韓国ドラマ「D.Pー脱走兵追跡官ー」を観たら、チョン・へインをもっと好きになった
わたしは、チョン・へインが、「三銃士」に出ていた頃から、主役のジョン・ヨンファより演技上手いし、イ・ジヌクよりも華があると思っていたし、「あなたが眠っている間に」に出ていた頃から、主役のイ・ジョンソクよりも爽やかなのにと思っていた。
だから、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」では、満を持してソン・イェジンの相手役となったわけだが、チョン・へインがブレイクして、「国民的年下彼氏」といわれるのも当然だよねと思った。
そんな彼の魅力は、清潔感と純粋さと賢さ、そして若々しさだ。
もし、わたしが女子高生で、ソン・ジュンギとキム・スヒョンとチョン・へインが同級生だったとしても(どんな高校だ!?)、学級委員選挙では、チョン・へインに一票を投じるだろう。(だから何なの?!)
そんな誰からも信頼される学級委員のようなチョン・へインが主役だからこそ、社会派問題作のこのドラマ「D,Pー脱走兵追跡観ー」もより一層脚光をあびるのではないだろうか。
<ストーリー>兵役義務により入隊した青年アン・ジュンホが、鋭い洞察力を評価され、軍の脱走兵を追跡する部隊D.Pに配属されることに。任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。先輩兵士のパク・ソンウと組んで初任務に挑むが、事態は思わぬ方向へ。
あの「太陽の末裔」のように、ロマンスドラマという形を取りながらも、国防という名のもとで、軍隊や軍人を描き、愛国心の鼓舞を背負わされてきた韓流ドラマ。そんな韓流ドラマは、海外でもヒットを飛ばして外貨をも稼ぎだす、輸出向けエンタメでもあり、国策ドラマでもあったのだ。
しかし、このドラマ「D.P」で描かれているのは、そんなロマンチックな軍隊生活のかけらもない。結局のところ、軍隊を支配しているのは、むき出しの力であり、暴力なのだということを、軍隊内のいじめ(というにはあまりにも凄惨だが)をとおして描いている。
そして、それは、若者の青春を奪っていく「徴兵制」という暴力に繋がっていき、「兵役」という社会問題を描き出している。
「入隊しなければ、脱走兵になることもなかった」
脱走兵を追跡しながら、アン・ジュンホが呟く。
そんな若き兵士の苦悩と葛藤を、内省的に表現するチョン・へインの演技力に魅せられる。
タイでもベトナムでも、アジアで徴兵制のある国では、Netflixランキング第1位を席巻している。それらの国の若者たちにとっては、身につまされる、他人事ではないというところだろうが、日本でのレビューを見ると、「韓国の徴兵制の問題点をあぶりだした」というような、あくまで対岸の火事みたいな言い方だ。
日本だって、憲法改正だのなんだのときな臭いことには変わりはないのに。そんな時代だからこそ、このドラマの深いテーマに引きずり込まれるのだ。