「埼玉観光日誌」#2|鉄道博物館(大成)|鉄道博物館
2022年1月9日(日)晴れ。正月休みが駆け抜けていった。そしてコロナが再燃しつつある状況である。とにかく新しい年が始まった・・心を落ち着けよう。深く息を吸って・・ゆっくり吐く~
休み中は家族と触れ合う時間もとれたし、今年は親戚の集まりもあった。年賀状は一昨年から出さないことにしてだいぶ負担も減った。数日後に会う会社の人たちにはわざわざ送る必要はないだろう。それでも年に一度だけ言葉を送ってもらう友人たちにはしっかりメッセージを添えて返信している。考えてみると年賀状には随分振り回されていたものだ。
・ のんびりした正月と性格
今年は割と温和な正月だった。自分のペースで過ごせた時間を思うと、改めて自分はのんびりした性格なのだと思う。子どもたちもそういう要素を多分に引き継いでいるので、本当はあまり急かしたりしたくはないのだが・・その後の結果が分かるのでつい強要してしまう。処世術。日本の処世術を伝えようとしているのだろう。学校の教育システムや環境、さまざまな端末で触れる情報等に接していると、そんなのんびりな性質では不利益を招くことが多いからだ。
休み明け、まだ“のんびりモード”の状態で音楽を聴きながら電車待ちをしていた。私は列の先頭にいて振り返ると後に並ぶ乗客が多いことに気付く。予定時刻に電車が来て前に止まった。両脇に寄りドアの横で降りて行く人たちを待つ。すると片側にいた先頭の待ち客がまだ人が降りている最中にもかかわらず電車内に乗り込んでいく。おいおい勘弁してくれよ・・当然降り客がこちら側に集中し、降りる人のスピードも鈍くなる。その間向こう側の列から人がどんどん中に入っていく。・・やれやれ後ろは振り向かないでおこう。
進化の過程では、どうやらそういう割り込んでいく人種の方が生き残っていくらしい。ルール無視の方が良い条件を獲得できる、ということだ。しかしそうであっても、やはり自分には人を押しのけるようなことはできそうもない。根がのんびりしているのだ。そもそも遺伝子レベルで考えれば私も誰かの後を引き継いでいるわけだし・・それにもっと突き詰めて考えると、生き残るということが“最善”とも限らないように思うんだが。
・ノノと「鉄道博物館」へ
休みが長いと“仕事モード”に変わるのは時間がかかる。そういう意味では成人式の連休は息が付けてありがたい。3日間のうちどこかに次女のノノと出かけようと計画してみた。そして最終的に「鉄道博物館」に決めた。
私は以前「鉄道博物館」には訪れていたがノノは初めてである。以前と言っても10年以上も前の話だ。きっと私も新鮮な目で観ることができるだろう。
ここも事前予約制となっているのでローソンチケット(O-チケ)で購入。連休でもあるし、家族連れや鉄道ファンにも人気の博物館だ。10時開館なのでここは頑張って初回10時からのチケットを選ぶことにした。
JR大宮駅の改札を出て少し離れたニューシャトルの乗場へ行き(写真上)、新幹線の高架の高さで走るニューシャトル(写真下)で「鉄道博物館(大成)駅」まで行く。
駅は1駅目なのですぐに到着(写真)。開館25分前である。先頭から15人程度の列なので結構早く着いたと言えるだろう(写真下)。のんびりペアにしてはかなり優秀である。しかし結構冷える。
そしてプロムナードの中は見る見るうちに待つ人が増えていき列ができていく(写真上)。10時少し前に私たちのいる最初の列が動き出した。入場が始まった(写真下)。
写真は帰りに撮ったものだが、ここがエントランス(写真上)となる。番号のある受付カウンターでチケットを見せてエントランスホールに入る。
・ 体験プログラムは戦場
さて、ここからがバーチャルな戦場だ。
有意義な時間を過ごすためには競争に勝ち抜かないとならない。頑張るぞ。事前の調べでは鉄道博物館の体験プログラムには予約が必要になっている。予約を入れるためには「てっぱく抽選アプリ」をスマホにインストールしなければならない。これは前もってやっておいた方がいい。“入場後”にそのアプリから申し込みを行うのだ。そしてそれは抽選になっている。有料・無料10種類のプログラムにそれぞれ1回ずつ申し込むことができるのだが、どの程度の確率で受け付けてくれるのか・・早速有料である本命の「運転士体験教室(特別版)【初級】」に申し込んだ(写真下)。
