ハルモニアが描く「知識創造型」組織図
ハルモニアは、ホテル業界から始まり、モビリティ、IT・SaaSベンチャー、そして、小売業界へと、プライシング変革をコンサルティングとソフトウェアによって支援する事業を拡げています。
クライアントは各業界のフロントランナー、大手かつ新しい戦略へのアンテナの高い企業が中心となり、ひとつひとつのプロジェクトに深く入り込み、変革の成功へと伴走する形を取っています。
売上比率も、以前はSaaSとしてのMRRがすべてでしたが、現在ではプロジェクト型(コンサルティングおよびセットアップ開発)の売上がそれを上回るようになりました。
プライシング、または価格決定力と言われるテーマは、日本企業や経済に通底する課題として認識されており、ビジネス専門誌や企業経営者からの注目が高まっています。
ホワイトペーパー:なぜ「日本は安い」のか 価格決定力向上のための調査レポート
(ハルモニアがご取材に協力させていただいたNHKビジネス特集)
組織図の再設計、知識創造モデルへ
この2年間、決して順風とは言えない環境の中、経営者として自社のサービスの意義、そして本質的なUnique Value Proposition(独自の価値、優位性)は何かと考え続けてきました。
プライシングという軸足は決してぶらさない上でも大転換と言えるほどのピボット(SaaSからファームへ。VerticalからHorizontalへ。)を経験し、素晴らしいクライアント・パートナー企業の方々との協業から学ばせていただくことで、ハルモニアのチームと強みは練磨されてきました。
今、ハルモニアには企業が新しいプライシングに挑む際のKey Success Factorとなる「知識」が蓄積されています。そして、ひとつひとつのプロジェクトから、また新たな「知識」が生まれ、積み重ねられています。
(ロスを極小化するための)ダイナミックプライシングや、(大量のSKUの価格を調整する)プライスマネジメントを進めるとき、プロジェクトにはいくつもの壁が現れます。
・戦略の壁:ロジカルな戦略に落とし込めない
・システムの壁:システム要件が個別性が高くて大掛かり
・組織の壁:経験のある人材が足りない
・体験設計の壁:顧客の反応が心配で踏み出せない
これらを越えるための知識が、ハルモニアにはあります。
業界の慣習やサイロ化した部門を越えて、新たなプライシング戦略をどのように構築し、合意形成を行うか。暗黙知的に行われてきたプライシングをどのようにプログラム可能なロジックに落とし込むか。そして、そのロジックを自動実行するための最善のシステムアーキテクチャはどうあるべきか。
新たな戦略はどのような組織で実行、改善を回すべきか。適した人材の要件は何か、どうすればプライシングのための能力や知識を会得できるのか。業界で先行事例の少ないプライシングのあり方に取り組む場合(ほとんどのプロジェクトで該当)、どのような顧客体験に設計すれば好意的に受容されるのか。どのように取り組みを発表、コミュニケーションするべきか。旧来の方法に最適化されている社内のマインドセットをどのようにアップデートすればよいのか。
「知識」をキーワードとして手にとったのが、”SECIモデル”として知られる野中郁次郎さんの『知識創造企業』という書籍。加えて、その知識創造プロセスを、顧客との共創を行うプロフェッショナルサービスに置き換えた、高橋千枝子さんの『プロフェッショナルサービスのビジネスモデル』という書籍でした。
これらのコンセプトにヒントを得て、ハルモニアの組織図を描きなおしました。単純に表すと、次のような変化です。
一般的なSaaSビジネスの組織図は、顧客を「案件」として扱い、ファネルの後ろ後ろへと進めていく、直線的なモデルで描かれます。
ハルモニアが設定した”知識創造型組織図”は、自社と顧客をパートナーとして見立て、共に知識創造のループを回していく、環状のモデルで描かれます。ハルモニアの場合は「プライシングのための知識」が協業を重ねるごとに蓄積され、プロダクトやプラクティスの形で顧客への提供価値を高めていくという構造です。
サービス提供のチェーンとは一線を画した”バックオフィス”として置かれがちだったコーポレートチームにおいても、知識の蓄積と、新たな知識(人材)の採用を役割と定義することでひとつなぎのループとして捉えられています。
それぞれの役割と体制
各チームの役割定義は次の通りです。
Product & Practice:経験とデータから形式知をつくる
プロダクトの開発、保守。新しい価格戦略やフレームワークの構築を担う。
必要メンバー = Engineer、Designer、Product Manager、Consultant、Industry Specialistなど
Customer Development:新しいパートナー、顧客と対話し、共創プランを合意する
PR、ブランディング、マーケティング等を選択的に行って機会を作り、新しい顧客と取組内容と費用・効果について合意する。
必要メンバー = BizDev、PR、Marketing、Salesなど
Install:知識を顧客に移転する
企業への導入プロジェクトを担う。プライシング戦略決定のコンサルティングや、プロダクトのセットアップ、ローンチを行う。
必要メンバー = Engineer、Designer、Project Manager、Consultant、Data Analystなど
Customer Success:顧客と新しい暗黙知をつくる
プロダクト導入済み顧客の運用、改善支援。顧客とPDCAに取り組むことで得られる新たな発見を持ち帰る。
必要メンバー = Customer Success Manager、Data Analystなど
Corporate:知識を集約する、強化する
ナレッジベースの管理。人材採用、組織開発、学習サイクルの加速を促す。 メンバー = HR、Finance、Community Managerなど
少数精鋭の、それぞれの責任者を募集
モデルは見えてきましたが、それぞれに必要なメンバーは全然足りていません!
ハルモニアは今後も少数精鋭を志向しながら、各ポジションについて積極的な採用を行っていきます。特に、上に書いたようなピボットもあり、新しいモデルにおける責任者ポジション、ハルモニアにおけるパートナークラスのメンバーの採用を優先しています。
創業メンバーの一員となるマインドで、私たちと共にこのビジネスを大きくGrowthさせ、ミッションである「ビジネスのすべてをダイナミックにし、地球のサステナビリティを向上させる」の実現させることに興味のある方とお会いできることを楽しみにしています。
現在のオープンポジションのリンクはこちらです。いきなりエントリー、がハードルに感じる方も各種SNS、Meetyなどでお気軽に声をかけてもらえればと思います。今すぐ転職や副業、に縛られずに将来の可能性についてディスカッションしましょう。