小池山、岩本山に登ろう
里山の春を探して。
2021年3月10日(水)
群馬県…みなかみ町/中之条町
上越国境の山から吹きつける寒風が顔を叩き
帽子を攫う。
一瞬、僕の手の方が速かった。
山野はただ風に鳴くばかりである。
〈sunrise〉
今日は群馬県みなかみ町と中之条町との町境を成す山稜を歩いてきました。
年配の方には新治村と中之条町の境と言った方が分かりが良いでしょうか。
道無しの寂しい稜線を岩本山まで登れば大鉄塔から素晴らしい展望に出会います。
北風に吹かれながらもなかなか心地良い山歩きとなりました。
🌤晴れ 🌀疾風 🕖7h13m
🐾25,694歩 16.1km ⇅875m
♨️奥平温泉 遊神館 600円
8:15 駐車地⇒小池⇒小池山⇒P1143⇒P1169
⇒岩本山⇒秋鹿林道⇒駐車地 15:28
県道53号線から奥平温泉「遊神館」の前を通って秋鹿林道に入ります。
集落を通り過ぎて行くと路肩の広い場所があったのでここに車を停めました。
※山行時に適した駐車場が無い時は路肩に駐車する事がありますが、交通標識を遵守した上で迷惑にならない様に心がけています。
8:15
農閑期の田畑を抜けて林道を歩いていきます。
林道の日陰にはまだ雪が残ります、
凍っていてツルッツル。
須川川は温泉成分の影響で魚はいないそうです。
秋鹿林道から道を分けて細道を小池方面に向かいました。
小池の手前には広大な牧草地が広がっていてこれから登る小池山が正面に見えます。
山奥にこんな場所があるなんてね、手入れはされている様ですが牧柵などはありませんでした、牛でも放牧しているのでしょうかね。
牧草地の奥にひっそりと小池が佇んでいます。
9:01
小池は名前の通り小さな池です、ほとんど薄氷に覆われていました。
春を探しますが…まだ無いなぁ。
9:15
小池から雑木の森に入り稜線に向かいます。
目印や踏み跡などはありません。
9:34
稜線に上がり西へ向かいます、東に尾根を辿れば大道峠に降りる事が出来ます。
当初は大道峠を起点にルートを考察しましたが、
なかなか上手く計画を立てられず、今回の山行は秋鹿林道を起点にする事となりました。
薮は無く歩き良い尾根ですが倒木多数で歩きづらいですね!?(笑)
10:12
三等三角点のある小池山(△1044.0m)
寒風吹き荒ぶ山頂からは眼下に大影の集落が見えます、谷川連峰は雲に飲み込まれていました。
中之条方面は木越しの展望となります。
9:25
小休止して出発しましょう。
尾根の木々は赤松、クヌギやコナラが多く
(それぐらいしか解りませんが)林相がとても美しいです。
中之条町大道集落から登る事も出来る様で目印の黄色のビニールテープが小尾根にあるのをみつけました。
P1143の下に古い石詞が二つあります。
旧新治村からでは須川川の谷が深い為、大道集落の信仰でしょうね。
"慶應二年 寅四月吉日"とありました。
慶應二年(1866年)は正に幕末真っ只中、混乱を憂い世の中の安泰を願ったのでしょうか。
いつの世も人々の願いは平和なのかもしれませんね。
11:08
P1143
ルートはこのピークから大きく下ります、今回唯一の難所です。
地図読みが出来たとしても慎重な行動が必要になります、太い尾根には進まず急斜面を下って木々の奥に見える細尾根の鞍部に降りました。
この鞍部から尾根は笹薮に覆われます、膝丈程なので歩くのに苦労はしません。
11:47
P1169
北側の雨見山の稜線には雪庇が見えます、
須川川の谷を挟んでわずかな距離ですが季節は違うのですね。
うわぁわぁ。
凄い爪痕!!目覚めの爪研ぎでしょうか。
慌てて周りを見渡します(笑)
これも春のしるしの一つかな。
北斜面にはまだ雪が多く残っていました。
P1169から稜線をわずかで林道に出ます、
反対側の尾根に上がる為に急斜面の立木を掴んで登ります。
笹尾根の先に紅白の鉄塔が見えてきました。
12:16
岩本山(△1282.2m)は三角点峰ですが笹原のピークに標石を見つける事が出来ませんでした。
山頂のすぐ下には紅白の大鉄塔が建っています。
大展望が広がります!!
鉄塔の脚が少し邪魔してますがそれもまたいいでしょう。
上信越国境の雪嶺が見渡せます。
浅間山から草津白根山、さらに白砂山から右端のトンガリは稲包山までいい眺め。
寒風を避けて鉄塔巡視路の脇に腰を下ろすと陽だまりでいい気分です。
BGMの風の音を聴きながらまったりとランチタイムといきますか。
13:15
立ち去り難い雰囲気の良い所ですがまだ道半ば、
帰りは林道歩きの下りですがそろそろ出発しましょう。
積雪は10cmくらい。
秋鹿林道は旧新治村から四万温泉に抜ける事が出来ますが未舗装の林道でかなり狭く崩落地も有りましたので車では厳しいでしょう。
20数年前、友人とオフロードバイクで走ったのを思い出します。
まさかその後に歩き専門になるとはね(笑)
14:18
川手山登山口
地形図のP1184が川手山で山中には多数の洞窟がありそれらを廻るハイキングコースが整備されている様です。
ヒカリゴケやズニ石、石仏など見所も多く有り
近くの雨見山と合わせていつか歩いてみようと思います。
長い長い林道歩きです。
15:28
駐車地に戻ってきました。
今回歩いたルートは距離も長く目印の少ない薮尾根ルートですから一般向けではありません。
登山の対象とするかは個人の好みですが山歩きの醍醐味は充分に楽しめると思います。
この近辺は地味な山ばかりですが岩本山からの展望や川手山周辺の散策などあれこれとルートを考察するのが好きな方でしたらより一層楽しめる山域となるでしょう。
歩いてみての個人的な感想ですが、花の咲く木が少ない様でしたので春よりも紅葉の秋頃の方がいいと思います。
#318《おしまい》