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松島諒 x KBM「おっさん恐怖症」インタビュー
松島諒 1stミニアルバム「おっさん恐怖症」リリースを記念してTwitterマイメンであるKBMにインタビューして貰いました。KBMはめっちゃ心の優しい最高の人間です。
松島諒 1stミニアルバム「おっさん恐怖症」
各種配信コチラ https://linkco.re/v3Cfxxp3
KBM 「新しいやつめちゃいいすね」
松島諒「あざす!!」
KBM「ラップ上手くなってますね」
松島諒「そうなんすよ!韻とか頑張りました」
KBM「細かい韻が聴きやすさに繋がっててめっちゃ効果的ですね。『多目的トイレや匿名希望で』のとことか良かったすね。ジャケとかタイトルとかふざけてる感出てるけど終始めちゃくちゃシリアスな内容すよね」
松島諒「うれしい!こだわってるんだけど、普段踏まない人にはなかなか気づいて貰えないからね。よかったら『おっさん恐怖症』についてぼくにインタビューしてくれませんか!文にしてnoteとかに載せたいです!
KBM「インタビュー!全然自信ないけどいいすよ!なんで改名したんですか?」
松島諒「音楽活動をもっと真剣にやろうと思ったのが九割、ヒップホップの村社会性に僕自身が疲れたのもあり『あー、ヒップホップの人なら聞かなくていいか』と思って僕のことをスルーしてた人とかにも曲を聴いてほしいなーみたいな気持ちが一割」
KBM「なるほど。松島くんってリリース多すぎてみんなよくわかってないと思うけど僕の印象では今までEPはなんかその時のバイブスで作ってて『hospes』とか『geranium』とかアルバムはすごいちゃんと真剣に作ってるって印象でしたけどね。でも、たしかに今回のEPは『hospes』とか『geranium』のテンションに近い気がしましたね」
松島諒「そっすね。とりあえず今までで一番いいやつ作ろうと思いました!ちゃんとラップに向き合わないといけないなと思ったし。年齢もありますね。僕は死ぬまで音楽作りたいなと思ってて、それにはもうちょい売れないとキツくなってきました!明確に『売れよう』みたいな気持ちになったのは初めてかも」
KBM「タイトルとか曲名とかで今までのEPみたいな感じで肩透かしな感じでくるのかと思って聴いたらめちゃくちゃ良くてびっくりしました笑。僕と同じ様な予想でスルーする人とかもいそうなのでちゃんと届くと良いすね」
松島諒「今回のはめっちゃ意識高い系社会派ラップなのでユーモアも大切にしようと思いました。バカには分からないようになってるっていうバランスが理想ですね。」
KBM「今作内容も良いけどちゃんとそれだけじゃなくてしっかりラップが上手いってのがよかったすね。」
松島諒「ラップ頑張りました!なんか音楽活動を真剣にやっていく上で『いいライヴ』するって絶対条件だよなーと思ったんですけど、自分の曲で歌いたい曲が全然ないなと思って。それは「一回作った曲に興味がなくなる」っていう僕の癖でもあると思うんですけど、なるべくずっと歌いたいと思える曲を作らなきゃなって思いました。」
KBM「ずばり今作を作ろうと思ったきっかけは?」
松島諒「きっかけらしいきっかけはないんですけど、常になんかは作ってなきゃと思ってて。最近社会で起きてること、身の回りで起きてることに対して言いたいこととか書きたいことをまとめたらこんな感じになりました。ちょと説教くさくなっちゃったので、次はもっと詩とか歌詞っぽいやつ作ろうと思いました!」
KBM「ムカつくおっさんいっぱいいますからね。僕もそうならないようにしないとなって思いました」
松島諒「そうですねー。結局自分は大丈夫だろうっていうのが全ての始まりだと思いましたね!おれが森喜朗なんだーと思って暮らさなければ。それこそ年齢も上がってきて最近は周りに対する立場みたいなものの変化もすごく感じますね。みんな絶対おれの言ったことで笑うみたいな」
KBM「森喜朗とキモキモキモで踏んでたの良かったですね」
松島諒「そこも気に入ってるから嬉しい!聞き取れる日本語で英語のラップに負けないように頑張ろうみたいな漠然とした目標があって、今回韻は踏めるだけ踏んでみようと。なので踏み方もいつもと少し変わったかもしれないっすね」
KBM「要所要所細かくライムしてましたよね。もともと松島くんは韻かたい曲はめっちゃ固かったすけどメッセージ性とか強めの曲は韻より話の上手さで持ってくことが多かったすよね。そこがすごい良い塩梅になりましたね。韻踏むことでフローも気持ち良くなるし。」
松島諒「自分的には踏む量自体めっちゃ増やしてるつもりでしたね!巷の韻量、韻質って「なにとなにで踏んでる」がメインだと思うんですけど、そうじゃなくて、小節の中の「てにをは」とか語順を調節して、極端にいうと「全文字母音がデザイン」されてるみたいな状態に近づけるように頑張りました。だからパンチラインらしいパンチラインは多くないかもしれないけど、かなり細かく踏んでるはずです!」
KBM「好きな言葉とかありますか?
