見出し画像

介護事業所の「営業」における大事なマインド



先日、私が経営する介護事業所の管理者に対して、「介護事業所における営業の考え方」というテーマで研修会を開きました。

介護事業所の管理者をはじめ職員は、介護や医療の専門職が多く、これまで「営業」の経験がない職員が多いのです。
そのため、営業に対して苦手意識が強いことが往々にしてあります。

今回の管理者に向けた研修会では、管理者自身に営業活動を抵抗感なく受け入れてもらうことと、どのようなマインドで営業をしたらいいのか?そして、部下に対してどのように伝えていったら良いのか?そして、営業の具体的なやり方はどうしたら良いのか?ということを伝えることを目的として開催しました。

私はケアマネジャーとしても現在進行形で仕事をしていますので、さまざまな介護事業所から営業を受けることも多く、実際に「営業を受ける側」としての経験も踏まえて伝えました。

今回は、その中から一部を抜粋してお伝えしたいと思います。


介護事業所の営業:普段の活動が営業に繋がる理由

営業活動というと、つい「セールスパーソンが営業に出かけて契約を取ってくる」というイメージを持ちがちです。
しかし、実際のところ、介護事業所における営業は特別なものではなく、普段から行っている日常的な活動がそのまま営業につながることが多いのです。

普段からの情報提供と信頼関係づくり

営業というと、どうしても「売り込む」という言葉に重きを置いてしまいがちです。
しかし、介護事業所における営業活動の本質は、利用者さんやケアマネジャー、病院のソーシャルワーカーとの信頼関係を築くことにあります。

例えば、普段から利用者さんに必要な情報を提供したり、ケアマネジャーに対してサービスの改善点を伝えたりすることは、実は営業の一環です。
これらの活動を通じて信頼関係を築き、その信頼を基にお互いに助け合うことができるようになります。
この信頼が、最終的には利用者さんの紹介や新たなサービス契約へとつながるのです。

自分たちの事業所のためではなく、相手のために

営業活動を行う際のマインドとして大切なのは、「自分たちの事業所のため」に営業をするのではなく、「紹介してくださるケアマネジャーや病院の連携室のソーシャルワーカーのため」「利用者さんのため」に行動することです。
これが営業の本質です。

「自分たちの事業所のため」というマインドで活動を行っていると、そのマインドが言動のいたる所に表れ、相手の心の動きを察するのが得意なケアマネジャーにはすぐに感づかれてしまいます。

普段から利用者さんのためになることを色々と考えているケアマネジャーは、介護事業所の「自分たちのため」というマインドを過剰に警戒してしまう可能性があります。

例えば、ケアマネジャーは、利用者さんにとって最適なサービスを提案したいと考えています。
そのため、介護事業所が提供するサービスがどのように役立つのか、またはどのような情報が必要とされるのかを考えて提供することが大切です。
自社の事業所をアピールするだけでなく、相手の困りごとを解決するために情報提供をすることこそが、信頼を得る営業活動だと言えます。

営業は「売り込む」ことではなく「情報提供」

介護事業所の営業活動は、決して「必要のない人に無理に売り込むこと」ではありません。
むしろ、営業の本質は「相手の困りごとを解決するための情報を提供すること」にあります。
営業活動が、利用者さんやケアマネジャー、医療機関のスタッフにとって有益で、問題解決の手助けをすることこそが、真の営業と言えるのです。

例えば、ケアマネジャーが利用者さんの状態に合わせたサービスを探している場合、介護事業所が提供できるサービスがどのようにその利用者さんの生活をサポートできるかを丁寧に説明することが重要です。その際、無理に「契約してください」と強調するのではなく、相手が必要としている情報を提供し、役立つ情報を届けることで、営業活動が自然に進んでいきます。

営業活動は地域貢献の一環

介護事業所の営業活動は、最終的には地域社会への貢献にもつながります。
利用者さんが安心して暮らせるように、そしてケアマネジャーや病院と連携しながら、適切なサービスを提供することで、地域全体のケアの質が向上します。

営業活動を「売り込み」や「利益追求」ではなく、地域貢献や相手のニーズに応えることとして捉えることで、より多くの信頼を得ることができ、事業所としても安定した運営ができるようになります。

まとめ

介護事業所の営業活動は、普段から行っている信頼関係づくりや情報提供の延長線上にあります。
営業を「自分たちの事業所のため」ではなく、「紹介してくださるケアマネさんや病院の連携室のソーシャルワーカーのため」「利用者さんのため」に行い、相手の困りごとを解決するために必要な情報を提供することこそが、真の営業活動だと思います。

普段の業務がそのまま営業活動になるという意識を持ち、相手のために役立つ情報を提供し続けることが、信頼関係を築き、最終的には事業所の成長につながるのです。

いいなと思ったら応援しよう!