すぐに抽選結果が表示された(写真下)。
よし、まず1勝。この後は予定を考えてシミュレータの無料体験プログラムに再び申し込みを入れる・・。
しかし、次は落選。そして次も落選・・ええ? 全然ダメだ。結局他9つの体験プログラムに申し込んだもののすべて落選だった。当選は最初の1つだけ。これってどういうことなんだろう。入場者が多いということなのか・・時間帯の表示数を考えればそういうこともないと思うのだが・・もしかしたら、1回だけしか当たらない? 説明を再度読んでみると「希望されたお客さまにはプッシュ通知でお知らせいたします」と書いてあったが、どう希望すればよいかといったことは見当たらない。存外曖昧な言い方である(T_T)。
・ てっぱくシアターから体験プログラム
体験プログラムには見切りをつけて、抽選のない先着順の「てっぱくシアター」(写真下)から観始めることにする。鉄道には興味がないと言っていたノノだったが、通って来た周りの様子を見て何だか興奮気味だ。
本館2階にある「てっぱくシアター」(写真上)の上映作品は魅力的な鉄道を紹介する約15分の3D映像になっていた。横にいるノノは楽しそうだ。
次に先ほど当選した体験プログラム「運転士体験教室(特別版)【初級】」に参加するため南館(2階)へ移動。
途中の2階の通路には「鉄道車両年表」として模型が展示されていた(写真下)。
階下には36両の実物車両の展示風景が広がっている(写真上)。後で下に行ってゆっくり観るつもりだ。
受付にはまだ時間があったので、南館の「未来の社会」の展示(写真下)を見て回る。
ここでは自由に取れる「未来のチケット」(写真上)の裏面にあるQRコードを使ってそれぞれ展示ブースのスキャナで読み取らせ、クイズなどを起動させて楽しむようになっていた。
南館の下1階(写真下)には400系新幹線(左)とE5系新幹線(右)が展示されている。
11時になった。「運転士体験教室(特別版)【初級】」の受付で精算(510円)して入室。横には落選した無料の体験プログラムのシミュレータが並んでいた(写真下)。
無料の方はだいたい6分程度の体験になるようだが、有料の方は20分程度とやや長い体験ができる。
運転室体験教室内では隣同士が仕切られ、さらに一つずつブースを空けて座ることになっていた。しばらくすると案内係のアナウンスが始まり、それに従って画面を見ながら運転の操作方法を学んでいく。後半は大宮駅から出発する実際の路線(高崎線)が映し出され、運転士になった気分で駅のホームを定位置で停止できるか試すようになっていた(写真下)。
3回チャンスがあったが、なかなかぴったりとはいかないようだった。最後はいい線だったが3mばかりオーバしてしまった。残念。
退出する頃には11時半になっていて、やや遅くなってしまったがこの館の4階にある「ビューレストラン」で食事をすることにした。そして行き着いた先、そこも再び戦場と化していた(写真下)。
・ 週末の館内ランチレポ
週末に鉄道博物館へ行く人は知っておいた方が良い。
エレベータで上がるとおそらく2つの行列に遭遇することになる。私たちはレストランに行くのだからレストラン側の列に何の疑問もなく並んでしまった。15分ぐらいしてやっと席を案内された。窓側なんて贅沢なことは言わない。手前の騒がしいところで十分だ。コートを脱ぎしばし辺りの様子を伺う。しばらくすると、メニューを持ってくるはずのウエイターやウエイトレスが来ないことに気が付く。そうか・・ここはセルフサービスだったのだ。ノノと一緒にテーブルを離れて注文しに行くことにした(写真下)。
ここは随分静かだ・・と思いきや、ようやくここのすべてを理解した。もしかして・・もう一つの列というのは・・券売機のための列!?・・だったのか(写真下)。
