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彫師になりたいネズミ2

前回:彫師の方に声をかけて頂いた

最初課題をもらいました

「手を描いたことある?」
私はなかったので横に首を振る

「そしたら3つ。グーチョキパー。」
3つ!だ、大丈夫か!
と不安になりながら頷きました

約1ヶ月経った時に見せたデッサン
描き方が分からなく自分の手をじっと見て描いただけ
なかなか狂ったデッサンを見て
「描き方教えるね」
と丁寧に教えてくれた

次持っていった時はまずまずの出来
「そしたら人を描こうか」

デッサンと同時に
なんか好きな絵を描いておいで
と言われた

好きな絵を描いておいでと言われたので
本当に好きな絵ばっかり描いていった

全部1発が描きだったので
少し驚かれた
「おお〜すごいねミスったらどうしてるの」
「気合いでどうにかしてます」
笑われた

また描き方を教えてくれた
時間は掛かるけどすごく綺麗なのが描けた

ただ色塗りがすごく苦手
どう頑張っても雑に見えていた
それは今でもずっと課題

仕事もしっかりしながらしていた

……

勉強をさせてもらう前…

私はこの方に2回彫って頂きました。
2回目の時に
「自分でやって見る?」と言われて
初の自彫り
私は嬉しくてたまらなかった
もちろんガタガタ
けどものすごく嬉しかった


今でも思い出のワンポイントマウスとなってる

自分で彫ってもっともっとなりたいと思った

「なんかみんな半年位で来なくなるんだよね」
意外だった半年でこなくなるんだ

私は月1くらいで見てもらってたが
すごい楽しみで
すごい緊張感があって

いい人生のスパイスだった
親に嘘をつきながら
仕事の帰りに寄らせてもらってた

約半年経っていた

その頃に
「自分で彫ってみようか」

トライバルのようなものを彫る事になった
色塗りが下手なので
塗りつぶしをメインとした課題だった
彫師には苦手がバレバレ

一からゆっくりと考えたトライバル
自分の飼っていたネズミにした

マシンはペン型とコイル型がある
私はいまペンオンリーだが
この時はコイルを使わせてもらった

初めてそこそこサイズのタトゥーを彫った
色ムラもしっかりあるし
線も凄くガタガタ

「難しい……けど楽しい…」
正直な気持ちだった
自分の絵を誰かに彫りたい

「今回はお楽しみみたいな感じ」
「まだまだ全然人には彫れないからね」

心の中を読まれてる感覚
ドキッとした

またここから絵を描いて
月に1回会って見せる
というのを繰り返した。

ただ
半お遊びでもマシンを触らせて貰った事は
すごく嬉しく、自信に少し繋がった

またしばらくして次の課題を貰うことになる
貰った時は4ヶ月後だった
ニコニコが止まらなかった

月に1回 と言ってたが
時間が合わず会えない月もあった

いつでもいいよと言われていたが
月に1回会って絵を評価してもらって
手直しをされたかった

手直し無しで進めていくと
ろくなことにならないのは学校で学んだ

絵を持っていく時に毎回思うのは
「もっと描けたんじゃないか」
という気持ちだった。

「やるかやらないかは自分次第」

それをいつも言われていた。
本当にそう思う

自分の絵に自信ないのならもっと描くべき

それだけで生きていくのならもっと絵をかけ
副業でいいならそのままでもいい

ただデビューなんて何年後になるかわからないよ
そんなに若い訳でもない
いまは高校生も卒業して直ぐに目指す人もいる

煽られて不安になることもあった
頑張らなきゃと思った




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