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マツカンフェス物語#43「『中山拓海』の配信と生演奏」
コロナ禍のライブ雑感編その3「『中山拓海』の配信と生演奏」
2020/11/7 SAT、2020/11/15 SUN
管楽器修理のお店「マツカン」は11月28日(日)に横浜・関内で音楽フェスを開催することになった。
この音楽フェスの企画にコロナ禍が大きく影響を与えているのは言うまでもない。
緊急事態宣言やまん延防止の最中はもちろんのこと昨年2020年3月以降“生演奏”がままならなくなり、思うようにそれを見聞きすることが難しくなった。
今年2021年10月以降、急激に感染者数が減って、だいぶ公演が増えてきた。でも、相変わらず、観客はマスク着用、発声禁止。昔通りとはいかない。新しい“生演奏”の楽しみ方を模索している途上とも言える。
この1年半を振り返れば、また、感染者数が増える可能性はある。けれども、感染症対策のノウハウは蓄積され、コロナ禍でのエンターテインメントの新しい楽しみ方は身につきつつあると言える。
「マツカンフェス」には“あたらしいライブの楽しみ方”をみんなで作るきっかけになってほしいという思いもある。
そこで、この章「コロナ禍のライブ雑感編」では、生演奏の意義やその新しい楽しみ方について考えるきっかけになったコロナ禍での松本の個人的エンターテインメント体験をいくつか紹介していきたいと思う。
前回、1回目の緊急事態宣言直前、2020年3月に行った「Joris Posthumus Group」での中江裕気とヨリスポスティムスの共演について書いた。
(以下敬称略)
今回は配信と生演奏についてサックスプレーヤー中山拓海のライブを通して考えたい。
中山拓海はコロナ禍において積極的に配信に取り組んでいた。
2020/11/7(土)神戸でのピアノ加藤友彦とのDUOを配信で鑑賞した。
場所を飛び越えて、ライブを見れることとても有難いことである。
今回1週間ほどアーカイブが残っていたので、時間も飛び越えてくれる。
繊細なピアノにパワフルなサックス。
そのDUOはとても新鮮な響きを持っていた。
はじめて聴く曲もあり、ワクワクする。
配信のおかげで新しい出会いができる。配信ならではの魅力である。
アーカイブを何度も見ているうちに“生”で聴きたいという思いが抑えきれなくなった。
1週間後、彼ら二人にベース、ドラムを加えた中山拓海カルテットの演奏が六本木alfieで行なわれることを知って、僕は仕事をやりくりして、行くことにした。
2020/11/15(日)会場に足を運ぶとベースの人が発熱の為欠席とのこと。
コロナ前であれば、熱を押して渾身のプレイが伝説を作るなんて話もあっただろうが、この世の中になればそうはいかない。
大事を取って休むというのがディファクトスタンダードだ。
しかし、一人欠けるというアクシデントを力に変えてしまうところが中山拓海である。
その夜、アルトサックスだけでなく、ソプラノサックスやフルートに持ち替えて演奏した。
新しいコンボでの新しい試みを目の前で体感できる。
これほどのビビッドな経験はない。
ぐんぐん引き込まれるし、客席もそれにつれて、熱を帯びていく。
同じ時間、同じ場所を共有しているからこその一体感。
それは“生演奏”でしか得られない経験だ。
この1週間で僕は“配信”と“生演奏”それぞれの魅力を「中山拓海」から教わった。
つづく
中山拓海のnote
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