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白髪岩、赤久縄山に登ろう

うさぎを得てわなを忘る。

2021年11月25日(木)
群馬県多野郡神流町/藤岡市/甘楽郡下仁田町

西上州に眠る点の記 【白髪岩しらがいわ 原三角測點げんさんかくそくてん

明治時代初頭に内務省地理局(現在の国土地理院)によって全国大三角測量が開始されました。
その後、陸軍の陸地測量部が新しく一等三角点を設置した際にそれまでの原三角測點を撤去したらしく現存が確認されているのは白髪岩しらがいわ米山よねやま雲取山くもとりやまの三ヶ所だけとなっています。

映画『劔岳・点の記』(新田次郎原作)では一等三角点設置による三角測量の苦難が描かれました。
陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎測量官が劔岳に登頂したのは明治40年の事です。
当時の山岳信仰の様子や近代登山の始まりの物語はとても興味深い内容で大きな感銘を受けました。

白髪岩の原三角測點が世に知られる様になったのは今から二十年程前の事です。
それまでは地元の猟師と僅かな登山者が知るのみだったのでしょう。

今回は群馬県神流町の "天空の里" 持倉の集落を起点に深山に取り残されてしまった白髪岩の [点の記] を訪ね、現在の一等三角点の埋まる赤久縄山あかぐなやままで足を運んでみましょう。

林道から白髪岩までは笹の薮道を辿ります。
距離としてはそれ程長くないですが、尾根の取り付きに道標は無く道形は薄いので一般の登山者向けではありませんので注意しましょう。
稲含山からも薮尾根を辿る事が出来ますが、同様に一般向けのルートではありません。

🌤晴れ 🌀疾風 🕢7h34m
🐾29,350歩 17.9km ⇅1365m
♨️吉岡温泉 湯の道利休 吉岡店 650円

8:10 鈴波橋⇒御僧尾根⇒白髪山⇒白髪岩
⇒赤久縄山⇒持倉集落⇒鈴波橋 15:44

群馬県神流町から県道172号線に入り、持倉集落まで上がって来ました。
集落の細い道を抜けて鈴波橋を渡ると、御蔵尾根の登山口となります。
路肩に数台の駐車が可能で簡易トイレが有ります。

8:10
鈴波橋

今日は朝から晴れて良い日になりました。

御蔵尾根登山口にある手作りの道標

御蔵尾根の山道は落葉🍂に埋もれていました。
ザクザクと踏みしめて登っていきます。

スタートから10分も登れば、
息が整い足も軽くなるねー♬

9:01
下御僧様

下御僧様の社はほとんど崩れていました。

9:13
上御蔵様

上御蔵様の社も同様に崩れています。
赤い石がいくつも見えましたが、
何とか出来ないものか、ちょっと悲しいな。


平将門に寺を焼かれ秩父から逃れてきた75名の僧侶の一団は12月28日の雪の中、当時二軒しかなかった持倉集落に宿泊できず、杖植峠を目指す途中に遭難して僧侶達は赤い石となってしまった。 

と言い伝えが残っています。


9:27
南小太郎山分岐

稜線に上がって突き当たりは左に南小太郎山、
右に白髪山となります。

綺麗に整備されていて気持ち良く歩けます。

9:49
白髪山しらがやま 1521m

山頂は木に囲まれていますが、葉っぱが落ちて樹間に赤久縄山あかぐなやまを遠望出来ました。

手作りの道標に「白髪岩 近道」の文字が!!
ならばそちらへ行きましょう、と笹道を辿ります。

10:01
御荷鉾みかぼスーパー林道

二十数年前、全線のほとんどがダートだった林道をオフロードバイクでカッ飛んだのを思い出します。
当時はオフロードバイクに夢中で、あちこち林道を探して走り回っていたものです。
今ではバイクの熱もすっかり冷めてしまいまして
山歩きにこんなにも夢中なのです(笑)

神流町/下仁田町/藤岡市の三市町村の境界が白髪岩へ続く尾根の取り付き点になります。
ここは要注意ポイント‼️

10:06
林道脇駐車スペース

奥に目印のピンクテープが見えます。

目印から入山し急斜面を登って稜線に上がると笹原に道が続いています。

熊棚を発見!!
クッキリと残る爪痕

踏み跡の無い太尾根に赤ペンキが見えますが❌
必ず北東に続く踏み跡を進みましょう⭕️
ここは要注意ポイント‼️

赤ペンキを追いかけてはいけません‼️

少し心細い道ですが、笹は低く問題は有りません。

馬酔木あせびが出てくるといよいよ白髪岩への登りとなります。

岩場に続く踏み跡を追いかけましょう。

白髪岩の山頂下の岩場から展望が楽しめますよ ♪

歩いて来た尾根がよく見えました。
南方に広がる良い眺め。
荒船山がわかるかな?

