良い本皮ってどんな皮?
おはようございます!マチュア・パーカッション代表の田中です。
日本に安く手に入る本皮が多く流通し始めて10年くらいになろうとしていますが、今日はそれらのリーズナブルな皮とその数倍以上する高級皮の「一体なにが違うんだろう?」「最終的にどれを選べば良いんだろう?」という事を少し書いていきたいと思います。
まずそれぞれの長所と短所を書き出してみます。
リーズナブル本皮
長所
・価格が(最近では比較的)安い!
・ヴィンテージ感ある音色がする
短所
・皮質や厚みが不均等な事が多く、打撃箇所の違いで音色や音程感が大きく変わる事がある
・チューニングの高低→特に低張力で使う時にまとまった音が出にくくピッチ感もボヤける事が多い
・上記と同様の理由により、演奏時の音量の変化でも音色やピッチ感が大きく変わりやすい→もともと指定される強弱の幅が広い上、同じ音色のままのでの強弱変化を求められる事が多いクラシック音楽の演奏ではそれが顕著に短所として現れてしまう事も
高級本皮(ほぼカルフォとゾンベルク)
長所
・皮質と肉厚がかなり均一なので打撃箇所が変わっても音色や音程感の変動が少ない
・チューニングの高低、特に低張力で使う時でもまとまった音が出やすくピッチ感も明瞭に出しやすい
・同じ理由で演奏時の音量の変化でも音色やピッチ感が変わりにくく、同じ音色で広い強弱の幅を求められる事もあるクラシック音楽ではそれが助けになる
短所
・価格が高い!
この様な特徴があると私は捉えています。
「安い皮でもプロは使いこなしてるじゃないか」というご意見に対してはプロは高い演奏技量でネガティブ要素を抑え込んでいると思っています。
良い皮を良いタッキングされた状態で使った時の方が高いパフォーマンスを楽に発揮出来るのと思うのですが、そうしないと言う事はリーズナブル皮のヴィンテージ感ある音色をどうしても使いたいのではないかと思います。
音色に対しての拘りはそれだけ大事だとも言えますね。
最後に
高級皮もリーズナブル皮も梅雨時期と真冬時期などの極端な気候で使うと使いにくくなります。
そしてリーズナブル本皮の場合は先述の短所がより強く顕れるので「使いたくてもどうにも使い難い」状況になる事があり、最終的には「カルフォやゾンベルクでなければプラの方が使いやすいのでは」と感じる事が少なくありません。それだけプラスチックヘッドというものは天候に強くフィルム厚やストレッチ製が均一で使いやすいのです。
結論として、多湿と極度乾燥が交互に訪れる日本で本皮を使う時のお勧めはカルフォとゾンベルクなどの高能力のヘッドです。それ以外はプラスチックヘッドを積極的に使った方が良いと考えております。
今回の記事が皆さまの楽しい打楽器ライフのお助けになれば幸いです!ご拝読ありがとうございました!