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小出俣山に登ろう

雪と薮を越えて。

2022年3月25日(金)

群馬県…みなかみ町

㊗️FIFAワールドカップ・カタール大会出場決定!!
⚽️サッカー日本代表にお祝い申し上げます。
アウェー戦でオーストリア代表との試合を2-0で勝利し、本戦への出場を決めてくれました。
やったぜ🙌🏼
いゃ〜強いね🇯🇵
W杯カタール大会を楽しみに待ちましょう。
冒頭から余談となりましたが、今回の山行はサッカー日本代表のW杯出場決定と同じ位に嬉しい結果となりました。
今日と同じ日付けとなる二年前の3月25日(水)に敗退した小出俣山おいづまたやまに再挑戦し、難ルートを踏破することが出来たのです。
みなかみ町の赤谷エリアに屹立する小出俣山おいづまたやまには整備された登山道は有りません。
積雪期に小出俣林道の千曲平せんげんだいらからオゼノ尾根を往復するか、阿能川岳あのうがわだけから周って来るかのどちらかが一般的です。
十二社ノ峰じゅうにしゃのみねから尾根伝いとなる西廻りのルートはほとんど歩く人のいない難ルートとなります。
過去最難関の雪山山行を貫徹出来た事は幸甚の至りであります。

☀️晴れ 🌀平穏 🕙10h14m
🐾28,479歩 12.0km ⇅1435m
♨️猿ヶ京温泉 まんてん星の湯 800円

6:40 川古温泉⇒小出俣林道⇒十二社ノ峰⇒
松ホド山⇒烏帽子岳⇒三尾根岳⇒小出俣山⇒
千曲平⇒小出俣林道⇒川古温泉 16:54

川古温泉かわふるおんせん浜屋旅館の手前の広場に駐車が可能です。
準備してると車が一台入ってきました。
赤谷川に渓流釣りに来たそうです。
赤谷エリアは釣り人にも人気があるみたいですね。

6:40
川古温泉かわふるおんせん駐車場
朝から快晴で、天気予報では終日問題有りません。
山中の雪の状態が気になりますが、悪ければ即撤退!と決めて出発しました。
Let's go!

広場には雪が少しあるだけでした。
奥に見えるのは浜屋旅館の宿泊者の車だと思います。
小出俣林道のゲートは通年閉鎖されています。
赤谷エリアの散策、釣り等は川古温泉の
駐車場を起点にする事になります。
林道脇の大岩を通過していきます。
⚠️落石に注意しましょう!
いくつかのトレースがついていました。

6:52
尾根取り付き
左手に尾根の低くなっている場所が見えてきます。
ここが取り付きの最適ポイントでしょう。

取り付きには目印、踏み跡のいずれも有りません。
登れる所を見ながら急斜面を上がっていきます。

あら〜、尾根に上がると雪が有りませんね。
薮がどうなのか心配になりましたが、すぐに雪尾根に変わりました。

ツボ足で登っていきます。
雪尾根にはカモシカの足跡があるだけでした。
急登をジグザグに登っていきます。

傾斜がキツ過ぎてツボ足ではそろそろ限界、緩傾斜になった所でクランポンを付けました。

バッチグー👍🏼
鬼急登の始まりです。
ふぅぃ〜、キツイキツイ💦
あっ!フクロウがいるよ🦉
樹間に阿能川岳が見えました。
シャクナゲの薮が少し出ていました。
雪が無いと薮漕ぎとなるでしょう。
Pretty good!
🧸熊棚発見!
山頂が見えて来ましたよ。
あとひと頑張りだー!

9:42
十二社ノ峰じゅうにしゃのみね △1398.7m
二年前は尾根の末端から取り付いて、岩尾根に難儀した事と前日の降雪によるラッセルがキツかった事も重なり、ここまで4時間以上を要しました。
この先は小出俣山まで難しい雪尾根が続く事が予想された為に残念ながら山行を中止にして東尾根を辿って小出俣林道に下山しました。
今回は山頂までちょうど3時間で上出来でしょう。
風は平穏で雪質は申し分なし!となれば先へ進む事に迷いは有りません。

