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サクッとわかるビジネス教養ブランディング
本屋に行った時に山積みになっていて気になったので買った、カラーで見やすくて分かりやすいブランディングの本です
ブランドが重要な理由のひとつは、現代の企業活動において強いブランドを持つことが過去にも増して競争的優位になっているから
強いブランドを持つことによって、顧客に選択される確率が高まり、ステークホルダー(株主や市民、社員など企業の利害関係者)に対して影響を及ぼす可能性が高まり、競争上の優位性が高まる
そのブランドに関するさまざまな連想や感情を呼び起こす心の仕組みのことを「認知システム」と呼ぶ
ロゴなどで視覚的に惹き付けるだけでなく、顧客の心へ作用するかどうかが、ブランドの本質
ブランディングの3つの戦略
1.経営戦略
ヒト・モノ・カネの経営資源をどう配分し、どう企業を成長させていくか
2.コミュニケーション戦略
顧客へどのようなメッセージを打ち出すか、パッケージデザインや商品名なども含む
3.マーケティング戦略
誰に、どんな価値を、どのように届けるか、顧客を明確にする
あるブランドには余分にお金を払ってもいいと思える。ブランドには商品の価値を保証する役割もある。スマートフォンが売られていたら、価格が高かったとしても、多くの人は無名のメーカーの商品ではなくiPhoneやXperiaなどを手に取る。それは、ブランドへの信頼感があるから
顧客はブランドの「価値」に対してお金を払っている
ブランドは4つに分類される
1.ハウス・オブ・ブランド
親ブランドを出さず独立したブランド群
2.ブランデッド・ハウス
Googleなど親ブランド名をつける
3.エンドースト・ブランド
親ブランドの支援を受ける、バイ・マリオットなど
4.サブブランド
企業ブランド+個別ブランド、事業ブランド+個別ブランドの2種類がある。トヨタカローラなど
実際に使用してみたほうがよっぽど利便性やシステムのわかりやすさなどの魅力を感じることができる。顧客へどのような経験を提供するのが効果的なのかは、商品やサービスの特性によって変わる
ブランド・イマジネーション
1.ブランド誕生の背景など世界観を構築するストーリー
2.ブランドが掲げるミッションなど「ブランドが世界をどう見ているか」の視点から語る世界観
「リード・カスタマー」
ブランドや企業が手掛ける特定の分野について、強いニーズを持つ人たち
ブランド構築5つのフェーズ
フェーズ1 構想
なぜブランドを構築するのか
フェーズ2 経営
市場分析し、どの市場にどんなブランドをどうやって構築するのか
フェーズ3 マーケティング
誰にどんなブランド価値を、どのように提供するのか検討
フェーズ4 実行と管理
ブランディングをどのような組織体制で実行するか、ブランド価値の定期的な測定
Foresight (予測)、Insight (洞察)、Cross-sight(補完)からなる3つのSight
現在は顕在化していないけれど、近い将来出現するであろう消費の動きを認識することが「予測」
顧客が潜在的に持っているけれど、言語化できていない欲求に応えることが「洞察」
人材やノウハウ、ネットワークなど、自社はどんな資源を調達すべきなのかを明確にすることも重要(補完)
ポジティブな「態度」を生む4つの有効なアプローチ
「態度」には「好き」だけでなく「嫌い」も含まれるため、ポジティブな「態度」を形成し、ブランドへ愛着を抱いてもらう
有効な4つのアプローチ
1.「タッチポイント」を増やす
人間は高頻度で接触した対象に好意を抱きやすい
2.「ブランドの経験」
試供品を配ったり、試食機会を設けたりしてブランドを経験させ、魅力を実感してもらう
3.「ムード」の形成
店舗などで、適度なにぎわいやスタッフの感じのよさといった好ましいムードが形成されていると、購入への説得が効きやすくなる
4.「強い動機付け」
個別のニーズに合致した商品であれば、顧客はポジティブな「態度」に傾きやすい
企業ブランドやサービスブランドについての基礎が分かりやすくカラーでまとめてあるので読みやすいブランディング入門書です。マーケだけでなく、経営層もさくっと読んで概要を掴むのに、おすすめの1冊です