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角野隼人ピアノリサイタル in シドニー
さて、前回のショパンコンクールに出場したYouTuber、角野君のシドニーデビュー公演。
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会場であるシドニータウンホール入り口前には開演前からわんさの入場待ちの行列、全く列が動かず。
開始時間が30分も遅れ、やっと入場できた、と思いきや、1曲目のショパンのスケルツォ第一番はすでに緩徐部の次の再現部…「ええ〜!?」の展開であった。演奏がすでに始まっている状況で、やっと入場できたおおぜいの人々が暗い会場内ゾロゾロと自分の席を探しているというありえない状況。20年以上住んでいる豪州でこのようなことはあった試しがない。
で、そのスケルツォは自席について落ち着いたらすぐに怒涛のコーダで終了。
次のノクターン作品48のハ短調、これはよかったなぁ。
その後、3曲続けて角野君の自作曲。素晴らしい。ピアノの倍音マジックここに極まれり、の名演奏。幕間に今日のピアノの調律師(私の愛器は彼から購入した)とちょこっと話せたのだが、本日の調律もいつもながら素晴らしかった。彼は前々回のチャイコフスキー国際でもスタインの調律担当だった。彼の調整した楽器と角野君の魔法が今日は会場全体を包んでいた。
そこからワルツ作品18、英雄ポロネーズ作品53で圧巻の前半締めくくり。
後半はバッハのイタリアン協奏曲。終曲はスイングするする!ノリノリでした。角野君のジャジーな演奏がバッチリ曲にマッチ。
最後の二曲はガーシュインの3つの作品とラプソディーインブルー。
どちらも秀逸だったがやはり今宵の出色はラプソディーインブルー。
自作のカデンツァはもう、目の眩む素晴らしいものであった。
彼の演奏は観客をハッとさせる手品師のような軽業師のようなところがあり、また、ユーモアもあり、きっと往年のホロビッツもこういうふうに観客を楽しませていたのかな、と。
アンコールは二曲
1曲目はなんだろうか、カプースチンのような。題名は分からず、2曲目は角野君アレンジのキラキラ星変奏曲。
最近はコンサートに足を向けてもなかなか満足のいく演奏に巡り合えなかったのだが、今日のコンサートは久しぶりに素晴らしいもので大満足。ライブの醍醐味が存分に味わえたひとときであった。