藤井風『燃えよ』の言葉遊びに唸る
まず最初に。藤井風さん、第15回CDショップ大賞〈赤〉受賞おめでとうございます!!
アルバム『LOVE ALL SERVE ALL』が大賞〈赤〉を受賞したことが今日発表された。めでたい。
この大賞〈赤〉は、「何回でも聴きたい素晴らしい作品=#神アルバム(と呼べるような作品)」というテーマで選出される。
つまり、神アルバムなのだ!
今回はそんな神アルバムの収録曲、『燃えよ』について語りたいと思う。
全てがタイトルに収束する
『燃えよ』は聴くだけで熱い気持ちになる。もっと今を生きよう、そんな気分になれる。
歌詞やサウンドの力強さ。それを歌い上げる藤井風。すべてが合わさって、満ち満ちとしたパワーを発している。
僕が大好きなのは、そんな歌詞のうますぎる言葉遊びだ。
はじめの2行は「もうええよ」。しなくていいよ、という否定の意味で使われている。
次の2行は「ええよ」。いいんだよ、という肯定的な意味にくるっと変わっている。
ここがポイントなんだけど、音だけ聴くとどれも同じなのだ。
「もうええよ」も「〜もええよ」も、音だけ聴くと「もーえーよ」。
同じもーえーよでも、いつの間にか意味が変わっている。しかも否定から肯定に。
きわめつけはラストだ。「あの空に燃えよ」
最後の最後にタイトルを持ってくる気持ちよさ。伏線回収みたいな。
意味合いもだんだんポジティブに変わって、最後には必殺「燃えよ」をメッセージとして伝える。
こんなに綺麗にタイトルに繋がる曲があっただろうか。
今を生きる
シンプルでまっすぐな歌詞。
だからこそ伝わってくるものがあるし、背中を押される。
その上、そんなの思いつく!?みたいなギミックが使われているところに、天才を感じてならない。
僕は、この言葉遊びもたのしみながら歌詞を書く藤井風がカンタンに思い浮かぶ。
歌詞でメッセージを伝えながら、藤井風自身もとても楽しんでいるのが伝わってくる『燃えよ』が大好きだ。