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【初心者向け】フラショーを120%楽しむ!知っておきたい基本知識と注目ポイント

「フラを踊りたいわけじゃない、見に行きたいだけ!」という方、この記事では、初めて「フラ」を見に行く際、知っているとより楽しめる、基本的な知識と注目ポイントを、フラダンサー歴13年の筆者がご紹介します。

ここ数年中止が続いていたフライショーやイベントがようやく開催できるようになってきました。ハワイから有名アーティストが続々来日し、本場ハワイの音楽やフラを無料で楽しめる機会も増えています。

ショーに行くと、派手なドレスにロングヘアの、いかにもダンサーらしき観客が多く「ちょっと近寄りがたいな」と躊躇している方も、大丈夫です。

この記事では、初心者のあなたでも、気後れせずにショーを楽しむためのヒントを詰め込みました。ぜひこの機会にフラに触れ、究極の癒しと言われるその魅力を存分に味わってください。

フラの基本知識

フラの始まり

日本では「フラダンス」と呼ばれていますが、フラとは、演奏、詠唱(チャント)に踊り(ダンス)を含んだ総合的な芸術の名称です。
つまり「フラ」だけでダンスの意味を含むためハワイでは「フラダンス」ではなく「フラ」と呼ばれています。
フラは古来、神に捧げる神聖な儀式でした。祈祷師(カフナ)が唱える詠唱(チャント)に合わせ、神々に捧げる舞として始まったとされています。

ハワイの神話では、フラを最初に踊ったのはフラの女神「ラカ」とされ、一方でペレの妹のヒイアカが、ペレの怒りを鎮めるために踊ったのが始まりという説もあります。他にもフラ起源説には諸説あります。

様々な説があるのは、古来ハワイ人が文字を持たず、フラを通して神話や歴史、人々の暮らしを伝承してきたためだと言われています。

カヒコ(古典フラ)とアウアナ(現代フラ)

フラには大きく分けて2種類あります。
では2つは何が違うのでしょうか?

▼男性しか踊れなかった?カヒコ(古典)

カヒコを踊る女性ダンサー

カヒコは、古来から踊り継がれている神に捧げる踊り。宗教的な要素が強いため、男性しか踊ることを許されなかった時代もあります。(現在では女性も踊ります)最近では日本でもハワイの文化や歴史とともにカヒコ(古典フラ)を学び、披露するハーラウ(教室)も増えてきました。

カヒコを踊る男性ダンサー

カヒコの冒頭では、厳粛な雰囲気の中、チャント(詠唱)が唱えられ、イプヘケ(ひょうたん)など打楽器の演奏で始まります。大地を踏み鳴らす足音と直線的で力強い踊りは自然や神への崇拝を表現していて、日本の「神楽」に例える人もいます。

また、カヒコでは、頭や手足に付けるティーリーフやシダを使った飾りは、ダンサー自身が伝統的な編み方を学び作ります。衣装はゴムなど現代的な素材が使えない、アクセサリーや派手な色のお化粧はNGなど細かく制限され、曲の構成についても古来から伝承されているルールに従って踊ります。

▼自由で優雅なアウアナ(現代フラ)
アウアナとは、皆さんがイメージしている「現代フラ」。華やかな衣装に身を包んだダンサーが、ウクレレ・ギターなどバンドの演奏で踊るのが一般的です。

アウアナを踊る女性(イメージ)

ゆったり流れるような動き、時にはアップテンポで楽しい曲を老若男女さまざまなダンサーたちが、趣向を凝らして踊ります。エンターテインメント性が高く、今も進化し続けています。

「涙そうそう」「ハナミズキ」など日本人アーティストの曲もハワイ語でアレンジされ、定番曲となっています。何度かイベントに足を運ぶと1度は耳にするでしょう。

歌詞を表現するハンドモーション

フラの振り付けは、基本ステップに合わせ、歌詞の内容を手話のようにハンドモーションで表現します。風、霧、雨、月、大地、ヤシの木、涙、アロハ(愛)など、決まって出てくるフレーズは、歌詞を知らなくても振り付けを見るだけで分かります

同じ曲でもハーラウ(教室)によって振り付けが違うのも見どころです。歌詞が同じため、ところどころ同じハンドモーションが入りますが、ステップや解釈が違うことでまったく違うものに仕上がっています。

