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「この組み合わせは、久しぶりかもです」



髙橋のブログの1文である。[i]


その言葉通り、3人でのインタビューは2020年9月の月刊エンタメ[ii]まで遡る。そこからちょうど2年。3人の役割、存在感の進化はここで語るまでもないだろう。その1年後、2021年10月にはBUBKA[iii]で3期生4人が表紙を務めた。当時は“4人”での思いを聞けるということについて感謝したが、今回は日向坂の過渡期とも言えるこの時期にあえて研修生活動を経て加入した3人のインタビューを聞けるということが素直に有難い。3人にとっては新メンバーの加入が初めてであり、この時期にしか共有できないことはあるだろう。


強く

今シングルはまた新たな雰囲気の楽曲であるが、近頃パフォーマンス面での成長も著しい3人それぞれから伝えたい点を聞けたことは意味のあることのように感じる。

昨年のBUBKAでは、研修生ツアーでのパフォーマンスのがむしゃらさを佐々木久美から評価されたと話していた。しかしもう、がむしゃらにやるだけではなく表情、歌い方、描く情景など年月を経て、彼女たちは間違いなくアイドルとして次のステージに進んでいる。彼女たちが試行錯誤しながら伝えようとしていることは間違いなく伝わっているし、伝えたい「部分」を具体的に知れたことで、この曲のパフォーマンスに新たな発見がありそうだ。

その中でも特に私は後半のネガティブからポジティブへと変わる部分に研修生の“がむしゃらさ”を感じた。未来が見えない中でも世界に美しさを見つけ出し、「強く生きる」姿は美しい。初めて聞いた時は前作と比べて刺さらないと思ったが、聞けば聞くほど新たな魅力が見つかる。私の中では、3期生のおかげでこの曲はもう大事な1曲だ。


この曲はMVがぐんま国立天文台で撮影された。自然豊かな環境は新鮮だっただろうし、ダブルレインボーを到着直後に見られたということでテンションもひときわ高かったのだろう。その中での動画である。ぜひとも見せてほしい。本当に見せてほしい。フォルダごと共有してほしい。4人が楽しんでいる様子を収めた動画の存在が判明しただけでも感動であるが。


そして話は同曲のタイトルから「星」の話へと移る。星といえば流れ星。流れ星に対して願う内容は、本当に3人の“らしさ”が溢れていて本当に好きだ。この話に限らないが、同じ質問を3期生にした時の返答にほんとうにそれぞれの良さが詰まっている。同じ3人で掲載された2021年10月のミューズクリップ、僕なんかリリース時の各種フリーペーパーを始めとする様々なインタビューを見返してみてほしい。きっと新たな発見があるはずだ。



頼もしく

日向坂には4期生が加入し、総勢33人の大所帯となった。冒頭で書いた通り、3人にとっては新メンバーの加入が初めてである。はじめ唯一の3期生として加入した上村は、3人が加入したときある種の責任感を感じたと話していたが、今3人が抱いている感情はその時以上のものだろう。しかし、約3年弱という時間を、素晴らしい先輩がたくさんいる日向坂で過ごしてきた彼女らが、後輩に対しても惜しみのない愛情を注ぐことは想像に難くない。しかしその中でも感じ方は三人三色であるし、お互いがどんな先輩になりそうか、また後輩にどう接しそうかについての意見が一致しているのがまた愛しい。


実は森本は2020年8月2日のトークで後輩の加入が楽しみだと話している。彼女ほど後輩を長く待ち望んでいた人はいないだろう。また、彼女には姉と慕う宮田の存在がある。

「元々私は全く先輩方にお話しに行けなくて。(中略)でも、そんな私にラフな感じで話し続けてくださって。(中略)愛萌さんがいたから今の自分がいる。そう強く思います。」


宮田の卒業にあたって森本が書いたブログ[iv]である。加入した後の悩みが、その時の先輩の声が、どれだけ嬉しいか彼女は痛いほどわかる。もちろん、“森本茉莉”は“宮田愛萌”にはなれない。彼女は彼女なりの考えで、行動で、もう頼られる先輩になれているのではないだろうか。彼女が何を考え後輩に接しているか、個人的に特に知りたかったことの1つだったのでその一部を知ることができて嬉しい。この視点をもって、森本と4期生の関係を今後も見守っていきたい。


森本が旅立つ日。4期生は何を感じるのだろうか。ふと、そんなことに思いを馳せ、目が潤んだ。



髙橋の、吹奏楽部時代直属の後輩がいなかったというのはどこかで聞いたことがあるのだが(どこだったか思い出せないので出典は割愛)、その中で、もし自分が後輩だったらどうかなどを自分なりに考えているというのがなんとも彼女らしいし、3期生4人の特徴について考えた時、“お姉さん的存在”になれる髙橋の存在は大きいだろう。インタビューであるにも関わらず、なぜかそのくだりが脳内映像付きで再生された。いつもの3期生で、心が温かくなった。

もちろん、流れ星のお願いのくだりのような等身大の部分も好きだ。等身大の部分が、“同世代”の部分で、お姉さんの部分と両方兼ね備えている髙橋は文字通り最高の先輩だろう。


