【2017年】お母さんの学びメモ「H29年度 第1回教師力アップセミナー」(2)
H29年度 第1回教師力アップセミナー
2017年5月20日(土) 大口中学校
こんな時どう言い返す? ~指導の優位性を保つための切り返しを考える~
講師: 池田 修 先生
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●「間」
「距離感」が相手との物理的な距離だったり、心の距離だったりするのに対して、「時間」の距離が「間」なんだと思う。
池田先生は「間」がすごく大事、とおっしゃった。
子どもから何か言われたときに、たった5秒の間をあけてしまうことは、子どもに「勝った」「認められた」と思わせてしまう、という指摘をされた。
たしかに思い当たる、という人は多いだろう。
何か要求したり、反論したりしたときに、相手が口ごもっていると、自分が優位に立ったと感じる。
そうならないためには、すぐに反応できなければならない。
「間」を支配できる人はきっと、いつでもいろんなパターンの切り返し(この場合はこう答える、あの場合はああ答える、違う場合はこうするなど)を考えて用意しているのだろう。
ぼけーっと日常を過ごしていては難しいことだ。これにはトレーニングが必要だと思う。
池田先生がトレーニングになるよ、と教えてくださったのは「なぞかけ」。
別に「間」を支配したいわけではないが(笑)、気の利いた受け答えができるといいな~と思うので、なぞかけトレーニングはちょっと挑戦してみようかと思う。
●メモの「上・中・下」
池田先生の大学の講義は、板書は行わず、ほぼしゃべり一本で進められるそうだ。
そして学生に言っているのは「とにかくメモを取りなさい。メモには3種類あって、『上』のメモが取れるようになりなさい。」ということだとお話してくださった。
メモの種類とは
下: 板書を写すだけ
中: 話したことを書く
上: 話したことに加えて、それを聞いて思ったこと、疑問に感じたこと、対する自分の考えなどまで書く
ということらしい。
この分類になるほど!と共感すると同時に、自分ができているか、できていないとすれば何が足りないか、といったことが次々に心に浮かんできた。
池田先生は、偉大な授業名人の有田和正先生の「鉛筆の先から煙が出るくらいのスピードで書きなさい」という言葉を引かれたが、なるほど、ノートの取り方一つとっても道は険しいのだな…精進あるのみだ。
●信じる、心配する
「あなたのことは信じるけど、心配なのよ」
これは池田先生がお母さまから言われた言葉だそうだ。
この言葉を聞いて、思い出したことがある。
3年ほど前に、小牧中で「ゲーム機・スマホを知ろう!~子どもを守るためのしゃべり場~」を開催したときのことだ。
子どもが「スマホやケータイを買ってほしい」と言ったときに、親がどう切り返したらよいだろうか、ということを参加者でグループワークを行い、切り返しをいろいろ考えた。
子どもの要求の中に「お母さんは僕のことを信じてくれないの?」というセリフがあり、それに対する答えとして出てきたものの一つが、まさにこの言葉だった。
子どもが思春期になると、たいがいの家庭でこのやり取りが出てくるだろう。
これはうまい切り返しだな~と会場から拍手が上がった。
何度も使うと効果が薄まるかもしれないが(笑)、親の素直な気持ちの吐露は子どもの心に響くのだなと思った。
子どもの反応にイライラして、キーっとなりそうになったとき、一つ深呼吸をしてゆっくり「あなたのことが心配なのよ」と伝えることで、お互いに少し気持ちが落ち着くのではないかな、と思う。
親子の関係でも「距離感」は大切だ。