人生が変わる、「はじめての個展」のすすめ。
僕の周りには、ここ数年、「はじめての個展」を開催する人がたくさんいる。もともと "アーティスト" と呼ばれていなかった人たちだ。
実際にそういう人が増えているのか、僕自身がそういう人と触れる機会が増えているだけかは分からない。けれど、絵を描き始めたり、生け花を始めたり、何らかの表現活動を始めた人は増えている気がする。
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一昨日、画家の川崎未結さんの個展に参加してきた。未結さんは、戦略デザインファーム時代に一緒に働いた経験もあり、その後、アート制作を一緒にやったこともあった。
そんな彼女の、「はじめての個展」。
「絵」の展示だったのだけど、僕はその中にあった、2つの「詩」に心惹かれた。ちょっと嫉妬してしまうくらい、素晴らしい詩だった。嫉妬と書いたのは、ここ最近、僕が詩をかけなくなっているからだ。
意味や価値といったものから離れ、ただ生まれてくるものを表現した最初の個展。しかしその後、変にその世界のことを知ると、洗練されているものを出したくなるし、評価されたり、喜ばれるものを出したくなってしまう。
多くの作家にとって、初めての作品とは、とても特別なものなのではないだろうか。何も知らない時に作ったものは、もう作れない。残念ながら。
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僕は、スマイルズの遠山正道さんに、とても強い影響を受けている。妻がこの会社で働いていて、妻が持っていた遠山さんの本をふと手にとったことがきっかけだった(恐らくこの本)。
元々スマイルズのファンだったのだけど、この本には、33才で個展を開催したこと。個展を終えて、成功することを決めたこと。その後に、soup stock tokyo のビジョンが出てきたことが書いてあった。
なぜか分からないけれど、当時30才位だった僕は、この本を見て、「個展をしなきゃ。」と思い込んだ。そうして、実際に、32才に個展を開催した。その後、< kodou > という芸術表現に出会い、試行錯誤を経て、現代芸術家を名乗り、営みも会社化し、有り難いことに、お仕事も頂けるようになってきた。
遠山さんにとってそうであったように、僕の人生も、「はじめての個展」で変わった(僕はチーム創作なので、厳密な意味で個展ではないけど、本質的に一緒)。
そうして、川崎未結さんが、画家として、「はじめての個展」を開催された。ひとつだけいえるのは、彼女の人生がここから変わること。それは、純粋な「画家」として歩む道なのかはわからない。
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「はじめての個展」を通して、それまで閉じていたトビラが開くのだと思う。そのトビラは成長の過程で閉じてしまうものだ。自分から湧き出してくるものを、そのまま世界に晒す行為とも言える。普通に考えると、「そんなの怖い」と思ってしまう行為だ。私たちは、いつのまにかにどう受け取られるか、どう評価されるかといった、他者の目線に、自分の人生が乗っ取られてしまう。
そのトビラが開くと、新しい風が吹き、新しい景色が見え、そのトビラの外の世界を歩くことが出来るようになる。その後は、同じ世界でも、違って見えるようになる。
そうして、アートであろうと、ビジネスであろうと、すべてのものに自然と作家性が宿るようになる。「はじめての個展」を通して、内発的な何かを表現することで、人生の幅が広がる。
人に必要とされることをするという軸に加えて、内発的なものを純粋に表現するという軸。その2つの軸が、一つの人間の中に共存することで、結果的に、中庸のバランスに落ち着く。人のためであり、内発的な表現でもあるものになる。
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一番最初の主張に戻るけれど、僕はやっぱり、誰もが、「はじめての個展」を開催出来るようになったらいいなと思う。きっと、世界が変わって見えるから。
そう、「はじめての個展」のすすめ。それをみんなにいいたくなった。そんな、川崎結未さんの個展だった。
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「芸術家として生きる」と決めてからの日々
芸術のげの字も知らなかった素人が、芸術家として生きることを決めてから過ごす日々。詩を書いたり、創作プロセスについての気付きを書いたり、生々…
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