松島諒「最近のいいなーと思った言葉は『心臓震盪死亡事故』ですね。ちょっと物騒ですが」
KBM「韻についてはたしかにエチゼンクラゲ、ベニテングダケみたいな単語で脚韻に持っていくのがパンチラインに繋がりやすいすよね。個人的にはそれやりつつ頭とか間に細かい韻入れてグルーブ作るみたいのが理想すね、、全然違う作品の話になるけどMonent Joonは脚韻すごいしっかり踏んでパンチライン作るの上手い」
松島諒「そっすねー。なんかそのマニアックな単語同士で踏むのが偉いみたいなのもちょっともうダサい気がしてて。いっせーので、いまからここで踏みます!みたいなフロウになってんのとか本末転倒だなと思うし。なので、一文字だけど小節の表拍に乗るやつは全部揃えるーとかそういう作業を頑張ったとおもいます。英語のラップのライム感も意識したんですけど、やっぱ僕の場合(日本語として)聞き取れるからフロウが地味に聞こえるのかもなとも思いました。Momentくんたしかにうまいですね。もしかしたら英語と韓国語話せるのも影響あるのかもですね。英語わかる人のラップってやっぱ全然違う気がしてます。キングギドラ、BUDDHA BRANDからAKLOさんくらいまで」
KBM「今からここで踏みますみたいのでかっけーと思うのはZORN氏くらいですね。ライムの質も数も余裕で期待超えてくるから。フローと言えば今作は結構発声とかも色々やってて良かったです!おっさん恐怖症のフックの感じとか」
松島諒「あー!『おっさん恐怖症』はMissy ElliottとFatMan Scooopを意識しました笑」
KBM「なるほど笑。なんか今作でインスピレーション受けた音源とかアーティストとかあります?」
松島諒「ぼくのモードなのかもしれませんが「トレンドとしての00年代回帰&ラップの基礎力としてのニューヨークヒップホップ」みたいなのが下地になってたかもです。NasのIllmaticとかJustin TimberlakeのFutureSex/LoveSoundsとか聞き返してたかもですね。ちょい懐かしい。00年代の「ティンバランド感」みたいなのめっちゃ節々から感じるけど、ぜんぜんうまく反映できないっすね。ニューヨークヒップホップ的ラップ基礎力は、ぼくはやっぱナズだと思うんですが、まじでそれも全然表現できないっすね笑。あとKiddo MarvとかBurna Boyみたいなカリビアンヒップホップ(という言葉は今ぼくが考えたんですけども)のニュアンスもやりたくて「おっさん Kills My Vibe」作ったんすけど、やっぱ僕がやると謎の日本語レゲトンになっちゃいましたね」
KBM「ティンバランド感はわかりますがナズ感全然わかんないすね笑。おっさんキルマバイブのラップの感じそれかー。僕も最近00年くらいのヒップホップとかアフリカのプレイリストとか良く聴いてますね。さっきキングギドラの話出たんであれですけどケーダブさんになんか言いたいことありますか?」
松島「ケーダブさんはなんやかんやみんなに愛されてるんだと思いますね。僕とかも執拗に批判してるのも愛着あるからのような気がするし。でも、この前も流派Rで「次世代に正しくヒップホップを伝えていく」みたいなこと言ってて、完全に老害化してるなとは思います。本人に何か伝えるとしたら『年齢とか芸歴でマウント取らないでマイクでやってくれ』みたいなことですかね。」
KBM「コロナ禍になってライフスタイルとかなんか変化はありましたか?」
松島諒「僕はもともとあんまり出歩くタイプじゃないのと、ライヴとかもほぼ東京だけだったんであんまり変わらなかったです!ただ去年の春から夏くらいは予定がめっちゃキャンセルになったりはしました!まだみんなどうなるか全然わかってないときでしたね。いまは配信がすごい整備されてたり、感染対策して開催したりちょっと変わってきてますよね」
KBM「もうコロナ禍になって1年以上経つしもうコロナだからダメじゃなくてコロナ禍でどうやるか見たいな考えになりつつあるのかなと思います。ただやはり制限は大きいしどうしようもない部分もあるなーって思いますが。個人的には配信ライブが増えたのはめちゃくちゃありがたかったすね、、、コロナ関係なくうちは子供が小さくて多いのでなかなかライブとか行けないので」
松島諒「もういい年だし、三密避ける暮らしの方がなんか楽だな〜ともおもいますね。あと一応YouTube始めたのもコロナがきっかけでした」
おしまい
松島諒 1stミニアルバム「おっさん恐怖症」
各種配信コチラより https://linkco.re/v3Cfxxp3
KBMプロフィール
ラッパー、三つ子の父。業界の重鎮も一目を置くTwitterの貴公子。MCのMoccosとバックDJ WoomDoとのユニットKeylight Distortionとしても活動中。数少ない松島諒の友人の一人である。