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ナラティブの実現ってどんな感じ?

ヤンデル先生

なるほどなあ……と思いながら拝読しました。先生の問いの答えを、事例をもとにお答えします。

本日のキーワードは「ナラティブの語り部」

今一度、先生のご提案を振り返りますね。

1.「不安を受け止めて欲しい人たちがまずはbotに話しかける。○○病ってやばいの? どこかいい病院ある? この症状ほっといたらまずい?」

2.「質問に対応する基礎知識を提示。このとき、(A)の記事を活用したらよいのでは?」

3.「ひとつの質問を出したユーザーが、『ほかにどういうことに困りそう』かを、人員を割いて監修する。関連する質問がどういった順番で発生するのかを考慮して、関連Q&Aを「医療の時系列順」に並べて表示する」
―― ぼくドラえもん辞書です Shin Ichihara/Dr. Yandel より

結果から言うと、先生のおっしゃるとおり、「ナラティブの語り部」となる視点をもち、クリエイティブを担う編集部をもつことで実現できると思います。

それ、実際にやりました

前職で私が運営していたWebサイトのうち、介護業界に関わる雑誌の公式サイトがありました。それぞれ総合介護誌、訪問介護誌で、介護に関する包括的な情報を発信していました。それぞれ適切なサイズ感で成立していましたが、ニッチなジャンルであることもあり、いかんせん集客数が小さい。

いっそひとつにまとめて、あらゆるジャンルの介護ユーザーを集客できないか考えました。

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そこで、当時流行っていたキュレーションサイトを作り、できる限りの介護情報を集めて掲載しました。自社の各介護誌記事のほか、外部の新聞社や他出版社のWebメディアにある介護記事を契約に基づいた形で転載。

冒頭で紹介した先生の1~3をまさに実現した形です。専門家が目を通した介護記事を集めただけのサイトです。

▼全体図はこんな感じでした

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目論見は当たりまして、自社サイトだけでは獲得できなかった介護系の新規ユーザーを継続的に集めることができ、自社介護媒体への誘導を行い、集客し、利益を出せました。

しかし盲点がひとつありまして……運営しているうちに私自身が猛烈に飽きちゃったんですよね。便利さや有益性は高くても、サイトに愛着が全く持てませんでした。

記事を作らないサイトの運営は、外部サイトとの契約やコンタクト、事実確認に膨大な作業が発生しますので、運営のための運営だけがひたすら続くんです。

ナラティブな語り部を実現するには

飽きた私が考えたのは、先生の言うところのナラティブな語り部に自分がなることでした。運営していたキュレーションサイトはオリジナル記事を持ちませんでしたので、編集体制は当然ナシ。なので、私が編集者として記事を作ろうかなと。

介護も医療同様間違いがあってはならない分野ですので、当然専門家の監修が必要です。検討の結果、時間的にもリソース的にも実現が難しいことがわかりましたので、“ナラティブ”は諦めました。

ここで改めて先生の提案を振り返り、上記の実体験をもとにどのくらいリソースが必要かを改めて考えてみます。

③がキモです。
知識と知識を連結する部分に、新たにプロを投下する。
ふと思ったんですけれど、患者側の事情、実際の現場における「質問の発生順序」については、必ずしも医師が詳しいというわけではないです。看護師とかソーシャルワーカー、そして患者(会)のほうが詳しいこともある。
あとは……マスメディア的な才能の人を入れたほうがいいのかも。
―― ぼくドラえもん辞書です Shin Ichihara/Dr. Yandel より

先日ふわっとご提案した下図「ヤンデルシステム」(以下、ヤンシス)は、悩みのある方がbotに話しかけて、その人に合う医師を教えてくれるというbotの仕組みでした。

201127_ヤンシス構成案

先生の言うところのこちら、

知識と知識を連結する部分に、新たにプロを投下する。

プロを投下し、必要な機能を備えた「編集部」を中心に、ざっくりした仕組みを考えてみました。末恐ろしいです、これ(笑)。

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これまでの流れではユーザーに関するDBや無料・有料の枠は言及していませんが、もはや職業病のようなもので、お金が入ってくる仕組みも少し考えておかないと不安になるので加えました。これまでの条件を前提に仕組みとして入れるならこれかな、という雑な判断です。

ううむ……これ、構築と運営に膨大なお金かかりますね。初期構築費が億の手前か億越え、運用費は年単位で数千万レベルでかかりそうな気がします。内容によるので何とも言えませんが。「iOSとAndroidのアプリも欲しい」というご要望は、利益が出てからのご検討でお願いしたいです(笑)。

お金のことは横に置いておいて……いかがでしょうか。先生のイメージと合いそうですか? 


(2020.12.30 まてぃさん→ヤンデル先生)

写真/渡邉真弓

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