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0 から 1 を生み出す、は嘘だった。
以前、友人の画家から、こんな言葉をもらったことがある。
「ゼロからイチを作るのがアーティストだ、と言われることがあるけど、違うと思うんだ。」
「アーティストとは、ゼロを発見できる人のことなんだよ。」
あれから、1年半以上が経過した。年始早々、関わっているプロジェクトで大きな山を超え、疲れ果てていた時、ふと思いついたことがあった。
それは、
0 から 1 を生み出すは、間違ってる。
そもそも、0 は 0 じゃない。
0 は ∞(無限大)そのもの。
0 から 1 を生み出しているのは、
0 は 0 ではないことを知っていて、
0 の奥にある ∞ を見ることのできる人。
という気付きだった。
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考えてみれば、僕が知る創造的な営みをしている人は、0 から 1 を創っているみたいな感覚を持っていない。みな、アイディアは無限にあると思っているし、ただ現実化する時に色々と制約があるからできることは限られるよね、という感覚に近い。
また、そういう人って、メタファーやアナロジーを介して、世界を構造的、直感的に見ていることも多い。だから、文字通り、0 から発想していない。よくイノベーションは、「これまで組み合わせたことのない要素を組み合わせる、新結合だ」と説明されることもあるけど、それもそういうことなのかもしれない。
そもそも、0 (文字通りの、"無")なんてものは、この世界に存在しないのだろうと思う。宇宙は、「0(無)」から始まったと言われるが、エネルギーは存在していた。つまり、宇宙の始まりから、「0」 なんてものは存在しない。ただ、僕たちから、見えないし、感じれないだけだ。
人間が認識できないと、それは「0」であると認知される。有名な話だが、真空一つとっても、そこには空間と時間が存在し、更にその奥には、粒子と反粒子が常に生成と消滅を繰り返している。まったくもって、真空も 「0」 ではない。
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一番はじめの、友人の画家の言葉に戻る。
「ゼロからイチを作るのがアーティストだ、と言われることがあるけど、違うと思うんだ。」「アーティストとは、ゼロを発見できる人のことなんだよ。」
「0」を発見できるとは、「0」の奥にある「∞」を見ることのできる人なのだろう。
繰り返しになるが、「0」から「1」を生み出しているなんてのはまったくの嘘で、無から有を生み出しているのではなく、見える世界における無(ゼロ)の背後に、無限に見えない世界があり、そこから、見える世界に、何らかの形として現実に現れてくる(ようにみえる)。
それが、「0」から「1」を創っている、と外から見える世界で、実は起きていることなのかもしれない。
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「芸術家として生きる」と決めてからの日々
芸術のげの字も知らなかった素人が、芸術家として生きることを決めてから過ごす日々。詩を書いたり、創作プロセスについての気付きを書いたり、生々…
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