#コンピュータ談義 #2CPUソケット浪漫
マルチCPUへの憧れ
マイクロプロセッサー初期の頃のリソース制約は非常に強く、i486 で約百万トランジスタ(正確な記述ではないのだけれど…)を集積してFPUやキャッシュメモリーなどを同一ダイに集積してやっと32Bit CPUとして体裁が整った頃。
90年代では複数のCPUを一つのパッケージに収めるのはまだまだハードルが非常に高い時代であった。
OSやプログラミング技術的にもマルチプロセッサーを有効活用出来る環境も整っているとは言えない時代。
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一応ここでマルチプロセッサと言っているのは、対象型マルチプロセッサの事で、特定の処理を分担させるプロセッサを搭載した非対称型マルチプロセッサというのも存在し、そういったアーキテクチャは割りと早い時期に色々と実装されていたかな…
非対称型とすることで対象型に比べてハードウェアリソースの削減が可能となる事が多いから色々と提唱された。
現在でも内部的に色々な箇所で使われていて、表には現れないけど恩恵を色々と受けているかな。
非対称型マルチプロセッサ 思い出1 - FPU、インテリジェントI/Oプロセッサ
浮動小数点処理を専門に行うFPU も、言ってみれば非対称型マルチプロセッサの実装の一つで、8086 から80368 まではCPUとは別にソケットが用意されていた。
またインテリジェントI/Oプロセッサも広義な非対称マルチプロセッサに含まれると思う。
イーサネットコントローラーやサウンドデバイス、ストレージ(SCSI等)コントローラーなどが思い出される。
ISA ボードの時代、インテル純正のイーサネットカードには80186 が搭載された製品があって、単純なイーサネットチップだけを搭載したカードよりCPUの負荷が減らせて重宝した記憶が残っている。
非対称型マルチプロセッサ 思い出2 - J2
私が新卒で半導体系の会社に入社して最初に配属されたのが8Bit マイクロコントローラーの開発プロジェクト。
このマイクロコントローラーのアーキテクチャが面白くて、8Bit コントローラーコアの周りに1Bit プロセッサを8つ搭載していた。
1Bit プロセッサはボタン押しイベントを監視したり、LED表示制御などの用途を想定していたみたい。
プリンターや複合機では重宝するだろうと、現在でもトップメーカーである某日系大手の会社からの依頼だったらしい。
ただ後で聞いた話では、元々の8Bit コントローラーの処理能力が低かった事から1Bit プロセッサと分散処理させても、遅すぎて結局使い物にならなかったとか…
ペリフェラルには8Bit ADC なども搭載されていて野心的ではあったのだけど。
ADCの精度テストをデジタルテスターで行うという無茶な担当もしていて、色々苦労したのが今では懐かしい。😝
非対称型マルチプロセッサ 思い出3 - Emotion Engine
あと非対称型マルチプロセッサで有名なのはPlayStation 2 に搭載されたEmotion Engine なども面白いアーキテクチャだった。
プログラミングのし易さより、とにかくピーク性能を目指したデザインはゲーム機用ならではと感心したし、よくあんな制約の強い環境で多数の良質なゲームがリリースされたなと感慨深い。
PlayStation2 はグランツーリスモ3で堪能させてもらった。😝
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という訳で、CPUパッケージに複数のコアを実装するのが困難な場合、マルチCPUシステムを実装するにはボード上に複数のCPUソケットを用意するしかなかった。
コンシューマー分野で個人でも購入可能なレベルになったのはPentiumPro 以降だったと思う。
Pentium II からのソケットタイプはPGAパッケージより簡単に脱着可能だったので、かなり憧れた記憶がある。Pentium II の頃はCPUにヒートシンクを付けなくても冷却が何とかなっていたし。
Pentium II (300MHz) システムは会社で購入してもらったのですが、追加のCPU(当時10万円位だったかな…?)は流石に申請理由が思い浮かばなかったので諦めた… orz
この頃はOSもWindowsNT がリリースされていて、マルチCPUを使う下地が揃いつつある時代。
HP Z640
そんな背景があって、ヤフオクをそれとなく覗いていた所、2CPUソケットのHP Z640 が1万円台半ばで落札出来る事を発見。
ついつい1台落札!😝
落札時構成:
HP Z640 Workstation Xeon E5-2640 v3 32GB NVIDIA NVS 510
ストレージ無しのメモリ32GB なので、まあまあ安価だとの判断。
CPUクロックとメモリバスクロックが低めなのが若干気にならないでもないけど、お遊びだから暫くは目を瞑ろう😝
私的カスタム後構成:
HP Z640 Workstation Xeon E5-2640 v3 96GB NVIDIA GeForce1070 240GB SSD 6TB/3TB HDD
ストレージを追加してWindows10pro をインストールした所、あっさりとデジタル認証された。
数の暴力
16コア32スレッド!
CPU・メモリークロック周波数が少し低い事などものともせずに、流石32スレッドの数の暴力でマルチコアの数値が高い!
FFX ベンチマーク
FHD 高品質で快適評価。
時々スローダウンするので、ゲーム用途には向かないかな。
PS5でFF XI デモをFHD でプレーしたけど、表示クオリティーは今更ながら各段の差。
予波
似たキャラの大きな筐体を狭い部屋に2つも置けないないので、サインディーおじさんは売却😝