように立ち回ると、リセットスタンプの影響を最小限に抑えることができます。他にもいろいろ工夫はありますがかえって複雑化してもいけないので割愛します。

※三神ザシアンというデッキを知っている方へ

画像9

画像8

 よーく見かけるこちらのデッキもリセットスタンプがよく採用されていますね。このデッキも似たような理屈があります。

 様々なプランがありますが、最もオーソドックスなプランを挙げると、アルセウス&ディアルガ&パルキアgxが最初に出てきて、倒されて以降ザシアンVが殴る、というものがありますね。これって先ほどの相手目線必ず残りサイドが1枚になるという話が適応できますね。抽象的に表せば、サイド3枚分→サイド2枚分と相手はサイドを取ります。相手の残りサイド1枚に対し、自分は再びザシアンV(2体目)をぶつけるわけです。相手の残りサイドが1枚のとき、ないしタッグチームが倒された後の残りサイド3枚時に、リセットスタンプを打ってやれば相手を上手く邪魔できるわけです。

画像10

画像11

 ここで述べたいのは、例えば最近流行りのクワガノンなど「ベンチにもダメージを与えるデッキ」に対して、ベンチバリアのミュウを採用することがあると思います。これはあくまでサイドプラン上の話になりますが、ミュウが盤面に出てしまうと、盤面上は負け筋を増やすことになりがちです。

 なぜかというと、先ほどのように、タッグチーム→Vポケモン、というようにサイドを取られたときに、場にベンチバリアのミュウがいるとどうなるでしょうか。相手の残りサイドが1枚に対して、「たったHP60のミュウを落とせば勝ち」という状況を作ってしまうのです。これならまだましなのですが、ミュウスタートで最初にミュウが倒されてしまうと、相手の残りサイドが5枚になり、チョットした技でミュウが気絶してしまったせいで、タッグチーム→Vまで取られたら負けてしまう盤面になってしまうのです。当然ですが、ミュウを採用するなという意図ではありませんが、このような6を基準とした数の組み合わせを試合中考えることになります。

もっと具体的に②「白馬バドレックスデッキ」

画像12

画像13

画像14

 まず、巷では「白馬スイクン」という総称が使われており、初心者の方でも、聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。しかし、このデッキについていろいろ調べていただくと、白馬バドレックスVmaxとスイクンVの配分が違うものが多くあると思います。それらのデッキは白馬スイクンとまとめられていても、全く別物だと思ってください。当然これは客観的事実ではなく私の主観が含まれます。これらのデッキはアタッカーという観点から、サイドプランについて言及すると、以下の3匹について基本的には考えればよいです。(例外は多いです。)

画像15

画像16

画像17

 先ほどの例では、サイドが2枚分か3枚分か、しかありませんでした。
ここでは、Vmax、V、非ルールのポケモン、すなわちサイド3枚分、2枚分、1枚分のポケモンを使って、いかに相手に多くのサイド枚数分のポケモンを押し付けることができるか、ケースバイケースで作戦を変えるデッキになります。(この戦略からまたもリセットスタンプが採用されている理由が分かると思います。)

 例えば
①3-2-3
②2-2-1-3
③2-3-3 とか。

 しかし、ポケモンカードというものを抽象的に「サイド〇枚分のアタッカー」と何から何まで捉えてしまうのは誤りで、当然カード毎に個性があります。例えば白馬バドレックスVmaxを強く使いたい(個性を生かしたい)場合、サイド3枚分の白馬バドレックスVmaxを2枚(つまりサイド6枚分)使うと考えると、間に挟めるのはサイド2枚が限界であるので、使えるスイクンVの枚数は1枚になりますね。つまり、サイド落ちの観点から、スイクンVが2枚採用されているデッキが多いですが、極論白馬バドレックスVmaxを主軸で使う場合、スイクンVは1枚で良い、という結論も出せます。当然2枚あれば上記の例でいう②のようなサイドプランをとることも可能ですが、「最初っからしっかり白馬バドレックスVmaxで速攻をしかけるんだ!」という方向性でデッキを組んでいた場合、上記の観点からはスイクンVの枚数は別に2枚以上でなくても良いのです。ということで、スイクンVがたくさん入っているデッキはまた「スイクンを強く使いたい!」という意図があってそのようになっているので、それらのデッキを「白馬スイクン」と一括りにしてしまうと使用する際に誤った使い方をしてしまう可能性があります。

 また、②のようなプランを取ろうと思った場合にサイドプランを考えて、インテレオン(非ルールのアタッカー:サイド1枚分)のアクアバレットを打ったとします。これは必ずしも正しい選択ではありません。パルスワンVを倒しても自分目線へっちゃらであったことのように、相手目線「ここで120ダメージくらっても別に何ともないよ」という場面があります。一つの基準としては、そのアクアバレットの返しにインテレオンが気絶したとき、その120ダメージのおかげで次のスイクンVや白馬バドレックスVMaxの攻撃で相手を倒せる時になります。要はサイドを取って勝利するプロセスにしっかり関与しているかどうか、ということです。第一は盤面の確定情報であるということですね。


