見出し画像

今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」

経営学112のトピックスが書かれていて、色々参考になりそうだったので、読んでみました。

アダム・スミスの「国富論」
見えざる手」に導かれるように人々の利己的な努力が、結果として社会の利益になる(こともある) 人々の自由にまかせれば、市場によって資源は効率的に分配される

意思決定をすることは、「選択」をすること。
トレード・オフ」とも言われ、両方をうまくやることはできない。品質を高めるにはコストがかさむなど。

技術やノウハウのような「知識」や「ブランド価値」といった目に見えない「無形資産」も注目されている。「モノ」にあたる建物や設備のことは「有形資産」という。

日本のバブル期にシーマ現象が起きた。買った理由は「値段が高いから」という回答が上位にあった。高いほど良く売れる現象は、「ヴェブレン効果」という。

費用対効果に優れた(目的を効率的に達成する)戦略をとらなければ、競争に勝てない。「費用対効果の大きな選択肢から実施する」のが意思決定の基本ルール

ビールを家に買い溜めしておくとすぐ飲めてしまう。セルフコントロール(自己制御)の問題として「行動経済学」で研究されてきた。「ゲーム理論」では、「コミットメント(自己拘束的な確約)」の問題として知られている。自分の選択肢をあえて消すことで、かえって自分を有利に導く戦略。

機会費用」は、遠くまで買いに行くと、時間が余計にかかる。この時間をもっと有効につかう方法があるかもしれない。他の機会を逃す費用ということで機会費用という。

将来の成果を高めるために、いま費用をかけて検索を行うこと。経済学では「創造性」「適応能力」「革新性」と言った言葉がある。人も組織も、長期的な成果を上げるには「イノベーション」に適度な投資をすることが大切。

ネットワーク効果」は、利用者数の増加とともに、商品やサービスの価値が高まる現象。ネットワークの外部性や、バンドワゴン効果ともいう。みんなと同じことをしたい、勝ち馬に乗りたい。

費用に対して販売量を増やす。「時間あたりの販売量を増やす」ことから生まれる規模の経済性を、チャンドラーは「速度の経済性」と呼んだ。一定の費用(固定費)に対する効果(売上)を大きくして、費用対効果(経済性)を高めるのが「規模の経済性空間あたりの販売量を増やすことを「密度の経済性」という。

ポーターの競争戦略
上下に競争の範囲、上 広い標的/下 狭い標的
左右に競争優位性、左 低コスト/右 差別化
左上 コスト・リーダーシップ 薄利多売、カテゴリー・キラー
右上 差別化 iPhone、ダイソン
左下 コスト・集中 ノー・フリル
右下 差別化・集中 高付加価値・希少性、ブランド品

情けは人のためにならず
情けをかければ、いずれは自分に返ってくる。情けをかけるのは相手のためではなく、自分のため
互恵的利他主義の考え方

田原総一朗は、「好きなことをやって金を払うのは趣味。好きなことをやって金を取るのかプロなんですよ」と言っている。好きならものの上手なれ。

「やる気」が出てからやろうと思っていると、いつまでも「やる気」はでない。「やる気」があるから始めるのではなく、始めるから「やる気」が出てくるもの「案ずるより産むが易し(あれこれ思い悩むより、やってみると意外と簡単に終わる)」とにかく始める。

より良いモチベーションというのはとりも直さず業績が良くなることであって態度や気持ちの変化ではないのであり、部下が「自分はやる気が起きた」などということにはなんの意味もない。大切なのは、環境が変わったために『業績(遂行行動)』が良くなるか悪くなるかである。

管理の幅が狭い縦長の組織では、上司は少数の部下を細かく指導・監督できる。部下の仕事のやり方まで上司が決めて細かく口を出すような管理になりがち。「集権」のマネジメントになる。
管理の幅が広いフラットな組織では、上司は多くの部下を抱えるので、1人ひとりに細かな指示を出すことはできない。部下に自由裁量を与えてまかせる「分権」のマネジメントになる。

私の承認を待ったからといってより良い結果が出るわけではない。特別なことがない限り自分が介入してもさもして意味はない。誰の判断であれ最終的な責任は私にあり、部下たちの結論も私とほとんど変わらなかった。

投資家のバフェットは、2013年の株主への手紙で、「投資の90%を、S&P 500に連動する低コストインデックス・ファンドへ投資する」ことを推奨している。

優先するべき仕事の基本ルール
1.〆切が近い仕事
2.短時間で終わる仕事
3.費用対効果の大きな仕事
4.先に終えなければならない仕事
5.所要時間が不確実な仕事
6.早く終える方が楽な仕事(遅れると大変になる仕事)
7.重要な仕事
8.クリティカル・パスの仕事

ケンカはしない、スルーする技術を磨く
他人とケンカしても何の得にもならない。単純にやりあう時間がもったいない、心理的な負担になって仕事の効率が下がる。生産性を高めるうえで「スルーする技術」は必須。

経営の基本的なトピックから、マネジメントなど参考になるノウハウが112個に凝縮されている書籍で、さらっと読めてとても参考になる1冊です。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集