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イーロン・ショック
本屋に山積みになってきて気になった、イーロン・マスクのことを元Twitterジャパン社長が見て書いた本です
彼は自分の存在を脅かされると激しく戦います。批判されるのがすごく嫌いなのです。だからアメリカのメディアの取材は基本的に受け付けない。私が「少年のようだ」とか「気にしい」と言いたくなるのは、そこです
彼は「人間の心」に興味がない。一方でイーロンは「人類を救いたい」とも言っている。つまり、一人ひとりの人間に対しては興味がないけれど、人類という全体としての種には興味がある、ということ
彼が失敗を許さないのは、「失敗する」ということが顕在意識に埋め込まれてしまうと、潜在意識を発揮できなくなるから。だから「失敗はないんだ」と言い聞かせる。仮に壊してしまったとしても、それは彼にとっては「前進」であり「失敗」ではない
「完璧なものは出ない。でも、出すんだ」と。彼は、まずは出してしまって、とにかくフィードバックをたくさん吸い上げていこうという考え方
彼は大きなビジョンが明確にある一方で、ダイバーシティというか、多種多様な考え上げていきたいという姿勢もある。そのために自立性もすごく求められた。「スピードを優先し、組織の上下関係を尊重することで進捗を遅らせるな」「やってみて、後で報告すればいいから」と
イーロンには突出した能力が2つあり
ひとつは、徹底して細かいところまで自分で調べたい、知りたいという探求心。もうひとは、探求したことを自分なりに解釈して、それをかたちにしていくときの集中力
「人間の脳は21の数字を同時に考えるのが限界」と言われている。そのためか、スコアカードには21の指標があった。1枚のスコアカードが、2万1000個の計算式から作られているんだと思うと、気が遠くなってくる。けれどそれでも毎日見ていると、ときどき、「あれ?なんでこの数字になるのかな。おかしいな」と気づくことがある
創業経営者で成功された方は、タイミングへの嗅覚が本当に鋭い。運命的ともいえるタイミングで、事業を起こしている。人、モノ、金にはかたちがあるけど、時は本当に無形
「自分の会社にイーロンが来たらどうなるんだろう?」「クビにならずに生き抜いていけるだろうか?」「クビを宣告されたとして、「私にはこれがあります』と言えるものがあるだろうか?」ということをシミュレーションしておく。これは決して大げさな話ではないと思う
村社会の弱点について話しましたが、村社会には強さもあります。それがエコシステム。エコシステムは様々な人が多様な関わり方で関係し続けている循環的な経済圏。隣の人との「距離」が近い村社会では問題も起こりますが、その近さには「副産物」もある
イーロン・マスクの無茶苦茶だけど、すごい能力などとても参考になります。また、どのようにスタートアップを再生していくのかも、真似はできませんが、参考になりおすすめの1冊です