【2018年】お母さんの学びメモ「第9回 授業深掘りセミナー」
2018年2月17日(土) 春日井EDUCOM
授業者: 伊藤 彰敏先生、玉置 崇先生
**********
若手教師の授業力アップに役立つように、というコンセプトの当セミナーも第9回となった。
毎回、授業名人の先生方の模擬授業を参観でき、さらにその授業を深掘りするディスカッションで、いくつもの視点を得ることができるセミナーだった。
惜しまれつつも、当セミナーは今回で一区切りとなる。だが、またバージョンアップした勉強会が立ち上がるそうなので、今後も楽しみだ。
今日のお二人の模擬授業は、「見方・考え方」にフォーカスした授業だった。
伊藤先生の国語では、教科書の文章から根拠を示すことを丁寧にされていたし、学習用語もしっかり押さえられていた。
教科書でポイントをしっかり押さえた後に、新たな教材を示して、今学んだポイント(見方)をさらに発展させる内容につなげた。
伊藤先生がつけたいと思っている力は、「読解力」なのだろう。
文章から、写真資料から、そこにある意図を読み取らせたいという思いを持っておられるのだろうと感じた。
それを日常生活の中で使えるようになってほしい、という思いも感じた。
玉置先生の算数は、数を使った授業だった。
子ども役のつぶやきを拾うのはもちろんだが、それをとても効果的に発問に使って、授業を展開していくのは、さすがの玉置流だ。
なんともニクイな~と感じたのは、若手を意識してのことだと思うが、子どものつぶやきや子ども同士の関わり方に対して、学級経営につなげる価値づけをたくさん行っていたことだ。
以前、角田明先生から「授業で生徒指導をする」という話をお聞きしたことがあるが、一日の大半が授業なのだから、そこでも学級経営するということを意識するといいんだな、ということが玉置先生の授業を参観して「こういうことなんだな」と納得できた。
玉置先生がここでつけたいと思っていた力は、四則計算のことでも正しい解答ができることでもない。数の概念や、数学的な思考の過程を経験させることだったのだろうと思う。
一見すると「わからない子」を引き上げることに主眼を置いているように見えるのだが、実は「わかる子」をもさらにもう一段引き上げるようにも機能している授業だと気づき、プロの授業の奥深さに感嘆した。
授業力アップには「良い授業をたくさん見ることが大切だ」と私は考えている。
ほとんどの先生は、自分がそれまで受けてきた授業しか知らない。経験していないことはわからなくても仕方のないことだろう。
そして、リソースとして持っている授業観が、残念ながらおそまつなものだったとしても、それをバージョンアップさせる手段は、校内の授業研究会くらいしかないのが現状なのではないか。
今日のようなプロの授業をたくさん見てほしいという思いはあるが、それが難しければ、もっと日常的に同僚と授業を見合う環境ができるとよいなと思う。
授業力と一言で言っても、そこには深い教材理解も必要だし、子どもの個別の学びへの対応も必要だし、なにより先生自身が「見方・考え方」を持つことが必要だと思う。
職員室の中で、気軽に、日常的に、授業について語り合う先生方の姿が見られるといいなと願っている。