左は三尾根岳、右は小出俣山。
南方は霞みますが、良い眺めです。

十二社ノ峰を目標にしても充分に雪山登山を楽しむ事が出来るでしょう。
尾根は急登続きですが、ここまでならオススメ出来ますね。
下山は東尾根を降れば、問題無いと思います。
二年前は小出俣林道まで1時間半で下山しました。
かなり急な尾根なので、登りはキツいでしょうね。

2020年3月25日のログです。
取り付きの岩尾根と急登のラッセルがキツかったですね。

小休止して出発します。
9:50
よっしゃー行くぞぉ。

しばらく平頂な尾根を進みます。
気持ちいいねぇ♬
雪はまずまず締まっていました。
小出俣山はまだまだ遠いです。
この辺りには🧸熊棚が多かったですね。
爪痕がくっきり!!
松ホド山が近づいてきましたよ。
雪庇が割れて今にも落ちそうでした。
⚠️滑落注意!!
見上げる程の急斜面です。

松ホド山の山頂下はかなりの急斜面となり、
ゆっくりと慎重に登りました。
10:28
松ホド山まつほどやま 1481m
ヤッホッホー!!
最高じゃい。

360度の大展望が広がります。
小出俣山から奥に阿能川岳。
左から烏帽子岳、三尾根岳、小出俣山。

十二社ノ峰で余裕があれば、ここまで登るのも良いでしょう。
大展望が待っていますよ。
⚠️松ホド山から先はオススメしませんけどね。

快適な雪尾根が続いています。
前方に大岩が見えて来ました。
雪庇の間をよじ登ります。
⚠️この大岩が今回のルートで一番の難所です。

大岩は烏帽子岩と言って良い程にトンガリでした。
⚠️大岩の東側は切れ落ちていて歩けません。
そのまま直登出来そうですが、ダメでしょう。
必ず西側から巻いて登りましょう。

左に滑れば50mは落ちるなぁ。
ここからはゆっくり慎重に進みました。
クランポンが良く効いて良かったです。
下を見るとこんな感じですよ。
巻いた斜面を振り返りました。

難所を通過してひと安心です。

大岩を北側から見上げます。
岩場を直登してもあの上に出ては手詰まりでしょう。
松ホド山を振り返りました。
奥には十二社ノ峰が見えています。

大岩を越えると烏帽子岳まであと少しです。

セッケイカワゲラ登場。
はぁ〜はぁ〜
腹へった〜。
自分のトレースを振り返ります。
ホイ、ホイッと。

11:48
烏帽子岳 えぼしだけ 1621m
やったぜぃ。
ふぃ〜、一息入れないとね。
ルートの半分も終わっていませんが、午前中にここまで登れたので、予定通りです。
この烏帽子岳が最後の撤退ポイントになります。
天候が急変するか、雪の状態が悪いか、時間が13時を過ぎていたら中止にしようと決めていました。
この先へ進んだら、あとは何としても小出俣山まで登らなくてはなりません。
よし!行くぞぉー。
とその前に腹ごしらえをしなくてはね。

パクパクと詰め込みました。
大源太山から平標山、仙ノ倉山。
南方には吾妻耶山など良い眺めです。

12:00
さて、行くぜ!

三尾根岳までは薮が出て、難路が続いています。
ほとんどの雪庇が落ちて、山腹には割れ目が見えます。
烏帽子岳を振り返ります。
良い姿ですね。
左から巻いて、急斜面を登りました。
雪庇が落ちてきません様に🙏🏼
シャクナゲの薮を避けて進みます。
尾根の雪庇には近づかない様にして、
樹間の安全地帯を登っていきます。
ありゃまぁ!
行くしかないのよ〜。
のよ〜。
よっしゃー!登れぇー!!

13:08
三尾根岳みつおねだけ 1727m
疲労も景色も最高ーの最高じゃい。
山頂部は雪の下にシャクナゲが多いみたいです。
⚠️踏み抜き注意!
うわわぁ、ズボッ!!

小出俣山から谷川岳へ続く尾根がよく見えます。
大源太山から平標山、仙ノ倉山。
万太郎山がGood!

三尾根岳から北へ続く尾根を降りれば、スルス俣山が近いのですが余裕がなく見送りました。
いつかまた来なくてはと、再登を誓います。
13:15
さぁ、出発!

