見出し画像

#コンピュータ談義 #キーボード #アップル・キーボード #ADB編 #退化の歴史 #こだわり

今回は昔話しです。☺️

アップル社のキーボードを歴史的・機能的にみて大ざっぱにADB時代/USB時代/無線キーボード/ノートPCと4つに分類してみました。

一番古いADB時代の思い出を...

あ、ちなみにADB とはApple Desktop Bus の頭文字を取った、コンピュータ・インタフェース(アップル独自)規格の一つです。主にキーボード・マウスの接続に使われていまして、機器をSCSI の様にディジーチェイン(数珠つなぎ)で繋いでゆく規格でした。PS/2 より近代的で、USB よりは汎用性が劣る感じでしょうか。
ADBに接続する周辺機器もサードパーティーより色々と開発されていて、私は周辺機器の電源を連動させる機器を購入して一括(モニタ、外部HDD等々)で電源オン・オフ出来る様にしていました。この頃はADBキーボードから電源を入れるというのがアップルの標準方式でしたので。
現在からみると活線制御機能が無く、抜き差しするには電源を落としてという制約がありましたが、デイジーチェインで繋いでいく方法は当時としてはエレガントに感じました。
(デイジーチェインとハブ方式はそれぞれ一長一短がありますが、結局問題が起きた時に切り分けが面倒なデイジーチェイン方式は廃れて行きました。イーサネットが10Base2 の頃は大変でした...)

ADB紀元前

Maciontosh128K/FatMac

最初のマックキーボードはテンキーはおろか、カーソルキーさえ付いていませんでした。 それだけに見た目だけで言えばとてもクールです。 このキーボードだけは触れたり、現物を見たりした事がありません。

この頃は本体との接続に独自のシリアル・インタフェースを使用していて、他のシステムへの転用等はほぼ無かったように記憶しています。

Macintosh Plus Keyboard

私が最初に購入したマックがPlus ですが、カーソルキーとテンキーが追加され、デザイン的にちょっとださい感じになってしまいました。 でもそのおかげで、実使用上は使い勝手が良く、汎用性を獲得しています。ターミナルエミュレーターでVT100 の代わりに使ってもそれなりに使えました。 パコパコとした独特な打鍵感と、キーボード全体が共鳴する音を奏で、ある意味気持ちの良いキーボードでした。

画像21

Macintosh Plus は職場に持って行き、シリアル線に繋いでダム端代わりに使ったり、Kermit を使ってNetNews で流れてくるマックのフリー(シェアウェア)ソフトをダウンロードしたりして今思うとかなり自由に使っていました。
(Kermit は相互接続性が高かったので重宝しましたが、転送速度が遅いのには閉口していました...)

ADBキーボード前期 - メカニカルスィッチ時代

この頃のキーボードは各キーに独立したスイッチが用いられ、キーの反発にバネが用いられる機構が主流でした。 私的にはこの頃のキーボードが好きです。 個人的な感想ですが、バネって何か気持ちいいですよね。😁

Apple Extended Keyboard (I)

私の初ADBキーボードはMacintosh IIcx と同時に購入したApple Extended Keyboard (I) です。このキーボードは当時職場で使用していたDEC VT220 のキーボードとキー配列が殆ど同じ構成でしたのでApple Keyboard (I) には目もくれずに、こちらのモデルを購入しました。システムとして当時マックの並行輸入会社として有名なステップにて購入し、1セット約百万円したのを覚えています。その中でこのキーボードも3万円前後したと記憶しています。

画像10

筐体全体にパコパコ共振して鳴る独特なキーボードの打ち心地は割と快適で、現在まで売却せずにずっと所有し続けています。

画像11

残念ながらキャプスロック・キーが物理的にロックされる仕様となっていて、キーマッピングを変えてもコントロール・キーとしては使い物にならなくて、ある時期から使用する事が無くなりました。

Apple IIGS Keyboard

私がアップルADBキーボードで最もデザイン性と実用性に優れたと感じるのが、ADBキーボードとして一番最初にApple IIGS 用にリリースされたこのIIGS キーボードなのはアップルらしいと思いました。😀

その後のアップル・キーボード製品はまさに退化一辺倒でした...

