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「黒い羊」こそが勇者。

黒い羊 そうだ僕だけがいなくなればいいんだ
そうすれば止まってた針はまた動き出すんだろう?
全員が納得するそんな答えなんかあるものか!
反対が僕だけならいっそ無視すればいいんだ
みんなから説得される方が居心地悪くなる
目配せしてる仲間には僕は厄介者でしかない

この言葉は、欅坂46の黒い羊という曲のサビの歌詞。

発売された2019年から今でもずっと聴いている。

もともとこのグループの曲は好きだった。

それは、このグループが出す曲が他のアイドルグループと比較して"人間味"があるからだ。

他のアイドルグループのアイドルらしい曲も好きだが、このグループはアイドルらしさとは真反対の

「群れから外れて、自分らしく生きていく」


ことをデビュー曲からずっと訴えている歌詞のように感じる。

人間のダークな部分や黒い部分にも触れながら、勇気を持って社会の枠やしがらみから抜け出し、自分らしさを大切に生きる。

気づいたら、そういった人間のダークな部分や生々しさを表現した歌やドラマをよく見ていることに気づいた。

そういう作品に触れている時とても心地がいい。

おそらく、自分にも生きづらさを過去に感じていたから自然とこういったテイストの作品が好きになったのだろう。

それはさておき、今回のテーマである

「黒い羊」こそが勇者。

この「黒い羊」という言葉が表すことや実際に黒い羊という曲に込められた想いも合わせて書いていく。

そもそも黒い羊という言葉は、「厄介者」という意味。

そして、羊といえば誰もが「白」というイメージを持っていると思うが、なぜ「黒」い羊なのか。

黒い羊(英語ではblack sheep)の語源は、通常の白い羊だけではなく「黒」い羊もたまに生まれてくるとこから。

特別珍しいことでもないよう。

(ちなみに、黒い羊は1000分の1で生まれるとされているそう。)

ただ、黒い羊毛は染色できず買われない。商売にならない。

つまり、嫌われ者なのです。

そんなことから、黒い羊は「厄介者」などと使われるようになったそう。

また英語では、

There is a black sheep in every flock.

「どの群れにも、一頭は黒い羊がいる」

こんなイディオムもある。

これは、どの社会、家庭、学校にも歓迎されない困り者がいる。

つまり、問題のある人がいない集団はない、という意味があったり。

さらに、こんな言葉もある。

"黒い羊効果"と呼ばれる心理学も存在する。

一匹の黒い羊が白い羊たちから受け入れてもらえず排除されるという、聖書の故事に由来している。

これは、身内(内集団)の好ましくないメンバーは、外の集団の好ましくないメンバー以上に悪い評価を受けるという現象のこと。

つまり、人には「自分たちが所属してる組織がその他の組織より優れてると思う」心理があって

自分たちの組織の中に馴染めていない人がいる場合、「自分たちの組織は〇〇がいるせいで一体感が無くなり、他の組織に劣っている。〇〇を追い出そう」

という心理が働くということだ。


この黒い羊効果の典型例が、

いじめやSNSでの誹謗中傷

だったりする。


なんで、こんな心理が働くのだろう。

自尊心

が少なからず関係しているのだろう。


自尊心は、自分に対する評価である。

そして、高い自尊心を保つことは快適な状態である。


所属集団もその一つであろう。

優れた人と同じ集団に所属しているという感覚は、

人の自尊心を高めてくれる。

黒い羊へのいじめや誹謗中傷などが起こるのは、

黒い羊に集団の優位性(それが結果的に自尊心)の低下のリスクを感じるからであろう。

それで、黒い羊を排除することで、

集団の価値あるいは自分の価値

を守ろうとするのだろう。

特に日本は、同一民族同一国家から他人と比べることで自分の価値を確認しようとする傾向がある。


白い羊 なんて僕は絶対なりたくないんだ
そうなった瞬間に僕は僕じゃなくなってしまうよ
まわりと違うそのことで誰かに迷惑かけたか?

自らの真実を捨て白い羊のふりをする者よ
黒い羊を見つけ指を差して笑うのか?



「黒い羊」こそが勇者。

Fin








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