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ボトルアクアリウムの厄介者〝藍藻〟をなんとか減らすために〝遮光作戦〟をしてみた
そう、とうとうウチのボトルにも出たんです、〝藍藻(ヤツ)〟が…。
こんにちは。イラストレーターであり、小型アクアリストでもある松峰です。
制作の傍ら、日々魚やエビのお世話、ボトルの維持管理に勤しんでいます。
そんな私が、せっかく先日、リセットした第一号ボトルアクアリウム。
そこに、そう、ヤツが……
藍藻(らんそう)が、発生してしまいました…。
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クリプトコリネを覆うように繁茂しているのが見える
藍藻とは
藍藻(らんそう)は別名のり状藻とも言います。文字どおり海藻ののりのようにドロッとした状態の緑色の藻です。色は緑色のほかにこげ茶や黒、赤紫になることもあります。
主に底床や砂利・岩・水草・水槽と底床の間などにつく藻ですが、他のコケに比べて臭いが強烈で繁茂してしまうと水槽が臭う状態になります。さらに藍藻は臭いだけでなく、毒素を発生させてしまうので、迅速な対応がおすすめです。
藻と言っていますが、厳密にいうと原核生物という大腸菌などの細菌類と同じ核膜のない細菌で、シアノバクテリアという細菌が藍藻の正体です。
藍藻が発生してしまったこのボトルも、例に漏れず近づいたときや水換え時にツンとくる嫌なアンモニア臭がしてしまっています。
水換え時に何度かバクテリア剤やコケ抑制剤を添加したのですが、状況は改善せず。
なので、ボトル内の環境を一から見直してみることにしました。
藍藻が好む環境
水流が弱い・通水性が悪く水がよどんでいる場所
酸素が少ない(嫌気)環境
光が強い環境(太陽光が入るなど)
水質悪化により藍藻の栄養になるリン酸塩が溜まり、富栄養化した水槽
考えられる発生原因
お掃除生体の減少
石巻貝が落ちてしまってからは再導入していなかった
ミナミヌマエビが少しずつ減ってしまい、魚のエサの食べ残しを処理できなくなっていた
通気性の低下
稚エビを吸い出すことを恐れて、水換えはするが底床掃除をしていなかった
富栄養化
上記の原因により、水槽内に余分な養分(リン酸塩)が溜まっている
今のところこれらが考えられる原因です。
やってみた対策…〝遮光〟といろいろな工夫
一時的にライトを当てない
藍藻は光合成をして増えるため、遮光が効果的だと聞きました。
このボトルアクアリウムに使用しているライトは、他の水槽のライトと比べても光量の強いもののため、もしかしたら光が強すぎることも一因かもしれないと思いました。
1週間程度、直接光を当てず様子を見ました。
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脇から太陽光が入るので、そこには100均で買った素材で作った、お手製の立て板を置きました。
これは以前2つ目のボトルアクアリウムを置くときに、太陽光が入ってレンズ効果で火事になるのを防ぐため…に作ったのですが、結局必要なく使っていなかったものです。まさかこのような形で日の目を見ることになるとは…
エアレーションは常時しているので、酸素については問題ないはずです。
完全な遮光
上記の『一時的な遮光』の結果、少々勢いの低下は見られたものの、藍藻を完全になくすには至っていませんでした。
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藍藻の勢いはおさまっているが、局所的に藍藻の塊が見える
なので、こんどは覆いをして完全に遮光をすることにしました。
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取っておいてよかった
エアレーションは継続し、再度1週間程度、様子を見ました。
お掃除生体の再導入
完全遮光と同時に、ミナミヌマエビと石巻貝を再導入しました。
現状、ボトル内に生体が魚しかいないため、食べ残しやコケを処理できないのも問題だと思ったからです。
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水合わせと同時に水換えもしたので、当日と翌日にバクテリア剤を入れ、エアレーションも強めました。
(ちなみに、水あわせ中に水草の陰から稚エビがでてきたのを確認したので、ボトル内のエビは全滅したわけではなかったようです…少し安心…)
完全な遮光をしている間は、昼行性の魚は活性は弱まるため、基本エサは与えなくてもよく、むしろ本来夜行性のエビとは相性がいいため、遮光して枯れたコケをエビに食べてもらうのがいいそうです。
さらに石巻貝など貝類は藍藻を食べてくれるそうです。
バクテリア剤増量とコケ抑制剤の添加
上記の対策に加えて、バクテリア剤・コケ抑制剤の添加を続けました。
バクテリア剤については、商品の公式サイトに、
生体の個体差、及び数量の多い場合やアンモニア、亜硝酸の濃度が高い場合は、水の状態に合わせて投入量を2~3 倍にしてください。その際、必ずエアレーションを強めに設定してください。
とあったので、思い切って3倍量を投入してみました。
水替えの際は、底床掃除もできるだけ行うようにし、リン酸塩の除去と通水性の確保ができるよう努めました。
水替えに使うプロホース(底床掃除もできる)↓
使用したバクテリア剤↓
使用したコケ抑制剤↓
遮光と生体とバクテリア増量…その成果は?