この状況を誰も説明してくれはせず流されるままだった。聞けばよかった。おまけに2つある券売機のうち1つは故障ときている(写真下)。
ようやく注文する頃には、この階に上がってから45分経過していた(T_T)。
ノノはすっかりお腹を空かせている・・悪いことした。注文後スマホサイズの端末を渡され(写真下)、3分程度で呼び鈴が鳴った。
注文したところまで取りに行き、やっと食事にありつけた・・ノノが大好物のナポリタン。これはご当地グルメの「大宮ナポリタン」(単品1,150円)である(写真上)。ベーコンが分厚い。ひとまずニッコリ「美味しいね」と言って二人で夢中に食べたとさ・・めでたしめでたし。
なお、食事ができるレストランは少々高級な「トレインレストラン日本食堂」や「キッズカフェ」があったり、「駅弁屋」で駅弁を買ったり、自分で持って来たお弁当を食べたりするところも用意されている。これも説明がなくて後から気が付いた。
南館4階屋上のトレインテラス(写真上)。2階「トレインレストラン日本食堂」の近くにある通路のテーブル席(写真下)。
それから、3階新幹線ラウンジ(写真上)。飲食可能スペースは結構あるようだ。ミュージアムガイドでチェックしよう。
・ 「山手線展」の解説そして実物車両を堪能
食事の後は2階スペシャルギャラリーで開催している企画展「山手線展~やまのてせんが丸くなるで~」(写真下)に行くことにしていた。
展示場の前で13時から担当学芸員による解説イベントが行われることになっているのだ(写真上)。しかし、これが何と14時半までと1時間半聴くことになる。ノノには難しいかな。それを察してか一人で館内を回りたいという。ここから一人で探検に出かけた。
山手線については興味深い話を伺うことができた。山手線は最初から周回できる環状線ではなかったこと。シンボルカラーである黄緑色(ウグイス色)に至るまでには何度かカラーチェンジしていること等々。いろいろなエピソードを聴いていると親しみも湧いてくる。
ノノも時間に戻って来た。私を案内できるくらい見回ったという。後は帰るまで1階の車両の群れを観て歩こう。ここが鉄道博物館の一番の醍醐味だ。
北海道開拓のためにアメリカから来た蒸気機関車「弁慶号」(写真上)。
特別な旅を演出、豪華絢爛な内装の展望車「マイテ39」(写真下)
こちらがその内装(写真上)。
中央に鎮座する「C57」。「貴婦人」と呼ばれた蒸気機関車である。平日の15:00から約10分間「転車台回転・汽笛吹鳴実演」が行われている。
丈夫な鋼製車体の客車「オハ31」の内装(写真上)。ストーブ列車としても活躍していた。
お手本としてイギリスから輸入した電気機関車「ED17」(写真下)。奥に行くほど新しい車両になっていく。
国鉄初の特急用電車151系の改良型「クハ181形電車」(とき)(写真上)。
151系を基本に製造された交直流両用特急電車の先頭車「クハ481形電車」(ひばり)(写真下)。このデザインの車両は小さい頃に見た覚えがある。
車両はだいたい車内に入れて座席に座ったりできる(写真下)。懐かしい。さらに奥のスペースに行くと「21形新幹線電車」いわゆる0系の新幹線があった。私は乗ったことがない憧れの車両だ。
鉄道ファンなら当然訪れていることだろう。ノノや私のように鉄道ファンでなくてもここは十分楽しめるところだ。実物の車両はやはり迫力がある。
体験プログラムの申込情報やランチレポなど参考にしてもらえれば嬉しい。私たちは結局16時頃まで居た。長く居られる博物館なので有意義に過ごしてほしい。
最後にミュージアムショップ(写真下)に寄って、ノノはキーホルダー(500円)とクリアファイル(300円)を記念に買っていた。最後は(^_^)。
鉄道博物館
住所:埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番
電話:048-651-0088
[開館時間]10:00~18:00(入館は17:30まで)
[休館日]毎週火曜日・年末年始
公式ページ:https://www.railway-museum.jp/