『銀行融資の借り換え』のメリット・デメリット・正しい使い方!
銀行融資を受けて返済を続けていると、銀行員から「借り換え」の提案を受ける場合があります。というか、ちゃんと返済を続けていて、銀行との関係性も良好であれば、絶対に提案されます。
なぜならば、銀行融資の借り換えは、銀行員にとってありがたーーーい武器なのです。
ということで、『銀行融資(事業融資)の借り換え』についてのメリット、デメリットをぼくたち経営者側と銀行側の両面から考え、『借り換え』をどのように使っていけばいいのかを解説していきます。
銀行融資の借り換え。本当の意味とは?
銀行融資の借り換えというのは、別の銀行融資に借り直すということ。一般的な借り換えといえば、金利や返済期間などの条件面で有利な方へ借り直すという意味で使われる場合が多いですね。
例えば、1,000万円を年利12%で借りていたものを、年利5%で借りることができる融資へと切り替える。借り直すってことになります。
・・・ってココまでは、一般的な話。個人的に『銀行融資の借り換え』とは、銀行と交渉するチャンスだと思っています。
銀行融資ははっきり言って交渉です!決算書などの数字をソフトに入力して、自動で企業の格付けなど分析ができる状況にあるとはいえ、実際に現場で、銀行員と話をしていると、分析結果はあくまでも判断材料のひとつ。最終的には交渉だと感じています。
銀行融資の交渉を無理なく進める上で、『銀行融資の借り換え』は、すごくいい材料になるんですよね。だからチャンスだと捉えましょう。『銀行融資の借り換え』のメリット・デメリットを理解すれば、自ずと使い方は見えてくるはずです。
どのタイミングで
『銀行融資の借り換え』をするのか?
大富豪ファーザーから訓えを受けた「北のセオリー」を実行していれば、基本的に返済でキャッシュフローがやばい!とはならないはずです。それでも元本返済をしていれば、どんどんキャッシュはなくなっていくので、嫌な気持ちになりますけど(笑)
そう。『銀行融資の借り換え』。一番多いパターンは、銀行員から提案されることだと思います。
銀行融資を借りると、最初は普通に元本を毎月返済していきますので、融資残高が減っていきます。そうすると、毎月の利息の支払も減っていくことになります。つまり、銀行の売上も減っていきます。
およそ半分も返済が終わらないうちに、銀行の担当者は『銀行融資の借り換え』の提案をしてくるはずです。このタイミングで、担当者の話を受けるのか?それとも断るのか?後述するメリット、デメリットも考えて、最終判断をしていきましょう!
借り換えのメリット・デメリット
『銀行融資の借り換え』が起こるということは、古い融資を終わらせ、新しい融資を契約するということ。当然、新しい融資のために、新しい契約を行います。ここに交渉の余地が発生するわけです。
どんなことを交渉するのか?大きく分けると、以下の3つのメリットがありますので、うまく話をまとめていきましょう。
1,金利面で有利になる可能性がある。
2,月々の返済額を小さくして、キャッシュフローを良くすることができる。
3,どさくさに紛れて、追加融資を取り、現金をふくらます事ができる。資金繰りの向上。
『銀行融資の借り換え』のメリット1:
金利面で有利になる可能性がある
例えば1,000万円の銀行融資を受けて、残額が600万円になるまで返済した状態だとします。このとき、新たに1,000万円を借り換えて、既存の600万円を返済ということをしたりします。
要するに、400万円は返済したけど、その分をまた借入して1,000万円に戻すということですね。
こんな時、金利の交渉ができます。
『銀行融資の借り換え』のメリット2:
月々の返済額を小さくできる。
『銀行融資の借り換え』として、複数の銀行融資を1本にまとめるということもあります。この方法で何がメリットになるかといえば、月々の返済額を小さくできることにあります。
融資A:1,000万円の借入 月々の返済 50万円 残り20ヶ月
融資B:500万円の借入 月々の返済 50万円 残り10ヶ月
現状、融資A、Bと2本の銀行融資が走っていて、毎月100万円の返済をしています。これを1本にまとめるとどうなるか??
借換後:1,500万円の借入 月々の返済 50万円 残り30ヶ月
月々の返済額が100万円→50万円になるわけですね。当然、借入の総額は変わらないので、その分、返済期間が長くなります。
ただし、月々の返済額が少なくなるということは、キャッシュフローが改善しますので、大きなメリットになりますよね!
『銀行融資の借り換え』のメリット3:
どさくさに紛れて追加融資
メリット1の場合も、メリット2の場合も。例として出したのは、融資の総額に変更はありませんでした。・・・が、『銀行融資の借り換え』をする際は、既存の融資が元になっているとはいえ、新しく契約を交わすわけですから、交渉次第では増額できます。
1,600万??そこは、切りよく2,000万で行こうぜ!
みたいな感じでw
借入ができるうちは、できるだけ借入をして現金を積んでおくことが、会社経営の安定につながりますし、お金の使用権をさらに増やしていくことにもつながります。
交渉術を身につけていきましょう。
『銀行融資の借り換え』のデメリット
『銀行融資の借り換え』自体のデメリットではありませんが、もしこんなことをしたら、デメリットになり得るよ!という話です。
普段生活をしていて、「おまとめローン」という言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?複数あるローンを1本にまとめたらお得ですよ!!金利も優遇しますよ!みたいな。
「おまとめローン」って、銀行は何がしたいのか?というと、端的に言えば他行のお客さんを奪いたい!わけです。金利を0.5%優遇したとしても、融資額が上がれば、単純に銀行の利益額が上がるってわけです。
これ、個人の住宅ローンとかであれば、まだいいかもしれませんが、法人もしくは個人事業主として、事業融資を受けている場合は考えものです。
ぼくたち事業主と銀行は、信頼の上で成り立っています。人間関係が出来上がっていきます。それなのに、条件が良いからといって、簡単に他行に乗り換えていけば、信頼関係は崩れてしまいます。
このあたりは、他行に乗り換えたらダメだ!と言っているわけではないですが、全体の状況を見てしっかりと検討・判断をしていく必要がありますね。
銀行員にとって『銀行融資の借り換え』は、
ノルマ達成の計算に入れたい!ということは?
『銀行融資の借り換え』というは、他行からの乗り換えでもない限り、新規ではなく既存顧客です。リピート購入みたいなものですね。
どの企業が、どれくらいの融資残があるのか?当然、銀行はすべて把握しています。つまりは、そろそろあの企業に営業すれば、借り換えしてくれるかな?って計算ができるわけです。
銀行員は常にノルマと戦っています。もちろん新規顧客に融資を出すことができればいいのですが、新規顧客だけでは、なかなかノルマの達成ができない。ぼくが銀行員でも、最初は既存顧客の借り換えで、ある程度ノルマの達成をしようと考えます。
何が言いたいかというと、状況的に・・・ものすごくホットな状態になってるってことです!
同じ1,000万円の融資を受けると言っても、ホットな状態と冷戦状態にあるのと。。。どちらが難易度が低いかは一目瞭然ですね!チャンスを逃さないようにしましょう!
『銀行融資の借り換え』に関するまとめ
借り換えのメリット・デメリット。理解できましたでしょうか?
『銀行融資の借り換え』の最もよく使用する使い方としては、個人的にはメリット3「どさくさに紛れて追加融資」だと思います。
更に、少し交渉のヒントとしては、デメリットをメリットに変えるやり方ってのも考えられますね。何も交渉は正攻法だけではないですからね!
(写真コラム)マレーシア・ジョホールバルにあるコンドミニアムのペントハウスで、軍師孔明さんとお仕事。対談Youtube撮影しました。