そして約1週間、遮光を行ったボトルが…こちら!
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✨️水中の藍藻は、ほぼなくなりました〜!!!✨️
対策前に撮影した写真と比べると、見違えるほどきれいなボトルになりました!
遮光のため少し水草に弱りが見えますが、藍藻は無くせたので、やってよかったです…!
一週間ごはんなしだったアカヒレも、元気そうでよかった…!
遮光後にしたこと
ライトの変更
現在このボトルアクアリウムに使用しているライトは、観葉植物育成などにも使う強力なライトでした。
が、光量過多は水草の成長を逆に阻害し、コケを繁茂させてしまうこともあるらしいのです。
そのため、長くこのボトルを維持したければ、今のうちにライトを変えたほうがいいな…と思いました。
変更後のライトは、もう一つのボトルにも使用しているリーフグローにしました。
根張りのいい水草の追加
元々植わっている水草は、長時間の遮光で弱ってしまうため、さらなる藍藻対策でろ過促進のため、水草を増やしました。
藍藻対策には、根張りがよく栄養吸収が早い水草がよいそうなので、他の水槽からトリミングしたロタラなどを数本、追加で植えてみました。
エサを変える
食べ残しの分解を考えて、エサをこちら↓に変えました。
本来稚魚用に買っていたものですが、排せつ物の分解を促す菌が入っているとのことで、水質改善に期待して使用することにしました。
(もったいないからという理由では…決してないですよ…💦)
藍藻の再発防止策
今回、大幅に減らすことに成功した藍藻。
これで一安心!と思いたいところです。
ですがコケ対策は、
コケを解消するには、より良い環境の構築と安定化が大切です。
それには数週間から数カ月を要します。
焦らずに心穏やかに、じっくりのんびりと腰を据えて取り組みます。
「小さな生態系」を構築するとは、そういうことです。
と言われるように、コケ対策は一朝一夕ではなく、根気強く取り組む必要があります。
現にこのボトルには、藍藻の再発を予感させる要素がまだあります。
・底床とボトルのガラス面の間に、まだ藍藻がある
・藍藻繫茂時のアンモニア臭がまだある
・藍藻は、僅かな欠片からでも増えることができる強力な藻類
だからです。
藍藻が再び増えることを防ぐため、引き続き、以下のような対策を行っていきます。
引き続き、定期的な水替えとバクテリア剤添加
底床クリーニングを兼ねた水替えを定期的に行い、富栄養化を防ぐ
硝化バクテリアが優勢な状態を維持するため、バクテリア剤を水替え時に添加する(藍藻はバクテリアの仲間であり、硝化バクテリアが衰退すると藍藻がまた増える可能性がある)
またコケが出てくるようなら、コケ抑制剤も必要に応じて使う
お掃除生体が常にいる環境の維持
エビやスネール(貝)がいる状態を維持し、もし落ちてしまったらこまめな補充を心がける(排泄物の分解や餌の食べ残しの処理など、デトリタスサイクル構築に重要)
水草の状態の確認
水草の生育状態を確認し、トリミングや根張りのよい水草の移植など、根から余剰養分を吸収できる環境を整え、維持していく(ロタラやクリプトコリネ、バリスネリアなどがいいそうです)
適切な光量を維持する(光は不足すると水草が育たず、多すぎると水草の生長を阻害しコケ繁茂の原因となる)
おわりに
今回は、藍藻が発生し、対策に「遮光」を中心に藍藻を減らすやり方を実践してみました。
ボトルアクアリウムに発生した藍藻で悩んでいる方がもしいらっしゃったら、私の経験をもとにいろいろと試してみてほしいと思います。
それでは、よきボトルアクアリウムライフを!!!
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