山口の話しかけやすさ、人懐っこさは本当に天性のものだろう。先輩からの溺愛ぶりが全てを物語っている。同期である上村も、「先輩と打ち解けるタイミングが、私を含めた3期生で誰よりも早かった」と昨年のBUBKAで[v]話しており、後輩にとっても話しかけやすい先輩になるのだろう。既に一部の4期生を家に招いたとの情報もでている。

3期生にとっての2期生と、4期生にとっての3期生はまた違うだろう。先輩と関わる入り口として、3期生は、山口はいい意味でハードルが低く、最適だと感じる。

インタビュー時と現在という短い時間の間でも、変化は間違いなく起こっている。これからの、12人と4人で48通りのさらなる化学反応が、本当に楽しみだ。



さらに高く

今年一年間の振り返りはまた別でやろうと考えているのでここではあまり触れないが、日向坂にとって変化の1年であったということは疑いようがないだろう。グループの変化の中で確実に3期生の変化もあり、4人で、はたまたそれぞれが様々な経験をした。

「日向坂で会いましょう」での森本の授業は、暴走という表現が適切であったが、放送前日にメッセージで送られた収録に当たっての意気込みを聞いてから再び観ると感動的ですらある。彼女のあの授業は、「踏み込」んだことによって得られたいわゆる“ヤバい”というキャラがなしえたものだろうし、MCに対して臆することなく諦めず収録の中でも「踏み込」んだ成果だろう。

そしてそんな彼女に感化され、いじられキャラを目指そうとしているのが山口である。いじられるとは少し違うが、先輩方から赤ちゃん扱いされ嫌がるもさらに愛でられる、という構図はミート&グリートの定点カメラを中心によく見られる。彼女がそれを望んでいるのかは定かでないが、いじられる新たな山口も楽しみである。心なしか、本人が恥ずかしがっていた一人称「ハル」も最近また増えてきたように感じる。心を許している場が増えたのが原因である可能性も十分あるが。

そんな山口であるが、ライブでの輝きは本当に私も大好きだ。「身体の小ささを感じさせないパフォーマンス力」と以前書いたことがある[vi]が、その答えの1つが今回わかった。そこには、彼女の努力が間違いなくある。これからも彼女は彼女らしく輝き続けるだろうし、彼女の魅力に気づく人はこれからも増え続けるだろう。

3列目の端は、見えてないようで全体を俯瞰で観るととても目につくポジションである。そのポジションを任されているということが何より髙橋のパフォーマンス力が評価されている証だろうし、7月に語るなら未来を…をフロントで踊っていた姿はまだまだ記憶に新しい。

そんな髙橋であるが、歌唱力もより多くの人に注目してほしいポイントの1つだ。2022年7月2日のメッセージではアカペラ着信を送ってくれているし、今年8月に行われたひなこいのリアルイベントでもアカペラを披露したらしい。その中でハモリの話や彼女のレコーディングにかける想いを聞けて嬉しかった。個人的に、「君しか勝たん」PV[vii]での髙橋の歌声もとても好きだ。まだ聞いたことがない人は、ぜひ聞いてみてほしい。


また、2022年は、個人はもちろん、3期生4人としても大きく成長した年になっただろう。まず挙げられるのがライブでの輝きだろう。ツアーでの3期生曲の盛り上がりは、本当に感動的で、4人で会場のボルテージを最高潮にできるのは間違いなく強みの1つだろう。山口もライブで工夫を始めたと言っているし、煽りにも言及しているが、煽りというのは今年の3期生が獲得した大きな武器の1つである。幸いなことに、煽りにおいては右に出るものがいない「佐々木久美」が日向坂にはいる。佐々木が日向坂にいる間に、その技術の全てを盗んでほしい。そして、彼女は彼女たちらしく、ライブでも輝き続けてほしい。


来年は、さらなる飛躍の年となるのだろう。彼女たちがどのような目標を立てるのかはわからないが、どのようなものであれ彼女たちを全力で応援したい、と改めて思わせてくれるような内容であった。さて、あまり書きすぎると、次に書くことがなくなるので、この時期に3人を特集してくださったMARQUEEに携わる全ての方への感謝を述べ、感想はここで締めようと思う。




[i] 日向坂46 髙橋未来虹公式ブログ 秋の装い 2022年11月23日https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/member/list?ima=0000&ct=22&dy=20221123

[ii] 月刊エンタメ 徳間書店 2020年11月号 http://bit.ly/3EwSVQV

[iii] BUBKA 白夜書房 2021年12月号 http://bit.ly/3V4fC65

[iv] 日向坂46 森本茉莉公式ブログ お姉さん 2022年9月8日 https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/member/list?ima=0000&ct=23&dy=20220908

[v] ⅲに同じ

[vi] 風 2022年9月15日 https://note.com/mature_koala/n/naae44516edd2

[vii] 日向坂46公式YouTube 髙橋未来虹「そういえば、あの頃」 https://youtu.be/ZNHq5h-Mho8

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