もっと具体的に③「リーフィアVmaxデッキ」

画像18

画像19

 ポケモンの個性について触れるためにこの例を出します。先ほどの説明で行けば、上のデッキレシピのように、「サイド3枚分(リーフィアVmax)、サイド2枚分(スイクンV)、サイド1枚分(インテレオン)、というカードをいい塩梅で使い分ければ強いのでは??」と思われるかと思います。このデッキもある大会での優勝デッキでとっても強いのですが、同様に下のようなデッキも大会で大活躍しています。当然進化するポケモンがアタッカーなので、例えば後攻スタートリーフィアVで相手の先攻2ターン目にそのVが気絶してしまい、2(V)-3(Vmax)-3(Vmax)や、メッソンなどのポケモンが最初に気絶させられて、1(メッソン)-3(Vmax)-3(Vmax)という風な試合展開は可能なのですが、なかなか3エネ起動のリーフィアVを挟むような、3-2-3といった攻撃は難しそうです。また、相手目線3(Vmax)-3(Vmax)ととればよい盤面になることもありえてしまうでしょう。それでも、リーフィアVmaxのデッキは下の例のようなデッキで組むことがおおいにあるのです。その理由は前述の通り、「リーフィアVmaxがそれほど個性的だから」です。

画像21

画像21

 このデッキはガラル鉱山というスタジアムを出した状況で2つエネルギーがリーフィアVmaxについていると相手に大ダメージを与えることができるデッキです。よって、リーフィアVmaxを立ててエネルギーとスタジアムを貼れれば多くのポケモンをなぎ倒し続けることができます。つまりそこまでの動きの再現性(同一の特性が同一の手法 により発現するとき、その結果の一致の近さのこと)が高ければ、なんならリーフィアVmax1匹でサイド6枚分取り切るくらいのポテンシャルがあります。要はリーフィアVmax一匹をちゃんと立てよう!ということです。相手目線3-3で勝利できるとしても。

 上の例を見ればわかると思いますが、スイクンVを採用するということは、当然リーフィアVの枚数を減らしたり、別のカードを採用するために安定感を落とす決断をしたりします。よって、上記のような「リーフィアVmax一匹をとことんしっかり強く使う」という動きが達成できない可能性が出てきてしまうのです。ただし、自分の述べた論ではありますが、この上下二つの例を全く別のデッキと捉えることも可能ですから、厳密にはこの比較はあまり宜しくないものかもしれません。ただ、イメージは湧いたかと思います。

 また、メッソンからとられて1-3-3のように、という文言がありました。メッソンは少々別格なのですが、「相手にサイドを取られてしまうから、HPの高いポケモンを前に出そう!」という考えになることはありませんか?

 自分目線パルスワンVの2枚取られてもへっちゃら!という話が先程ありました。それと同様に、もしサイド3枚分のリーフィアVmax2枚で攻めるのであれば、「サイド2枚分は相手に取られてもへっちゃら!」という考え方ができます。メッソンは後から仕事をするので少し置いておいて、あまりスタートしたくなかったクロバットVくんでスタートしてしまった場合を想定します。彼のHPは180でHP200のリーフィアVくんに下げれば、返しのターンで相手のガラルファイヤーVちゃん(190ダメージ出せます)からダメージを受けてもサイドを取られないことになります。しかし、それは悪手になってしまうことが多いです。基本的にもうこのリーフィアVは進化せず、ほかの2体のリーフィアVを進化させて育てなければなりません。なぜなら、190ダメージを食らったリーフィアVを進化させてしまうとHP120のリーフィアVmaxが誕生してしまいます。サイド2枚分は取られても大丈夫なのに、相手目線は残りHPが120のリーフィアVmaxと後ろにいるであろうHP310のリーフィアVmaxを3-3で取れば勝ててしまう盤面ができてしまいます。特に自分のデッキの中でメインアタッカーとして据えているポケモンについては、「先に相手のアタッカーに殴られない」ことを重視することがとても重要なのです。

 逆に、自分が攻撃する時はいかに早く相手のメインのアタッカー(要はエネルギーが付いているポケモン)に先に攻撃を仕掛けれるか、ということが重要になってきます。

 上記のことを満たすために、クロバットVくんには気絶してもらって、無傷のリーフィアVmaxで攻撃を始めることが正着だったりもします。またこのように2枚は取られても良いという余裕があると焦りも減りますし、クロバットVに加えて、一匹目のリーフィアVmaxが落ちた時には相手の残りサイド枚数が1枚となっているので、先程紹介したリセットスタンプから無傷のリーフィアVmax2体目で無双を仕掛けることもできるわけですね。

おわりに

 具体例からいくらかイメージがついたでしょうか。サイドを6枚とり切るため、そしてサイド6枚以上分相手に攻撃させるため、数の組み合わせを考えながらプレイすることがポケモンカードの一つの面白さであり、戦略の方向性を決定づける要素の一つになります。勝利を目指しながら負けないプレイングをするというイメージでしょうか。しかし一方で、ポケモンにはそれぞれ個性的な技や特性があり、そういった観点からサイドを取る効率を重視した理論とは違ったプランを取ることがある、何よりも大事なのは盤面の確定情報である、それが私自身の主観も絡めた当記事の結論となります。最後まで見ていただきありがとうございました。それでは。

ぴーえす
 記事中のデッキレシピをそのまま組んでも現環境のものではないので、デッキを組む場合はシティリーグの結果ツイートなど最新の情報や記事から収集してみてください。また、上記の通り数の組み合わせを考えて自分で選んでプレイする要素が強いことから、同じデッキを使っていてもプレイング次第で勝率は大きく異なります。ネットの優勝デッキひとつを取ってそれを極めると現環境はとても勝てるようになると思います。要するに、練度がそのまま勝率につながりやすい環境だと思いますので、お気に入りのデッキをTwitterやブログ、note記事などで見つけたら迷わずそのデッキから初めて見ることをお勧めします。その際、当たり前ですがレシピの画像だけのツイートからスタートするよりかは1枚1枚の採用理由がしっかり書かれたものを参考にすると近道かもしれません。

 あと、もしこの記事の内容を面白く感じてくださった方は、こちらの記事を見てもらえると嬉しいです。上記の話の少し応用した内容になっています。



ここから先は

0字

¥ 100

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?