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【2018年】お母さんの学びメモ「きれいごと抜きのインクルーシブ教育Ⅱ」

きれいごと抜きのインクルーシブ教育Ⅱ
2018年8月25日(土) 神戸
講師: 多賀一郎先生、南惠介先生、特定非営利活動法人クルーズ
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昨年の夏に開催された「きれいごと抜きのインクルーシブ教育セミナー」の第2弾。

今回も多賀先生、南先生が、学校や学級の現状を語られた。
参加者には教員だけでなく一般の人もいる中で、それぞれの人がそれぞれの立場で考えるべきことが浮かび上がってくるようなセミナーだった。

とくに今回目を引いた企画が、クルーズの皆さんによる「心の輪を広げようプロジェクト」の体験だった。
実際に小学4年生向けに実践されている「福祉教室」の内容をアレンジして披露してくださった。
これを体験してみたいという思いがあり参加したのだが、やはり体験してみることは価値があるなと感じた。

疑似体験の内容は4つ。
・どんな風に見えているの?
・どんな風に聞こえているの?
・どうしてうまくできないの?
・言葉がわからないってどういうこと?

頭ではわかっているつもりでも、体験してみると実感が伴う。
クルーズの皆さんが取り組まれている活動が、全国の学校に広がるといいなと思う。

子どもはもちろん、大人も体験してみるといい。
クルーズの皆さんとお話しして「子どもは思いのほかすんなり受け入れて、柔軟に対応してくれる」とお聞きし、発想が柔らかい子どものころに「いろいろな人がいる」「みんなが心地よくいられるように考えて工夫する」といった経験を積んでいってくれれば、柔らかい地域や柔らかい社会になるのではないかなぁと思った。

クルーズは、特別支援学校のPTA役員をされていた方が中心になり立ち上げられたそうだ。
私も同じようにPTAの仲間たちと「大人の学び場/人間共育道場」を立ち上げたりとあれこれ動いていることもあり、そこでもとても親近感を持てた。
また新しい視点のヒントをいただけたことに感謝。ありがとうございました。


●壁、偏見


正直に告白すると、私は「障がい者」と聞くと「どうしていいのかわからない」と思考停止してしまう。

何かお手伝いができることがあればやりたいという思いはあるが、「こんなことは迷惑になるのではないか」「そんなことは望んでいないのではないか」「それは単にこちら側の自己満足なのではないか」など、拒否されるかもしれないと感じてしまう戸惑いがいつもある。

たぶん、私は自分で壁を作っているのだろう。それは偏見でもあるのではないかと思う。

そんな自分を情けないと思う気持ちもある。けれども、最近は「それも私」と受け入れようと思っている。

やっぱり、よくわからないものはなんとなく怖いし、近寄らずに見ないふりをして通り過ぎたい。

そんなダメで弱い自分がいる。けれども、それでもいいじゃない、人間だもの(笑)という感じだ。

だから、他の人のことも許そう。みんな、人間だもの(笑)

いきなり壁は壊せないが、少しずつでも低くしていけるといいな、と思う気持ちは忘れずにいたい。


●地域で生きるという視点


多賀先生も、南先生も、そしてクルーズの皆さんも、同じようにおっしゃっていたのは「人は地域で生きる」ということだ。そういう視点を持つことが大切だ、と改めて思った。

障がいの有無に限らず、多くの子どもたちはいずれ地域を担う大人になっていく。

学校は、地域の人たちが顔見知りになれる場所だ、と思う。

子ども同士はもちろんだが、それは大人にとっても言えることなのではないだろうか。

子どもを通じて保護者同士が顔見知りになることは多いが、地域の人と顔見知りになるのは難しい。

学校が、そういう大人を結び付ける役割を持てるのではないだろうか。そんな思いがした。

子どもが卒業すると、学校との縁も切れてしまう。

コミュニティスクール化が進み、学校が地域のハブになるような動きが出てくるといいなと願っている。


●悪気のない善意の押しつけ


「できないからと手を貸してばかりだと『そんなになんでもやってあげちゃうと、自分でできなくなっちゃうよ』って子どもたちが言うんだよね。子どもはよく見ているよ」という話を聞いて考えさせられた。

みんな、いい人なのだ。自分がされたら嫌だなと思うことは他人にしないように気を付けているし、相手のために良かれと思ってやっている。なんとか力になりたいと思ってアドバイスしてくれる。

でも…
それは本当に相手のためなのか?相手が望んでいることなのか?相手がされたら嫌なことと自分のそれは同じなのか?

良かれと思ってやってしまうのは私も同じだ。でも少し立ち止まって考えてみると、それは自分のためなのか相手のためなのか、どれも自信のないことばかりだ。

私は「悪意のない善意の押しつけ」をしているのではないだろうか…そんな思いがわいてくる。

だから何もしない、ということではないけれど、善意を押し付けてしまっているのかもしれない、という想像力は持っていなければと思う。


●当事者意識


セミナーのタイトルになっているとおり「きれいごと抜き」で、講師の先生方はズバズバと厳しいこともお話ししてくださった。

その中で感じたのは、自分の価値観が正しいと信じて疑わない人、時代や環境に合わせて価値観を変えられない人や古い価値観に縛られている人がたくさんいる、ということだった。

自分にもそういう部分があるだろうなと感じて、心にチクチクとトゲが刺さった。

当事者意識を持つことが大切だと思う。

大きな視野で見れば、いろいろなことがつながっている。

自分もその中の一人なんだ、という意識を持てるようになりたい。


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