JR東日本のローカル線単線化は無線制御が前提ではないか。&一線スルー化の期待。
本題
先日、JR東日本がローカル線の単線化を検討していると発表しました。
ただこちらのリンクにも書いてある通り、「削減できる維持費よりも単線化にかかる工事費のほうが高くなりやすい」と言われています。
普通に考えれば、極論単線化で使わなくなった線路をわざわざ撤去せず放置しておけば維持費だけ安くなるんじゃないか?と思えます。
しかしこれには大きな問題があります。
それは信号設備です。
単線化するのであれば、信号設備を単線用に作り変える必要があります。
しかも信号設備というのは信号機はもちろん線路につけるケーブルやら踏切用の設備やらで、目立たないだけで結構大掛かりなものです。
これらをわざわざ単線用に作り変えるのであれば費用は莫大になります。
ところが実は、そのケーブルを不要にしようという技術があります。
それが無線式列車制御システム(CBTC)です。
※CBTC:Communications-Based Train Control(無線式列車制御システム)
このうち特にJR東日本が開発したものはATACSと呼ばれていて、埼京線や仙石線で運用されています。
これが実用化されれば、先述の信号機もケーブルも必要なくなるのです。
となると単線化の際に必要な作業は特になくなり、単純に複線の片方を使わなくなるだけだと言えます。
実際このスライドでも、
「切換当日はデータベースの変更がメインの作業となり切換が容易」
と線路切り替えの容易さが強調されています。
線路設備の撤去は予算などなどほかの事情に合わせて徐々に進めていけばいいですし、場合によっては使わないだけでそのまま放置でも構わないわけです。
ということで、今回の単線化計画はCBTC実用化が重要なポイントとして存在するのではないかとオイラは睨んでいます。
ついでにやってほしいこと、一線スルー化
それは、閑散区間の特急通過駅の一線スルー化です。
一線スルー化というのは通過線を一直線にして通過列車の衝撃をなくそう、というものですが、信号設備が普通の倍になるので広く一般にあるわけではありません。
特にJR東海はそれを嫌って、高速Y字ポイントで高速化を計っていますが乗り心地はいかにも悪そうです。
しかしこのCBTCが一般化すれば「信号設備が倍になる」という制約がなくなりますから一線スルー方式を採用しやすくなると思われます。
CBTCによる特急のより一層の乗り心地改善を期待しています。