マツカンフェス物語#24「今井柊希と海月と優吾 - 黒い雨」

ミュージシャン・スタッフとのご縁紹介編その４「今井柊希と海月と優吾 - 黒い雨」

2020/12/13 SUN

管楽器修理のお店「マツカン」は11月28日（日）に横浜・関内で音楽フェスを開催することになった。

今回「マツカンフェス」に出演してくださるミュージシャンは4組。
それぞれ不思議な縁で出会った皆さんである。
そのへんのエピソードを交えて順にご紹介したいと思う。
そのトップバッターを飾るのは「今井柊希と海月と優吾」
（以下敬称略）

前回は彼らのオリジナル曲「アイマイボーイ」を紹介した。

一年前の春2020年3月、ボーカル/ギターの今井柊希は就職の為上京。
そして4月、キーボードの乙竹優吾、ドラムの山本海月は高校3年となり、本格的な受験シーズンに突入。
コロナ禍で延期となった「今井柊希と海月と優吾」の 『グッバイ岡山』ライブを夏休みに振替公演することを目指すもコロナが収束せず、公演叶わず。
しかし、2021/3/21（日）にやっと振替公演することがその冬決定。

宣伝を兼ねて2020/12/13（日）今井柊希は岡山に戻り、“しろちかパフォーマースクエア”という色々なバンドが参加できる屋外ライブに出演することになった。

すでに進学先が決まった優吾は参加できるが、ドラムの海月は受験勉強の真っ最中の為、欠席。
そこでとった彼らの手法は“アコースティックライブ”というフォーマットだった。

前半2曲はギターとキーボードだけ。
後半2曲後輩バンド「僕たちに時間をください」のギター双田大智（そうだだいち）とベースの木下陽斗（きのしたはると）にサポートに入ってもらう。

基本選曲はバラードなどの静かめな曲中心となった。

しかし、当日の曇り空の下、冬の底冷えする光景にぴったりだった。
そして、元高校生バンドとは思えない大人びた歌詞とサウンド。
20代の若者の切々とした感情が溢れていた。

かじかんだ手をコートに突っ込み、吐く息が白い寒い冬の日、
でも、どうにもならない熱い気持ちが心の中をぐるぐると廻っていたあの頃を思い出させてくれる。
（恥ずかしい自分の過去をさらしますが、、、）

1．クリスマスマジック

2．メッセージ

3．冬の空

4．黒い雨

この日披露された4曲はどれも好きだった。

最後の「黒い雨」は圧巻だった！
双田大智の軽快なカッティングギターからはじまり、そこへ優吾の情熱的でソウルフルなエレピが重なり、木下陽斗の腰の重いベースがリズムを刻む。
重いテーマを切ないボーカルとパッションあふれるサウンドで聴かせてくれる。
途中のギター、ベース、キーボードのソロ回しがカッコいい。
そのままエンディングを歌い上げて、この日のライブを終える。

言葉では表現できない気持ちがそこに残った。その気持ちは一体何なのか？それを追い求めて今も僕は「今井柊希と海月と優吾」を聴く。

でも、このアコースティックライブを見て、別のことが分かった気がした。

それは「今井柊希と海月と優吾」とは今井柊希が紡ぐ歌詞とメロディーをいかに表現していくかをメンバー一同でつくり上げていくシステムであるということ。
決して、今井柊希とそのバックバンドではない。
あくまでも今井柊希の歌詞とメロディーはきっかけであり、そこを起点に柊希と海月と優吾が今の時代の感覚であったり、若者の感情だったりを“歌”にまとめていくものなのだと。
一旦出来上がったアレンジは3人でプレイするためのものだ。
しかしそれを元にあらたに違うプレーヤーによって解釈しなおす余地がある。
だから、仮に今回みたいにドラムの海月が欠けていても「今井柊希と海月と優吾」は成立するのだと。

彼らの曲を聴いていると“今”をひしひしと感じられる。
そして音楽のアレンジ、セッションというものは一体何なのかということを今一度考えさせてくれる。

だから僕は彼らが好きなのかもしれない。

つづく

※彼らの出演は 2:07:11 から。YouTube本編コメント欄にタイムスタンプあります！

しろちかパフォーマーズスクエア 2020/12/13（日）
当日のメンバーとパート

「今井柊希と海月と優吾」
g. vo. 今井柊希（いまいしゅうき）
key. 乙竹優吾（おとたけゆうご）
※dr. 山本海月（やまもとみづき）は受験の為欠席

「僕たちに時間をください」
b. 木下陽斗（きのしたはると）
g. 双田大智（そうだだいち）
※今回アコースティックライブの為dr. 布野泰地（ふのたいち）は欠席

※11/12（金）付け、「今井柊希と海月と優吾」は諸事情によりマツカンフェス出演キャンセルとなりました。
　しかし、記録としてこの投稿は残しておきます。

いつの日かマツカン主催「今井柊希と海月と優吾」ライブができますように…