ダンサーたちは、他のハーラウ(教室)の振り付けを「ここは、そう踊るのか……。ここは同じだ。この表現おもしろい!」と思いながら見ています。

ハワイの島の色と島の花

ハワイの主要な島には島の花と島の色が指定されています。
今回は日本人に馴染みのあるオアフ島、カウアイ島、マウイ島、ハワイ島の4島について紹介します。

▼カウアイ島
ハワイ諸島で一番古い島。島の中心部にそびえるワイアレアレ山の降雨量は世界で最も多い場所の一つと言われています。リロ&スティッチの舞台となったことで有名。
島の色:紫
島の花:モキハナ(実)
モキハナはカウアイ島の固有種、直径1㎝ほどの小さな実です。はじめのうちは明るいグリーンをしていて、その後次第に紫色に変化していきます。実は香りは強く大変長持ちします。

カウアイ島の花:モキハナ(実)


▼オアフ島
ハワイ州の首都のホノルルがあり、ハワイ州の人口の約80%が生活しています。ワイキキビーチ、ダイヤモンドヘッドなど日本人に一番馴染みのある島。
島の色:黄色
島の花:イリマ(花)
イリマはハワイ原産。黄色やオレンジの小さな花を咲かせ、かつては王族に珍重された花と言われています。

オアフ島の花:イリマ

▼マウイ島
ハワイ諸島で2番目に大きな島、ラハイナはかつてハワイ王国の首都でもありました。冬になると子育にやってくるザトウクジラが見られ、秘境の地ハナや、ハレアカラ山の日の出を見るツアーなど自然も多く見られます。
島の色:ピンク
島の花:ロケラニ・ローズ
ロケラニ・ローズとはピンク色の小さな八重咲きのバラ。日本ではダマスクローズと呼ばれています。香りが素晴らしく、ヨーロッパではアロマオイルの原料にもなります。

マウイ島の花:ロケラニ・ローズ

▼ハワイ島
「ビッグアイランド」と呼ばれハワイで一番大きく新しい島。今でも火山活動が盛んなキラウエア火山があり、火の女神ペレが住んでいると言われています。フラのオリンピックと言われるメリモナーク開催時期にはホテルも取れないほどの人気です。
島の色:赤
島の花:オヒアレフア
オヒアレフアはハワイ固有種の赤いレフアです。花は糸状の房になっています。ハワイに広く生息しますが、火山地帯で溶岩流が冷えた後、最初に生える木と言われています。

ハワイ島の花:オヒアレフア

曲で歌われるテーマ

▼ハワイの女神を歌った曲
カヒコでは火の神ペレを称えているものが多くあります。アウアナ(現代フラ)でも「ポリアフ(雪の女神)」「ホーポエ(フラの名手)」など神話の登場人物の歌がたくさんあります。

愛を歌った曲
スタンダードな曲では、愛を歌った曲があります。かつての恋人をレイに例え、懐かしむという内容の歌が多く、アロハ(愛)・ポイナオレ(忘れられない)などのハンドモーションが見られます。ダンサーの切ない表情も見どころです。

場所を賛美し歌った曲
「ここは花が咲き乱れ良い香りが立ち込めています。海からの風が気持ちよく素敵な場所です」といった、ご当地ソング。ハワイ旅行で行ったことある場所の名前が歌詞に出てくることもありますよ。

衣装・レイ・髪飾りは曲のテーマで決める

歌詞やテーマ、島の色や花で選ぶ

フラの衣装は華やかで素敵ですが、流行や好みで決めているわけではありません。衣装・レイ・髪飾りの全てを、指導者が曲のテーマ歌詞に出てくるモチーフに合わせて心を込めて選んでいきます。

島の色の衣装や島の花を使ったレイや髪飾り、火の女神ペレなら雪の女神ポリアフならなど、衣装・レイ・髪飾りも曲を表現する大切な要素の1つなのです。

既婚者は左側に髪花飾りを付ける

髪飾りは、既婚者は顔の左側に、未婚の女性は右側に付けることに決まっています。ただし、フラはほとんどの場合群舞のため、前髪の形や髪を束ねる位置まで全員で揃えます。そのため1人だけ既婚者だからといって、逆側に付けたりはしません。ハーラウ(教室)にもよりますが、人数が多い方に合わせることが多いでしょう。

ショーの中でよく耳にするハワイ語

ハワイアンのショーを見に行くとMCの方がちょっとしたハワイ語の単語を使います。ダンサーは知っていますが、初めて見に行くとなんのことやら分かりませんよね。
MCの解説が分かるよう、よく使われる基本的なハワイ単語をマスターしておきましょう。

年齢別・性別を表すハワイ語

一番よく使われるのは、年齢別・性別を意味するハワイ語です。
例えば、
「次はかわいいケイキちゃんが踊ってくれます!」や
「お待ちかね!イケメン、カネダンサーの登場です」など

