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はじめての自費出版|03.ひとり取材してみた

「LIFE HISTORY MIXTAPE」の構想を相談した1人目、ライター・編集のコーローさんに相談すると、彼からはこう言われました。

「まずは1人取材してみては?」

確かに。何も定まっていない中、頭で考えているだけでは堂々巡りだったので、頂いた助言の通りに動いてみることにしました。

「LIFE HISTORY MIXTAPE」には10人のラッパーが登場しますが、この頃は何人分を収録するのか、一人当たり何文字の文章にするのか、自費で出版するのか、何も決まっていませんでした。相談の乗ってくれたコーローさん的にも、あまりにも定まっていないのでアドバイスしづらかったでしょう。

実際に聞きたい内容はうまく引き出せるのか。そもそも取材を受けてくれるラッパーがいるのか。想像だけでできる気がしていましたが、どうなることやら。自分発信の何かをつくった経験がない僕にとって、自分を動かす最初の一歩目はとても億劫です。でもコーローさんが言ってたんだし、と自分に言い聞かせてまずは人選から。

企画書に載せていた語り手候補は次のとおり

  • 面識のある若いラッパー

  • 知り合いを辿って打診可能なラッパー

  • 無理めだけど既に知名度のあるラッパー

出版社に持ち込むかもしれないので、カマし込みでつくってありました。でもいざ実際に取材するとなると、現状の何も決まっていない段階での打診になるので、それでも受け入れてくれる関係性がなければ成立しないでしょう。そこでやはり、僕が関わっている番組「ラップスタア」で面識のあるラッパーの中から選ぶことに。また、その頃ちょうど番組の2021シーズンが終わったばかりだったので、そこに参加してくれた中からが探すのが良いと思いました。

そのシーズンで僕が担当だったのはFuji TaitoとTokyo Galという2人。番組で取材していたので、ある程度の生い立ちは知っていました。2人とも興味深かったし関東在住なので会いやすそうだったんですが、Tokyo Galはそのシーズンの道半ばで敗れ、ファイナルステージに進めずだったので、依頼するのが申し訳なくてひとまず保留し(後に取材させてもらいました)、 Fuji Taitoは連絡しても反応がないことが多かったので、こちらも一旦保留することにしました(同じく後に打診したんですが未だ返事待ちのままです、笑)。

ということで、2人以外で関係性が近かったEASTAというラッパーにお願いしてみることにしました。

奈良出身でガタイが大きく、肝が据わっていてユーモアのある、コミュ力抜群のラッパーです。 EASTAのことはもともと番組で担当する予定で事前取材をしていたので、そこそこ親しくなっていました。きっと面白がってくれる気がしたので、東京に来るタイミングを見計らってDMしました。すると全く迷うそぶりも見せず、二つ返事で引き受けてくれました。

そうして迎えた取材当日。アクシデントもあったんですが、その顛末は「LIFE HISTORY MIXTAPE 01」の中のInterludeと、出版後に掲載してもらったQuickJapan誌のコラムにも書きました。とにかくとても充実した時間でした。EASTAが語った内容はもちろん面白かったんですが、上手くいかないことも含め、当日に起こったあらゆる事が楽しく【この取材は続けられそうだ】と思えました。これがいちばんの収穫だったと思います。

時間の使い方や話の広げ方など修正点も多く見つかりながら、何とか手探りでも取材を終えられたのは、全てEASTAのおかげでした。気さくで饒舌な彼がトップバッターで本当に良かったと思います。

1人目を取材してみて分かった細かいことはざっと以下のような感じ。

  • ある程度関係性がないとオファーが難しそう

  • 取材時間は2時間くらいが妥当

  • 時間には余裕を持った方がいい

  • 写真を撮っておいた方がいい

  • 聞き取りの他に、当日の起こった事も何かの形で使えそう

またこれに加え、実務以外にも気づいた大事なことがあったので次の記事として書きたいと思います。

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