2020振返り 放浪生活 後編
2020年は9月までが前編、10月からが後編という、ちと歪な分け方ですが、やっぱり振り返ってみると、そこを境に生活が大きく変化しています。
放浪生活の中で、どういうところが、なぜ、記憶に残っているのか、書き残してみたいと思います。
2020年10月から滞在した場所は下記の通りでした。
宮崎県日南、大分県佐伯、大阪府豊能、兵庫県神戸、京都府京都、兵庫県丹波篠山、鳥取県岩美、徳島県三好、徳島県美馬
宮崎県日南:10月初旬に行きましたが、飲食店はどこも「他県からのお客様お断り」の看板。「どこから来たんですか?」と聞かれると答えにくくて、肩身が狭かった。。それはさて置き、週末にローカルバスで隣の飫肥市という町に出掛けました。歴史や文化が残っている城下町で、資料館もあったりして、そういう所を訪れるのは楽しい。絶景とか、美味しいカフェも悪くないけど、歴史のある街を訪ねている時が一番楽しい。
大分県佐伯:「さんかくわさび」というゲストハウスに滞在。ゲストハウスのオーナーさんは、私のひとつ下の女性で、数年前に地域おこし協力隊として大分県佐伯に移住。任期終了後に空き家を改築して現在のゲストハウスを立ち上げられたようです。オーナーさんも、お客さんも、兼ヘルパーの大学生の子も、知り合いの方も、気持ちのいい方たちばかり。風通しよく、居心地の良い場所でした。
滞在中も色々な人と出会いました。知合いの方がフラッと立ち寄っていかれたり、高校生が晩御飯を食べに来たり、地元の人がお昼に飲食店をやったり、夜に前衛的な作品の映画観賞会をやったり、なんだか地域のコミュニティスペースみたいでした。
佐伯には飲食店がたくさんありました。どこにいっても美味しいし、おまけに、どのお店の人も優しくて、温かい。町ですれ違った人たちは挨拶をしてくれる。きっとここなら移住者を受け入れる土壌があるなと感じました。
移住者からよく聞く話ですが、余所者を受け入れる土壌があるかどうかはすごく大事だそうです。2ヶ月間、色々見て回った中で、そういう土壌のある・なしを確かに感じるようになりました。佐伯にはそれがあるように感じます。移住者が新しいことをやろうとすると、それをそっと影で見守っていて、必要とあらばいつでも出てきて力を貸してくれる感じ。(これはゲストハウスのオーナーさんの言葉)
ちなみに、関係ないけど、放浪中に食べたBest of 刺身はここだった。食べ物が美味くて豊富にある土地は、人を豊かにするのかな、本当にいい町だった。
大阪府豊能:大阪の里山にあるシェアハウス兼ゲストハウス。ここはあまり響かなかった。田舎暮らしとか、自家栽培のお野菜とか、素敵だなと思うけど、それだけじゃ私は飽きそう。それと古民家の生活もいいけど、やっぱり豊かで便利な生活の方がいいかも・・・
兵庫県神戸:ゲストハウスに滞在。近くに活気ある商店街があってよかった。でもあまりに綺麗すぎて、生活感がなかったからか、そんなに響かなかった。
京都府京都:Fujitaya BnBというゲストハウスに滞在。ご夫婦で運営されているゲストハウス。ご夫婦には1歳くらいの子供がいて、子育てするならゲストハウスとかシェアハウスでしたいなと思った。小さい頃から色んな人と触れ合える環境って良さそうだし、子育て中も気分転換になる。ちなみによそ者を受け入れる土壌があるかどうかという点では、ご夫婦が京都でゲストハウスをオープンした時のお話を聞いて、京都はやはり手強いなと感じた(保守的なお国柄ですよね、そんな気はしていましたけど)。しかし故に京都は由緒ある神社仏閣が沢山あるし、長いこと日本の政の中心だっただけあって、歴史好きとしてはたまらない。美術館や催し事も沢山ある。魅力的だ。時々は来たい。あと、このゲストハウスは近くに銭湯がある。銭湯最高。
オーナー家族がゲストハウスに住んでいることもあり、どことなく生活感があって、だけど、新築のお家ということもあり、動線が美しいし、床暖も入ってて過ごしやすく、水回りも綺麗だし、住みやすい!泊まりに来る人も、なんとなく、教養のある人たちが多いというか、刺激的なバックグラウンドの人が多くて、色んな国籍の人が遊びに来るし、町には文化や歴史があるし、すごくワクワクした。何より銭湯がある!
このゲストハウスの感じ、凄く理想。
兵庫丹波篠山:滞在したゲストハウスは、生活感がなくて寂しかった。街もあまり活気がなくて、伝統とか文化は層が厚いんだろうけど、ひと気のない街は寂しいなと感じた。人の雰囲気も京都に似て、ちょっと保守的。
鳥取岩美:私の父と同世代のご夫婦が運営されているゲストハウスに滞在。鳥取の別の集落にあった築90年の民家を解体して、新築の家を建てたそうです。随所にご夫婦のこだわりがあって、食器も知り合いの方の作品とか、素敵なものばかり。世間に受けるゲストハウスを作るより、自分のこだわりを集めたゲストハウスの方がいいと感じた。この放浪生活で、世間に受け入れられるゲストハウスは一体どんなものなのかを学ぶつもりでいたけど、そんなのはあまり重要でないなと感じた。それよりも、自分がこれまで生きてきた人生の中で、好きなものとか、こだわりとかをたくさん詰め込んだ家の方が面白いと思った。そして、激まぶの柴犬にも会いました。いつか家を持ったら柴犬を飼いたい・・・
鳥取三好:あまり生活感がなくて、綺麗でもなくて、微妙だった。
鳥取美馬:ゲストハウス兼シェアハウス。クリエイティブな若者が沢山集まる、エネルギーに溢れたおうちでした。だけど、オーナーさんにパワーがありすぎて、家なのか、組織なのか、バランスが難しいなと感じた。オーナーと住民との距離感って大切だな。
総括として、また戻りたいと思う場所は3箇所。佐伯と京都と岩美。
色々なゲストハウスを巡っていたら、やっぱり自分もゲストハウス兼シェアハウスを作りたいと思ってきた。自分のこだわりをたくさん詰めた、外国人も日本人も、年齢やバックグランドも様々な人が集まるような場所を田舎に作れたらいいな。場所は、文化とか歴史とか工芸品とか、そういうのが発達した城下町みたいな地方都市がいい。できれば譜代大名ではなく、外様大名が長らく治めた地方都市で、今も活気のある町。・・・妙なこだわり。笑
とりあえずもう3ヶ月ほどアドレスホッピングの生活を続けて、一旦総括してみようと思っています。ここから先、ビビッとくるような場所とか、出会い、期待しているけど、あるような、ないような。そういう直感を期待して待つよりも、もう自分で決める時なのかも、と思いつつ2021年に向かいたいと思います。