2022/6/10 休日だった話

今日は「特別休日」という会社の休みだった。良心的にもメーカーではこういう休みが設けられることがあり、有給を取ることも忘れ、週休二日のサイクルを無心に過ごしている身にとってはめちゃくちゃありがたかったりする。おかげで十分に睡眠をとることができた。でも、こういう日でなければ日記を書くこともできない自分には相変わらずうんざりする。

読むのを先送りにしていた『屍者の帝国』(著者:伊藤計劃・円城塔)を読み終えた。
6年くらい前、伊藤計劃の作品が一斉にアニメ映画化された際、『屍者の帝国』はDVDを借りて観た覚えがある。そのときの物語はあまり覚えていないが、読み終えたところ小説は全く別物のように思う。話は面白かった。引用が多いので、聖書や西洋史に明るければもっと楽しめたのかもしれない。難解で理解しにくい箇所もあるが、わからずともそれはそれで「SFを読んだな」という実感がある(良いか悪いかはおいておく)。
本作が伊藤計劃亡き後に盟友(出版社曰く)の円城塔が引き継いで完成させた作品であることは知っていた。円城塔の書いたあとがきによれば伊藤計劃の手によって書かれたのはプロローグの30ページほどであり、それ以外は円城塔の手で書かれているらしい。作品を引き継ぐにあたり円城塔がどのような考えで臨んだのか気になったが、あとがきでは「伊藤計劃は変化しようとし続けていたのだから、彼ならどう書くかと問いかけることはしなかった」とあり、そもそも著作である『虐殺器官』も『ハーモニー』も文体が異なるわけで、「伊藤計劃らしさ」なんて計る術がなかったことを知る。
読みながらふと、「伊藤計劃は病床に伏せる中、『虐殺器官』を十日間で書き切った」という話をどこかで読んだことを思い出した。(逸話の真偽はさておき)病魔の進行がもう少し遅かったら『屍者の帝国』は伊藤計劃の手で完成したのだろうかと純粋に疑問に思ったが、こんな野暮なことは考えるだけ失礼だと思い直した。

地元の本屋に寄ったら唐突に「時間があったら読みたいけどなんだかんだ買ってすらいない本」のことを思い出して、帰ってからKindleで片手の指の本数ほど買った。『十角館の殺人』とか『アメリカン・ブッダ』とか『月とライカと吸血姫』とか。積み本は作らない主義なので、こうして有限な時間は着実に本達に埋め尽くされていく。
最近、映画やアニメ、ゲームに使う時間がめっきり減った。やる気の問題かもしれないし、時間の問題かもしれない。じゃあ寝る時間を削れという話だが、自分の身体はそううまくはできていない。基本5時間寝なければ支障をきたす体質であり、いつもはカフェインの力で無理やり乗り切っている感がある。ショートスリーパーになることを毎夜のように願っている。

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