【今週のアメリカ大学野球】クマー・ロッカー完投勝利/ノートルダム大9点差を大逆転【10週目】

 こんにちは、あまなつ(@MattDavidson91)です。
2/19に開幕したアメリカ大学野球(NCAA1部)も、10週目が終了し、レギュラーシーズン終了まであと1ヶ月弱となりました。
当面は、レギュラーシーズン終了まで、毎週アメリカ大学野球の注目トピックを4-5つ紹介していきます。

1.クマー・ロッカー強豪ミシシッピ州立大戦で完投&9勝目

 4/16のテネシー大戦で、安定して93-96mph、MAX97mphを記録し、7回 被安打2 与四球1 奪三振8 失点0の快投で、見事復活を果たしたクマー・ロッカー(バンダービルト大3年、右投手)が、今週も素晴らしいピッチングを見せました。
 4/23に対戦相手ミシシッピ州立大は、今季28勝8敗・全米23位の平均得点7.3点の強豪校。
初回先頭打者に二塁打を打たれ、内野ゴロの間に1点を失いましたがその後は安定した投球を続け、3回にはセンターのエンリケ・ブラッドフィールド(1年)のスーパープレーも飛び出しました。

 そして、4回には3安打で一挙4点を奪い、逆転し8回にも2点を追加。
ロッカーは、コンスタントに90mph半ばを記録しながら8回まで96球と省エネピッチングで、9回もマウンドに上がりました。
2アウトからサードのエラーにより出塁を許し、タイムリーを打たれ1点を失いましたが、見事キャリア2度目の完投。
9回 被安打3 与四球0 奪三振8 失点2 自責点1と完璧なピッチングで、9勝目を挙げました。

 その一方で、翌日登板したジャック・ライター(2年)は、この日も2HRを浴び、5回 被安打6 与四球3 奪三振8 失点4と本調子には程遠く、大学入学後初黒星を喫しました。

 先日MLB公式ドラフトランキングが更新され、ライターが1位、ロッカーが3位と順位が入れ替わりましたが、今後再び立場が変わる可能性もありそうです。

●クマー・ロッカー

ロッカー

●ジャック・ライター

ライター

2.ノートルダム大の大逆転劇

  現在激戦区ACCのアトランテイック地区2位・Baseball Americaの大学ランキング6位と快進撃を続けるノートルダム大(18勝7敗)は、10週目はボストンカレッジ(15勝19敗)と対戦しました。
しかし、1試合目は、先発のウィル・マーサーが4回7失点と打ち込まれ、打線も散発5安打で、0-10とまさかの完封負け。
2戦目は2回までに3得点を挙げ、その後1点差に詰め寄られるものの、9回に主砲ニコ・カバダス(4年、ファースト)14号HRを放ち、5-2で勝利しました。

 3戦目は、初回に先制を許すと、5回まで9失点。
7回になんとか1点を返しましたが、敗色濃厚でした。
しかし、ニコ・カバダスの15号ソロHRで1点を返すと、なんと打者17人の猛攻で、この回12得点(!?)。
その後2回は継投で0に抑え、13-9で逃げ切りました。
 今週もアトランティック地区2位、Baseball americaの大学ランキング全米6位を死守しました。

 長所は全米45位のチーム防御率3.97の投手力で、絶対的なエースはいないものの、細かな継投でつなぐスタイル。
打線は、全米2位の15HRを放っている3番ニコ・カバダスが牽引しており、2番の4年生ライアン・コール4番の3年生カーター・プッツも打率.310以上を記録しています。
6月から始まるポストシーズン進出はほぼ確実で、2002年以来の3度目のCWS出場も狙える戦力です。

●ニコ・カバダス

カバダス

3.ミシシッピ大も大逆転

 9週目にミシシッピ州立大との伝統の一戦では1勝2敗と負け越したミシシッピ大(27勝10敗)は、今週ホームでルイジアナ州立大(22勝14敗)と対戦しました。
 1戦目は、右腕の張りを訴えたエースのガンナー・ホグランド(3年/MLB公式ドラフトランキング10位)の代わりに登板したデレク・ダイアモンドが、6回3失点と力投するも、4-5で敗戦。
2戦目は左のエースで先週1安打完封を記録したダグ・ニカイジー(3年/MLB公式ドラフトランキング100位)がこの日も6回 被安打7 与四球3 奪三振11 失点2と好投したものの、リリーフが打ち込まれ2-7で敗戦。
3戦目も5回まで9点を奪われる展開で、8回表終了時点で1-9と劣勢でた。
しかし、8回裏に打者10人の猛攻で、一挙8点を奪い同点に。
9回裏にはケンプ・アルダーマン(1年生、外野)が初球を叩き、ライトへサヨナラHRを記録(大学初HR)。
ミシシッピファンたちが集うライト席は大騒ぎで、HRを打ったアルダーマンも、チームメイトからユニフォームを脱がされる手荒い祝福を受けました。

 ミシシッピ大は現在28勝12敗・西地区3位で、Baseball Americaの大学ランキング17位。
全米17位のチーム打率.301&1試合平均7.7得点&55位のチーム防御率4.06と、投打ともにハイレベルで3年連続ポストシーズン進出は確実。
2014年以来6度目のカレッジワールドシリーズ進出も十分狙える位置にいます。

4.マシュー・ネルソンのHR量産

マシュー・ネルソン(フロリダ州立大2年、捕手)が、HRを量産しています。
ネルソンは開幕前はあまり注目度は高くない存在でしたが、日程上ACCの強豪校との対戦が多い中で、開幕からHRを量産。
8週目に7安打 3HR 11打点全米屈指の強豪ルイビル大戦でも2HR 6打点を記録すると、9週目にもHRを放ち全米1位に。
今週のジョージア工科大3連戦では、なんと3試合連続HRを記録し、2位の選手に3本差を付け、打点53も全米1位となりました。

●16号HR

●17号HR

●18号HR

 その活躍が認められ、先日更新されたMLB公式ドラフトランキングでは147位にランクイン。
フロリダ州立大は、チーム防御率は全米14位の3.36と盤石ですが、チーム打率は245位の打率.241平均得点は全米70位の6.6点
43年連続40勝以上達成には、彼の打棒に掛かっていると言っても過言ではありません。
なお、守備面は今季盗塁阻止率.459(24-11)と強肩ですが、33試合でパスボール8個と、キャッチング技術に難があり、捕手に残れるかは微妙です。

ネルソン

5.10週目終了時点のMLB公式2021年ドラフトプロスペクトランキング投手・野手成績

今週から100位→150位に拡張されました。

●投手

10週目投手

●野手

10週目野手

7.その他印象に残った出来事

●全米20位の1300勝を達成した名将ダニー・ホール氏(ジョージア工科大)のインタビューに突然乱入し祝福する選手たち

微笑ましい光景ですね。

●ローガン・タナー(ミシシッピ州立大2年、捕手)の華麗なバットフリップ

ミシシッピ州立大の選手はバットフリップが格好良い選手が多い気印象です。

●ロバート・ムーア(アーカンソー大2年、セカンド/ショート)の華麗なバットフリップ

ドロップ型のバットフリップもいいですね。

●ケンタッキー大SEC大同士1試合最多の7HR

現在全米26位の47HRを記録しています。(1位はアーカンソー大の74HR)


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