定年後の就職作戦!はんだ付け検定に挑戦!(2)
はんだ付け検定1級に合格して、定年前3ヶ月。
丁度いいことに、職場近くにハローワークがありました。
時間単位で有給休暇が取れたので、2時間ほどお休みをもらってハローワークに求職者登録に行ってみました。
シニアコーナーに行って求職者登録してもらおうと思ったところ、職員の方が「こちらは60歳以上の方のシニアコーナーになりますが…」と。
若く見られるのかいいことなのか、貫禄が皆無と嘆くべきなのか…。
その後、何度かハローワークのセミナーに行って履歴書や職務経歴書の書き方を教わったりしました。
さて、定年が近くなったので、「はんだ付けの作業の職を探しているのですが…。」
ということで、とりあえず作ってみた履歴書と職務経歴書をハローワークの職員の方に見てもらいながら相談したところ…。
「定年後の就職では、即戦力ということが求められるので、今まで事務職員という経歴では、はんた付け検定1級であってもまず難しいですね。」とのこと!
さすがにはんだ付け検定合格だけではとは思っていたので、第二種電気工事士の免許も取っていて、事務屋でも(いや、事務屋で金勘定をしてるからこそ)経費節減のため自分で職場の設備の修理をしていたことも職務経歴書には書いていたのですが、それも効果はないようで。
では…とはんだ付け検定1級の課題練習で一番よくできた、取っておきの写真を持って行っていたので、こういうことができるのですが、と基盤に細かい部品をたくさんはんだ付けした写真をハローワークの職員の方に見てもらいました。
おお、という反応でしたが、「技術的な話になると私共では対応できないので、ご自身で説明していただいた方が…」
という事で、ハローワークの紹介状があっても、書類選考でまずアウトとなるので、自分で片っ端から直接採用担当者に電話をして、取っ掛かりを付けるしかないということのようでした。
それなら、セールスポイントはたくさんあるぞ!と不思議な自信をもってハローワークの求人検索で「はんだ付け」とあるものを探して電話開始。
さすがに歳のことは聞かれたら最後に答えることにしましたが、そこまでいく前に「はんだ付けはないことはないけど、そこまでの作業は要求しないので、他を…」という返事が何件かあって…。
と、金属関係の測定機器の会社に電話し、採用ご担当の方を…と告げたところ、いきなり社長と思わしき方が出て、「ほう。なるほど…」という事でとりあえず応募書類をメールで送ってくれとのこと。
ハローワークの方のアドバイスのとおり、はんだ付け検定の「作品」がよく分かるように画像ファイルを添付してしまうとメールがすごい容量になるので、写真もプリントして、書類一式をレターパックで送らせてもらうことにしました。
履歴書にはこちらのメールアドレスを書くようになっていたのですが、新年の除夜の鐘が鳴ると同時にメールが来て「一度お会いしたいが、いつがよろしい?」とのこと。
これ、普通じゃないよなぁ、と思いつつ、早速1月の上旬に予約。
行ってみると、そこは大きなビルではないものの、1フロア全部を借り切って、資材室、事務室、測定室、作業室なんかがある。
電話に出た採用担当者とはやはり社長で、御歳80。(そうは見えない!)
社長を先頭に70台、60台、あと、ぐっと若くなって事務の女性とアルバイトから正社員になった理学部出の若者と総勢5人。
何種類かの測定器を受注生産しているけど、機械もそれを制御するソフトウェアもそれぞれ全部一人ひとりが一貫して開発・製造しているという驚くべき会社。
「こんなことをしているんだが」、と「論文」を渡され、「いつから来てくれるかね?」という展開に。
さすがに3月までは公務員を続けていないとそちらが欠員になってしまうので、有給休暇をとって何度か見学ということになりました。
測定機器は接触不良で返ってくることがあるようでしたが、たしかに私が見る限りではこのはんだ付けでは…、というところもあったりしました。
という事で私も公務員退職後、すぐにこの会社に勤めだすことになるのですが、なぜか夏ごろになつて、機器の売れ行きも委託測定も急に減少。
せっかくでしたが、私は見切りを付けて半年で退職。
その会社は技術力はあるので、とある研究機関に吸収合併され、その一部門として残っているようです。
さて、退職はしたものの、年金の繰上げ受給はしたくないので、即、次の職探し。
はんだの仕事探しでは時間がかかりすぎるので、電気工事士の免許を武器に、今度は一転してビルの設備管理の仕事探し。
それだけでは、箔がつかないので、危険物取扱者と勢い余ってボイラー技士の資格試験も1ヶ月で通ってなんとか就職。
とあるビルに派遣されることになり、食いぶちは繋がりました。
こちらの仕事もめちゃくちゃ面白いのですが、現に籍があるので、ネタは内緒です。