画像10

2枚程個人売買で、1枚をヤフオクで落札して程度の良かった2枚を手元に残しています。売却した1枚は、キーの押し心地に少しギシギシといった感覚があって受け入れられませんでした。

キー配列はApple Keyboard I と全く同じですが、その無駄のないミニマルデザインは最高に格好良く、製造原価もきっと高かった事と思います。

キーキャップが独特な形状をしていて、周辺は四角形でタイル状に整然と配置されているように見え、指の当たる部分は微妙に形状を変え(シリンドリカル構造)指当たりが良くなっています。キーキャップの刻印も細めフォントがスタイリッシュで、配置にもしっかり気配りされている事が判ります。

コントロールキーが’A’の隣にあるのは良いですね。

画像11

リターンキーが大きいのと、カーソルキーが横一列は好きではないです...
リターンキー巨大化の余波で、バックスラッシュ'\' キーがスペース横へと追いやられて変則的となっているのは残念です。

画像11

キーの配置も当時から高級キーボードでは一般的だったステップスカルプチャー構造で、側面から見るとゆるやかなカーブを描いています。

画像9

Apple IIGS キーボードには日本と台湾の2種類の原産国があって、一般に日本製の方がキータッチが良いと言われていたみたいです。

私が所有しているIIGS キーボードは2枚とも日本製で、確か売却した1枚は台湾製だったと記憶しています。

画像4

IIGS キーボードを落札したら本体が付いてきました。😊

画像25

Apple Keyboard I

Apple Keyboard I は単純にコレクション目的で中古を購入しました。
思い入れは特にありませんが、今から見るとそれなりにコストをかけて製造されているという感じは受けます。

画像23

Made in USA というのも珍しいですね

画像24

前面Apple Keyboard I、奥Apple IIGS キーボード

画像13

画像22

ADBキーボード後期 - メンブレ時代

メンブレという方式を使えば、製造コストをメカニカルスイッチを用いたものより遙かに下げる事が可能です。 メンブレという機構が一概に悪いという訳ではなく(IBM のModel M系のバックスプリングもメンブレですし)、キーの反発にどのような機構を用いるかでキータッチ等大きく異なってきます。

この頃は特に惹かれるモデルは無かったので、殆ど中古での購入になっています。

Apple Keyboard II

II 世代はキータッチがかなり改悪され、配列でもApple Keyboard II では'A' キーの左横が'Caps Lock' とこれまた改悪になってしまいました。
確かこの頃は私自身少しアップルから離れた時代です。CPUで言えばG2からG3 にかけての時代ですね。

Apple Keyboard II は2枚購入してみましたが、同じ製品番号なのに内部の構造が違っていて驚きました。
さすがApple らしい大らかな製品管理です。(皮肉です!😝)

Apple Keyboard II は前期と後期でメンブレ方式という点は同じですが、キーの方式が大きく異なっています。 比べると前期型の方が若干キータッチが好ましく感じます。多分Apple Keyboard II 以降は殆どが後期型のラバードーム型を採用していると思われます。

前期・後期の見分け方としては、アップルマークが虹色かタダの穴かで簡単に見分けられます。こんな所にもコストダウンの圧力が...

前期型ではアップルマークが虹色に光っています。😊

画像18

画像19

後期型では、あの虹色の輝きは? です。😝

画像27

画像20

Apple Extend Keyboard II

こちらもコレクション目的で程々の程度の物を入手しています。
ある意味無骨な感じのするApple Extend Keyboard I に比べ、少しスタイリッシュなデザインになってはいますが、打鍵感等私的にはかなり退化したと感じました。

電源キーが低く平たい形状なのが II の特徴です。

画像7

画像8

見た目はよくなっても実質が劣化している、この頃のアップル製品に良くみられた傾向です。

Apple Adjustable Keyboard

(注:すみません、この位置に置いてしまいましたが、このキーボードはメカニカルスイッチみたいです)

確かアップル純正キーボード史で唯一のエルゴノミクス・キーボードですね。
元々の価格がかなり高額で、お遊びで購入という訳に行かなかったので、これもコレクション目的で中古購入しました。

キータッチも別段良く感じず、この個体特有の問題だと思いますが、チャタリングが酷くて直ぐにお蔵入りとなりました。

画像17

中古で購入したキーボードは出来るだけ、こうしてキーキャップを外しキーキャップは洗浄、本体は清掃を行うようにしています。

画像14

画像15

それにしても、この巨大なスペース・キーには実用性に少し疑問を感じます。

画像16

Apple Design Keyboard

Apple Extended Keyboard II をさらに廉価に焼き直した様なモデルで、益々キータッチ等に良さは感じられませんでした。

画像12

番外編ADBキーボード - Next Computer

ADBインタフェースを使用したシステムをアップル以外に開発・販売していたのが、かのステーブ・ジョブズ氏が立ち上げたNext Computerです。

流石にジョブスがらみの製品なのでキー自体の見た目はクールでしたが、キータッチ等は残念な部類に入ると感じました。

画像6

それにしても初代Next Cube システム、本体、モニタ、キーボード、マウス、プリンタなどが統一されたデザインで格好良かったですね。

下記はグッドデザイン大賞より参照

画像5

総括

Apple 純正のADBキーボードは殆ど網羅していると思いますが、こうして見ると種類の少なさに驚きます。元々マウス操作をメリットとして前面に出して来たマッキントッシュではキーボードの重要性は相対的に低いという事なのかもしれません。 

あとiMate というADB/USB 変換器も持っていますので、現在でもADB キーボードはマックやPCにて使用可能な状態になっています。

画像26









いいなと思ったら応援しよう!