かわいいケイキダンサー

ケイキ=子供」「カネ=男性」はハワイ語です。
最低限覚えておきたい年齢別・性別に関するハワイ語を表にまとめました。

※年齢はあくまで目安です。

ハーラウとクムフラとは

次によく使うのは「ハーラウ=教室」「クムフラ=先生(師匠)」です。

「次のハーラウは、横浜からお越しの〇〇フラスタジオの皆さんです!」
「△△スタジオはクムフラ〇〇に師事しハワイの文化を学んでいます」
という具合に紹介されることがあります。

ハーラウ」に関しては知らなくてもなんとなく分かります。「クムフラ」の「クム」は先生という意味ですが「クムフラ」という場合、日本人の先生が学んでいる、さらに上のハワイの師匠を意味します。

曲の中で使うハワイ語

MCの中で使われるハワイ語にはマスターしましたね。今度は曲の中で使うハワイ語を紹介します。余力あれば覚えましょう。必須ではありません。

▼「バンプ」とは
バンプ」とは前奏・間奏・後奏の歌詞がない部分のこと。一般的に間奏は8カウントしかありませんが「バンプ」の間にダンサーは「次のフリなんだっけ?」と確認しています。

▼「カヘア」とは
ハワイ語で(叫ぶ)という意味。ステージで曲の途中にダンサーが一斉に何か掛け声をかけているのを聞いたことはありませんか?この掛け声が「カヘア」です。

では、何のために、何を叫んでいるのでしょう?
目的は2つあります。1つは、ダンサー同士で「次は何番を踊るか」確認するため、2つ目はバンドに対して「次は何番を踊ります」と宣言するためです。

カヘア」では、次の歌詞の最初のフレーズを叫んでいます。つまり「バンプ(間奏)」の間に、今から踊るフリをお互い確認し合っているのです。もし「カヘア」がなければ、バンドが歌詞を飛ばしてしまったり、ダンサーが違うフリを踊ってしまったりしかねません。
そのため、ダンサーは普段から「カヘア」で声を掛け合いながら練習をしています。

▼「ハイナ」「ハイナ ホウ」とは
ハイナ」は(繰り返します)「ハイナ ホウ」は(もう一度繰り返します)という意味です。これらは、曲の最後で使われる言葉です。

典型的なフラの曲では
1番1回目→1番2回目→2番1回目→2番2回目→3番1回目→3番2回目→ハイナハイナ ホウ

という構成が多く、カヘアでダンサーが「ハイナ」「ハイナ ホウ」と叫んでいると、もうすぐエンディングだということがわかります。

ショーのエンディングで盛り上がる!

ハワイ人も知らない?「ハナホウ(アンコール)」

ハワイアンのステージでは、アーティストが最後の曲を歌い終えると、観客から「ハナホウ!ハナホウ!」と声が上がることがあります。
ハナホウ」とはハワイ語で(アンコール)を意味します。

もし周りが叫び始めたら、ぜひ一緒に「ハナホウ!」と叫んでみましょう
しばらくするとアーティストが汗を拭き拭き、もう一度登場してくれるはず。

アンコールでは、客席で見ていたダンサーも飛び入りでステージに上がって踊ったり、みんなで手拍子したりと楽しいひと時になるでしょう。

余談ですが「ハナホウ!」は、ハワイ語ですが、ハワイの人がみんな知っているわけではありません。

私の英語の先生は、ハワイ出身ですがフラ関係者ではないのでハワイ語わかりません。何かハワイ語を教えて!と言われたので「ハナホウ」はアンコールという意味だと教えると、次の日、大喜びでハワイの新聞記事を持ってきてくれました。
そこには大きく「ハナホウ(HANA HOU)」の見出しとともに、オバマ大統領再選の記事が掲載されていました。
再選=アンコール!という意味でしょうか?ハワイ育ちの人でも、「ハナホウ」の見出しに気付かずスルーしていたそうです。

オバマ大統領が再選した時の新聞記事
(写真:ホノルル・スター・アドバタイザー)

観客演者全員でハワイアロハを大合唱

ハワイアンコンサートやフラの発表会などに行くと、♪ハワイアロハ 大合唱するというお決まりのエンディングがあります。出演者、観客全員が立ち上がり隣の人と手をつないで歌を歌います。最後につないだ両手を上げるのがお約束です。

歌を知らないと気後れする必要はありません。フラダンサーでもハミングでごまかしている人はいくらでもいます。

ここ数年はコロナ禍で手をつなぐことはありませんでしたが、そろそろ ♪ハワイアロハのエンディングも復活するのではないでしょうか。

フラショーはどんな服装で行くべき?