山頂が見えてきました。

標石が目立ちますね。

10:46
白髪岩しらがいわ 1512m

白髪岩は下仁田町の最高峰となっています。

原三角測點

白髪岩へ整備された道は無いので、多くの人が訪れる事はないでしょう。
個人的には知る人が少なく、このままひっそりと
山中にあった方が良いと思います。
と山レポートを公開してしまってはね(笑)

初めて白髪岩へ登ったのは2016年で、
稲含山から薮尾根を辿りました。
その後、2017年に雲取山、2019年に米山に
登って原三角測點コンプリートとなりました。

2016.11.12 白髪岩
2017.1.11 雲取山
2019.6.29 米山

原三角測點はとても貴重な標石です。
大切にしましょうね。

白髪岩からは樹間に赤久縄山を望みます。

11:00
小休止してリスタート

さて、来た道を戻ります。

11:29
駐車スペース

御荷鉾みかぼスーパー林道から山道に入ります。
神流町と藤岡市の境界となる尾根には登山道が整備されていました。
これがなんと気持ちの良い道か!!
こんな山道があったとは知らなかったね。

最高ー♪

12:02
展望台

立派な東屋が建ち、双眼鏡が設置してあるのに木に囲まれて展望はいまひとつです。
そうか!野鳥観察かな!?

展望台から尾根に続く山道は立入禁止‼️
なんでー、どうしてなのか!? 知りたいなー。
行ってみましょうか。

12:09
P1481

木に囲まれた笹のピーク、なんで立入禁止?

この道標はどう考えてもおかしいな、
稲含山は谷の向こうだし。
この道標は❌ですよ。

ここまで登った事だし、尾根を辿ってみましょう。
笹に埋もれていますが、木の階段があり以前は整備された登山道だったのでしょう。

稜線の岩場に好展望地が有りました。
今回のルートで一番の大展望が広がります。

特に危険な所は無かったけど、
立入禁止なのは何故でしょうね!?

降り口にも立入禁止の看板が有りました。

立入禁止の山道から林道を渡って
反対側の笹尾根を登っていきます。
ひと山越えると、東屋の建つ広場に出ました。

再び整備された登山道を歩いて行きます。

最高ーに歩き易い道ですよー ♫

12:52
赤久縄山あかぐなやま西コース入口

山頂まであと少しです。
最後の登りを頑張りましょう。

13:05
赤久縄山あかぐなやま △1522.3m

現在の一等三角点の埋まる赤久縄山に登頂です。
初めて赤久縄山に登ったのは2012年の2月でした。その時は早滝の氷瀑を見て、雪道を踏んで東コースから登りました。

一等三角点標石
東方には御荷鉾連山を望みます。

山頂は木に囲まれて展望はいまひとつですが、
ランチタイムといきましょう。
カップヌードルのスーパー合体シリーズ
シーフードヌードル&カレーヌードル!!
ウゥ〜ン、まぁまぁ旨い。
シーフードとカレーが確かに合体してましたよ。
食レポ下手だな(笑)

ぜひ貰いに行こう!

帰り道に寄ろうと思ってたら神流町の観光案内所を通り過ぎちゃったよ。
また次に来た時でいいかな。

13:45
そろそろ帰りましょう。

北コースから御荷鉾スーパー林道に降ります。

樹間に白髪岩が見えました

林道に降りて西コース入口に向かいます。

14:08
西コース入口

下山は安取すがぬた峠に向かって山道を辿ります。
て言うか安取を"すがぬた"なんて読めないよね。
神流町万場周辺は峠の多い事でも知られています。

落ち葉🍂を踏んで歩きましょう。

安取すがぬた峠まで行こうと思っていたのに、知らぬ間に分岐を通り過ぎてしまった様です。
峠にはまたいつか行ってみましょう。

14:52
作業林道大反線

道標に従い持倉の集落に向かいます。

持倉の集落が見えてきました。

15:24
持倉集落入口

"天空の里"持倉からは爽快な展望です。

季節外れのツツジが咲いていました

山の向こうに陽が沈み、山間の集落は日陰になってしまいました。

狭い耕作地で生活するには大変な苦労があるでしょう。
鈴波橋が見えてきました。

15:44
鈴波橋

帰って来たよー、ふぅ〜と深呼吸を一つ。
今日はよく歩いて、くたびれちゃったね。

持倉の集落を起点にして南小太郎山や赤久縄山へ登る事が出来ます。
"神流マウンテンラン&ウォーク"のコースとなる登山道は良く整備されていますが、この山域を歩く人はそれほど多くないと思いますよ。
自然災害により荒れている箇所や地形図にあっても実際には歩く事が出来ないルートが有りますので、道迷いに注意し、必ず登山届けを提出しましょう。

多野山地には多くの猪や熊が生息しています。
野生動物が活発な山域という事もお忘れなく。

神流町は地域振興の一環として毎年秋にトレイルランニングの大会 "神流マウンテンラン&ウォーク"を開催してしましたが、2018年開催の第10回大会を最後に中断しています。
来年には再び開催されると良いですね。

興味をお持ちの方は公式HPからどうぞ⬇︎⬇︎⬇︎

#341《おしまい》

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