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古民家と介護の相性

ヒトのカラダはどんな時に自然に動くのか?思わず動きたくなるようなしつらえとは?と考えてしずちゃんハウスを設計しました。

・生活リハビリ浴槽
・アイランドキッチン
・縦手すりのないトイレ

しずちゃんハウスの設計は大阪の北聖志さん(一級建築士)と一緒に「あーでもないこーでもない」と言いながら設計しました。

改修工事をできるだけ安く、早く終わらせたい、と思っていたのですがなかなか思うようには進みませんでした。
2022年10月オープンを目指したのですが2023年7月オープンとなり、実に予定より9ヶ月も延びました。

その間、金銭面、精神面など多くのハードルを越える必要がありました。

予算を大幅に越えた建設費をいかに下げるか?
相見積もりを取ったり、材料費を
下げたり、設備をあきらめたりして300万円くらいは下がりました。

でもこれ以上は下がらない。
足らない部分は、自腹でいくしかないか〜と腹をくくりました。

予算オーバーして「やばい、引き返そう」と思った頃には、役場、地主、設計士、銀行員、建築会社など
関係者がたくさん増えてしまっていて「やーめた」なんて言えない状況になっていました。

それが2022年夏頃のこと。思い返すと「このあたりが一番精神的にキツカッタな〜」なんて、その頃の不安感がリアルに蘇ります。

安く!早く!といっても宿泊施設には必ずスプリンクラーや耐震補強など必ず安全基準をクリアしなければなりません。

これじゃお金は出ていくばかり。

自分で始めようと考えたときに
誰もが突き当たる問題があります。

それは

「古民家を改修するか?」
「新築を建てるか?」
どっちにするか問題。

もし皆さんが介護施設を
始めるならどうしますか?

新築?古民家?

たいていの人は
古民家のほうが安上がりじゃないの?
たぶんそう考えると思います。
僕もそう思ってました・・・

しかし

なんと、値段はそれほど変わりません。
工事技術は古民家のほうが熟練を
要するし、工期も長くなる傾向があります。

更地に新築のほうが制約なく、
自由度が高く、ラクだそうです。
ただ予算内でコスパよく新築しようとすると、あまり特徴のない、だいたい似たようなハコモノができあがることが多いようです。

不便だけど今あるものを
大切に使う古民家。
これは個性が光る場所になります。

不自由だけどその体で
暮らしていこうという介護と
とても近いように思う、
と一級建築士の北さんから
お話いただきました。
うんうん、
いろんなデメリットも
あるけど古民家でよかった!
ここでみんなで生きていこう。
そう思えましたーーー

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松本健史
京都北部、天橋立を望むきれいな町で介護現場の理学療法士をしています。「がんばらないリハビリ介護」というYouTubeチャンネルを更新中。励みになりますのでサポートしていただけると嬉しいです。