初めてハワイアンコンサートに行く時どんな服装をすればよいのか悩む人も多いと思います。ハワイアンには特にドレスコードはありません。

南国リゾートに出かけるような服装の人が多いですが(観客もダンサーが多いため)めったに着る機会がないなら特に買う必要はありません

ジーンズに裸足でビーチサンダルの人もたくさんいるので、フォーマルすぎると逆に浮いてしまうかもしれませんね。
休日にお出かけする服装で十分ですが、せっかくなら気分を上げたい!という方は、男性ならアロハシャツ風のトップスを選んだり、女性ならプルメリアピアスやシルバーネックレスなどのハワイアンアクセサリーをつけるだけでも楽しいですよ。行き帰りの電車で浮きたくないなら、ハワイアンテイストの小物を1つ取り入れるのがおすすめです。

ドレスはなくても大丈夫!

まとめ

あなたがもし、初めてフラを見に行こうと思っているなら、ちょっとした予備知識があると余裕ができ、より楽しめるはずです。
この記事ではそんな基本情報と見る時の注目ポイントを紹介しました。

まず
フラには主に、カヒコ(古典フラ)とアウアナ(現代フラ)の2種があり、私たちが一般的にイメージしているのはアウアナです。カヒコは神様に捧げる舞であり、直線的で力強い神聖で古くは女性が踊ることは禁じられていました

フラの振り付けは歌詞の意味をハンドモーションで表現しているため、振りをじっくり見ていると曲に描かれている内容が想像できるので試してみてください。

また、華やかな衣装・レイ・髪飾りは、好みやデザインで選んでいるわけではなく、曲のテーマや背景、発祥の島の色や花から決められており、深い意味があるのです。

フラショーのMCの中でよく使われる基本的なハワイ語についても知っておくと、解説の意味が理解できて安心ですね。

ショーのエンディング(生バンドの場合)で観客が「ハナホウ!(アンコール)」と叫んでいたら一緒に叫んでみましょう!一体感が高まりテンションが上がります。

ショーの最後は全員でハワイアロハというお決まりの曲を大合唱して終わる場合があります。知らなくてもOK!ダンサーでも歌えない人はたくさんいます。

フラショーには特にドレスコードはありません。清潔感があれば大丈夫、裸足にビーチサンダルの人もたくさんいるので、フォーマルすぎると浮いてしまいます

さて、あなたの心配ごとは解消されましたか?

全部知っていれば「お友達のフラの発表会」「レストランのフラショー」「ハワイアンアーティストのコンサート」どれでも充分に楽しめるはずです。少しでも興味があるなら、一度足を運んでみてください、きっと新しい世界が広がるでしょう!

最後に関西で開催されるハワイアンイベント・ショーをご紹介


▼関西ハワイアンイベント2023(予定)

4月9日(日)
Hawaii Loa Aloha Festival @琵琶湖
時間:11:30~ 会場:滋賀県立県民交流センター(ピアザホール)
フラエキシビジョンステージを中心に、ハワイのライフスタイルが揃うアロハマーケットも同時開催

4月22日(土)
ALOHA KYOTO
時間:11:00~17:00 会場:京都テルサホール
京都がハワイになる!フラのステージはもちろんハワイアンショップやフードショップがあり、フラを観て楽しめるお祭り。

5月3日(水・祝)~5日(金・祝)
HAWAII FESTIVAL in OSAKA 2023
時間:10:00~18:00 会場:湊町リバープレイス
大阪、なんば、湊町リバープレイスがハワイに染まる3日間ハワイの衣類やアクセサリーを取り扱うお店も多数出店

▼来日ハワイアンコンサート2023

3月18日(土)
Waipuna CD Release Live Kanikapila大阪公演
開演:14:00~ 会場:クレオ大阪中央

3月19日(日)
Waipuna CD Release Live Kanikapila淡路公演
開演:14:00~ 会場:淡路市立しづかホール

出典:アロハウォーカー

▼ハワイで見る

ワイキキ「クヒオビーチ」
場所:ワイキキ クヒオビーチデューク・カハナモク像の横フラ・マウンド
開催日:毎週(火)・(木)・(土)
※イベントの日時は変更になる可能性があります。ご注意ください。

出典:travel.jp

ロイヤルハワイアンセンター
場所:ワイキキ ロイヤルハワイアンセンター中央のロイヤルグローブ
開催日:毎週(火)・(水)・(木)は18:00~19:00、(金)18:00~19:30、(土)18:00~18:30にカヒコのフラショーが見られます
※イベントの日時は変更になる可能性があります。ご注意ください

出典:Royal Hawaiian Center 公式

▼ハワイのコンペティションを見る
4月12日(水)~4月16日(日)予定
2023 メリーモナークフェスティバルメリモナーク
※ハワイのテレビ局「KFVE」のウェブサイトから無料ライブ動画の配信予定

出典:HAWAII HULA TV

最新情報はこちら(出典:HAWAII HULA TV)




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