最終回よ…頼む…まだ逝くな…
『破壊神マグちゃん』が遂に最終回を迎えました。毎週癒されたり笑ったりちょっと感動したり。今まで本当にお疲れ様でした。
という前置きを書きましたが、実は終わったことがとてもつらく感じています。
突然ですが皆さんは、最終回が好きな漫画は思い浮かびますか?
1番最後だからこそ、最終回がどういう話だったかは覚えている作品は多いです。しかし「最終回が他の神回と並ぶほどのものは…」となると、流石にそこまで思い入れのある作品は出てきません。
※ここからは『破壊神マグちゃん』の最終回についてネタバレ込みで書きますのでご注意ください。
まず、今後『破壊神マグちゃん』を語る上で名シーン・神回を挙げる際は最終回は外せないと言っておきましょう。
時間は流れ、高校生になった流々たちの自転車登校。最終回としては鉄板の時間経過した切り出しですね。ですが相変わらずマグちゃんには感性や情緒はありません。
ダイジェスト形式で流れゆく日常。高校生活やナプタークの夢の成就、やがて流々が大人になり、おばあちゃんに。
ところで、数ヶ月前の回でマグちゃんを笑わせようとした話は覚えていますか?この話で夕陽が綺麗と言った流々に、マグちゃんは「日没は何度も見てるだろう。そのくらいで幸せなら笑うことに価値はない」と言っていました。
そのマグちゃんが最終回で、おばあちゃんになって寝たきりで入院している流々にこう言ったのです。
「今日の空は見事な夕焼けだった。今夜の星空も綺麗に輝いているぞ」
あのマグちゃんが、なんと、景色を褒めたのです。時間経過の中で、何がマグちゃんに感情を与えるきっかけになったかはわかりません。
しかし動けなくなった流々ちゃんのために、外の話を情緒のある言葉を交えて伝える邪神の優しさが垣間見えたように感じました。
そしていよいよ命尽きてしまったとき、「まだ逝くな…」と最高位の邪神が1人のただの人間に懇願したのです。
邪神の目にも涙。流々ちゃんを失った感情がマグちゃんから流れてきたようでした。僕もこの漫画が終わってしまうことにつらく悲しい気持ちがこみあげてきたのです。
また何度も同じ日常を見たい。そう願い封印されたマグちゃんの気持ちは、今の読者の気持ちでもあったのかもしれません。
読み切ってみれば、この作品ほど最終回を最終回と感じられることはないと思います。
彼らにまた会いたくなったら単行本を買って会いに行こう。