素晴らしい展望の尾根が続いています♪
所々で雪庇の崩壊が進んでいました。
雪庇側に近づかない様に樹林帯を進んでいきます。
この辺りが今回のルートの中間地点になります。
三尾根岳を振り返ります。
今回のルートは展望が良過ぎてね、
振り返る事が多かったなぁ。
登ってきた尾根がよく見えました。
左から十二社ノ峰、松ホド山、烏帽子岳。
おっ!ここにきて、人の足跡が!!
歩く人は少なからずいる様です。
Pretty good!!
最後の登りを頑張ります。
もう少し!もう少し!!

14:11
小出俣山おいづまたやま  △1749.2m
ヤッホッホー!やれば出来る!!
一人でガッツポーズを決めちゃいました。
二年越しの山行を完遂です。
無事に下山して完遂ですから喜ぶのはまだ早いですが、嬉しいのは至極当然ですね。

消えかけた山名板が一つだけ有りました。
いつかは川棚ノ頭から俎嵓を越えて
谷川岳まで縦走したいですね。
今日は一日中大展望に囲まれて幸せでした。
川棚ノ頭から俎嵓が良い眺めです。
トマの耳の下には肩ノ小屋が見えましたよ。
残りのおにぎりを腹に押し込めて、充電完了です。
今回はロープの出番は無しでした。

ゆっくりもしていられないのでね、そろそろ動き出さないといけません。
小出俣林道までオゼノ尾根を下山します。
14:30
下山開始。
ではまたいつか。

今日はホントに感無量です。
(だからまだ終わってないって)
しっかり気を引き締めて下山しましょう。

小出俣山の東面は無数のトレースが残っていました。
阿能川岳からくる人とオゼノ尾根を往復の人でしょう。
東方の阿能川岳が良い眺めです。
尾根のコンディションは良さそうに見えますが、
雪庇側には近づかない様にしないとね。
クランポンやスノーシューのトレースがついていました。
途中で上を振り返りました。
まさか!雪崩れないよなぁ、
ちょいと早足で降ります。
やはり南側は雪崩れていましたね。
快適〜!!
谷川岳よ、さようなら👋🏼

オゼノ尾根にも注意ポイントが一か所有ります。
トレースに従い、大岩を東側から巻きます。

トレースを辿って降りました。
急斜面は⚠️滑落注意ポイントです。

このポイントは東側から巻いて進みましょう。

下部ではもう雪が腐ってしまい、ツボ足でした。
ここがオゼノ尾根の取り付きになります。

ガッついた訳でもないのですが、1時間とちょっとで小出俣林道まで降りてきました。
15:41
小出俣林道 千曲平せんげんだいら

オゼノ尾根に向かうにはここから入山します。
ピンクのテープがあるけど、ちょっと分かりにくいですね。
衝撃❗️カ、カモシカが…。
もう骨だけ🦴毛も散乱してました。
熊?じゃ無いと思うけどな、
狐か狸が雪の中から引っ張り出したのかなぁ?
川古温泉まで長い林道歩きです。
十二社ノ峰に続く東尾根の取り付きに目印等は有りません。
ちかれた〜😵‍💫
もういいか、クランポンはここまで。
小出俣林道は崩落箇所があるので気をつけましょう。
マイカーが見えた所で、安心して脱力です。

16:54
川古温泉駐車場
何よりも無事に帰還出来た事に感謝ですね。
難しいルートを終えて、完遂した喜びと精根尽きた心身のごちゃ混ぜの感情でしたね。
今迄で一番難しい雪山山行となり、達成感と充足感でしばらくは歓喜に震えるでしょう。
ホント嬉しい😭

今回の山行を総括すると、このルートをオススメする事は出来ません。
個人的にはこの山レポートが参考になれば幸いですが、天候や雪のコンディションにより日帰りでは難しいルートになると思います。
完遂出来た要因はこの両方に恵まれたからです。
無積雪期に薮漕ぎして歩く人の山行ブログがありましたが、やるならば山中一泊にするか、積雪期に雪がよく締まった好日に挑戦する事が肝心でしょう。

〈おまけ〉

川古温泉の浜屋旅館で汗を流したかったんですが、日帰り温泉の受付は16時までなんです。
猿ヶ京温泉『まんてん星の湯』まで足を伸ばして汗を流して余韻に浸りました。
売店に地場野菜があったので買ってきたよ。
ゆかりが350円で、他は三点で390円、
助かりますね。

#355《おしまい》

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