見出し画像

結局、会社員がいいのかフリーランスがいいのか

 最近ありがたいことに

「いずれフリーランスになりたいんですけど……やっぱり大変ですか?」
「映像制作で独立って、難しいですか?」

 このようなお問い合わせを一定の割合でいただくようになったため、そろそろ決着をつけようと思って、このnoteを書いている。

 僕みたいな弱小クリエイターにすらお悩み相談をしていただけるということは、本当に悩んでいるのだろうから、真摯にまっすぐ受け止めてアドバイスをしようと思う。

  • 何か小さくでもいいから、自分の手で稼げるという実感を得てから、悩んだら良いのではないだろうか。

  • 自分の力だけで毎月5万円を6ヶ月間、稼いでみてから悩みなさい。

 これが僕なりの、結論である。

「そんな、6ヶ月も待てないよ」という人は、どんな手段でもいいから、「会社員」にしがみつくべきだ。おそらくフリーランスに向いていない。

 仕事を辞めたいだの、独立したいだの。
 多くの場合は「今いる職場環境からの離脱」しか考えていないようにお見受けすることが多い。

 高校生レベルの「先生、部活辞めたいんですけど」と全く同じ理由だ。辞めて坂道をコロコロと転がり落ちていく人の割合の方が、圧倒的に多い。

 一方で、ひと月の生活費には足りないけれど、副業である程度稼げたから独立の道を考える人も最近では多いように感じる。

「このまま本業と2足の草鞋で続けるよりは、リソースを集中投下させた方がいいんじゃないのか?」

 そんな思惑が出てきているのだろう。
 こんな人たちに向けては、「あなたの人生の優先順位を考えろ。そこに答えがある」
 
そんな言葉を送りたい。
 いきなり言われても難しいだろうから、判断材料を以下に羅列する。

  •  安定した生活

  •  社会貢献(社会性)

  •  群れ(仲間)

  •  受容的な刺激

  •  身体の健康

 これらのいずれかがあなたの人生の中で「上位」にくるなら、会社員が圧倒的におすすめだ。例え副業をすることによって自由な時間がなくなったとしても、だ。

「フリーランスになりたいんですけど……」とご相談いただく方の多くは、仕事は向こうからやってくると思っているが、決してそんなことはない。

 フリーランスの ”フリー” は自由に働けるという意味ではない。
 いつでも働いている、という意味なのだ
。言うなればセルフブラック。
 資本を持っていない場合は特に、労働集約型の形態にならざるを得ないので、フリーランスは会社員時代よりも働きまくることになる。

 ちなみにこれは愚痴ではないから誤解しないでほしい。
 僕の前職は教師だった。長年、高校で物理を教えていた。

 教師も(どちらかというと)いつでも教師を演じなくてはならず、プライベートも何もなかった。そのため24時間、仕事から解放されることはなかったと思う。そういう意味ではフリーランスと同じだ。

 大きく違うのは、費やしたその時間で報酬を生み出しているのかどうか、だと思う。この関係は、僕としては負債と投資の関係に近いと感じている。(負債は利益を生まない、投資は利益を生む)

 教師は24時間教師を演じなくてはならないが、24時間演じたところで報酬には直結しない。
 一方でフリーランスは、稼ぐために24時間、いつでもどこでも仕事をしているが、やった分だけ反応がある(利益になるとは限らないが少なくとも反応は得られる)。

 繰り返すが、フリーランスはいつでも働けるという意味だ。
 報酬を得るための活動を、自分の裁量のみで決められるといってもいい。それがフリーランスだ。

 別に、ストレス "フリー" で働けるわけでもないし、"フリー" タイムのように働けるわけでもない。
(余談だが、フリードリンク・フリーフードではある。昼間から働きながら大好きなお酒を飲んでいることはしょっちゅうある)

 もう一度、先ほどの5つを提示する。

  •  安定した生活

  •  社会貢献(社会性)

  •  群れ(仲間)

  •  受容的な刺激

  •  身体の健康

 この5つのいずれかでも、あなたの人生に豊かさを与えてくれるなら、会社員の方が良いと思う。

 フリーランス(特に映像制作)では、しばらく活動するとコミュニティをつくる傾向が強い。
 3番目の「群れ」に枯渇している証拠のように感じている。

 組織は、文脈によっては「制約」とか「息苦しさ」を与えるのかもしれないが、同時に「仲間」でもある。

 友達ではなく、仲間。
 利益を生み出すための同志だ。

 フリーランスになると、これはない。
 無くて枯渇するから、多くのフリーランスクリエイターたちは、コミュニティをつくる。

 維持運営にリソースを捌いたり、管理コストが発生しても、自由だと思ってみんなコミュニティをつくる。

 結局、組織や仲間を作りたいのであれば、会社員と一緒なのだ。
 むしろ、会社をつくってみんなで会社員になれば良いと思うが、それはなぜかしない。

 まぁ今回はコミュニティについての言及は避けるが、フリーランスになったところで、遅かれ早かれみんな「群れ」や「組織」を迎合し始めて、やがて組織を作っていく。

 だからこそ、何を期待してフリーランスになりたいと言っているのかは分かりかねるのだが、「自由気ままに働く」という意味合いで言っているなら辞めておけと言いたい。

 最後にもう一度伝える。

 「結局、会社員がいいのかフリーランスがいいのか」と悩んだら、まずは以下の2つを考えること。

  • 何か小さくでもいいから、自分の手で稼げるという実感を得てから、悩んだら良いのではないだろうか。

  • 自分の力だけで毎月5万円を6ヶ月間、稼いでみてから悩みなさい。

 それができたとして、次に悩むべき内容は人生観。
 あなたの人生の上位に次の5つは来ていないだろうか?

  •  安定した生活

  •  社会貢献(社会性)

  •  群れ(仲間)

  •  受容的な刺激

  •  身体の健康

 そうなって初めて、フリーランスになることをお勧めしたい。

いいなと思ったら応援しよう!