「やっぱり動画編集なんて儲からないじゃん!」と吐き捨てる前に、40歳で仕事を辞めて動画編集者の道を選択した僕の「1年半分のホンネ」を聞いてほしい
この記事を読んでいる人はご存知かもしれないが、2024年の6月(事件自体は5月)に「動画編集者」の肩書きの人が殺人容疑で逮捕された。
元妻と子ども三人を殺害した、という痛ましい事件だ。
初めに断っておくと、僕はこの事件をよく知らない。
容疑者のことももちろん存じ上げない。
事件背景を語られる際に話題に上がった「動画スクールの情報商材」も利用したことはない。
そのため、事件の根源や善悪などを語るつもりは、一切ない。
「どうすれば良かったのか?」という「たられば」を話すことも、なるべく避けたい。
この記事では、殺人事件の容疑者として「動画編集者」という肩書き(表現)を初めて聞いたように思う僕が
40代
(元)妻子持ち
本業を辞めてフリーランス(個人事業主)になった
有料無料問わず、独学で映像制作を身につけようとしていた
という共通点(?)が多かったため、僕自身、この事件を知った今のこの気持ちを忘れないために、感じていることを整理していこうと思う。
平たくいえば、40歳になっていきなり動画編集者の道を自分で選択した僕の、1年半経った今のホンネを披露したい、といったところだろうか。
「動画編集では稼げない」と動画編集で困っている人はもちろんのこと、もっと裾野を広げて「人生なんてうまくいかない……」と感じているアラフォーに向けて、少しでも勇気や元気が与えられるような内容になっていると嬉しい。
動画編集は儲からないのか?
結論を言うと、動画編集は儲からない人が多いと思う。
経験に基づく「感想」の域を出ないが、間違ってはいないだろう。
生活できるレベルか? と聞かれたら、生活できるレベルだと答える。
実際に僕(と家族)は、映像制作をして稼いだお金で生活している。
別にそれまで特別なスキルがあったわけではない。コネクションもない。
これまでに映像制作の会社やデザイン系の事務所に入った経験もないし、前職は(15年近く)高校教師のみをしていた。
そんな僕は、独学で映像制作を学び、今のところはそれだけで生活できている。それでも「動画編集は儲かるか?」と聞かれたら、「儲からない」と答える。
少しカラクリを話そう。
「儲かる・儲からない」は相対的な評価であるから、本来はきちんと先に「定義」をした方が良い。
いくら儲かれば「儲かる」認定なのか。200万円なのか400万円なのか、それとも1000万円稼いでようやく儲かる認定を受けられるのか。
ちなみに僕は、昨年1年間で500万円ほど稼いだようだ。
構成から担当する案件がほとんどだが、撮影などは一切対応していない。
この金額は、僕が当時働いていた教師の手取り年収とあまり変わりはない。
この金額は、あなたにとって儲かると言えるのだろうか。
ちなみにフリーランスの年収500万円は、会社員の月給25万円〜30万円くらいに相当するだろう。
フリーランス1年目のまとめは別記事にしているので、フリーランスにこれからなってみたい! お金が気になる! という人は参考にしてほしい。
正直なところ、今となっては儲かる額がいくらだろうと、僕はもうどっちでもいい。
というのも、お金に対する考えが大きく変わったからだ。
「儲かるからやる仕事」は、さまざまな理由から長続きしないと考えている。
仕事は
「自分ができる仕事」
「自分は苦にならず、やってて楽しいと感じられること」
この2つを軸にしてやる方が良いと思っている。
それを踏まえて、「映像制作」や「動画編集」はなぜ、儲からないのか。
なぜ情報商材などが蔓延っている事態になっているのか、僕なりに解説していこうと思う。
下流で作業している限り、儲けることは不可能
(僕も昔は誤解していたから)ちょっと言わせてほしい。
下流で作業をしている限り、基本的に個人が儲かるというものはない。
これは世界の「ことわり」なのだろうと思う。
パレートの法則と言ったり、8:2の法則と言ったりすると思う。
動画編集に限った話ではない。
生産活動に関わるすべてのことは、下流な作業ほど「儲かる」という環境からは遠くなると思っている。下請けよりも孫請け、ひ孫や玄孫まで下がっていけば、「儲けが減る」イメージは、誰もが想像できるだろう。
これは手数料や中間マージンがあるために、レイヤーが下がっていけばいくほど、規模感が縮小していくためだ。
すり鉢状と言い換えてもいいかもしれない。
別の角度からも見てみる。
末端に行けば行くほど、生産する人たちが増える。
参入障壁が低くなるためだ。
消費者だった人が簡単に生産者になれる業種や業界ほど、下流では生産者が増える。
動画はまさに「参入障壁が低い業界」だろう。
いや、今の時代、クリエイター業のほとんどはそうだと言えるかもしれない。
これだけスマホが普及し、SNSが発達しきった今の世の中では、日本人だけで言っても1億総クリエイター時代と言わざるを得ない。
みんなそこら中で動画を撮っているし、簡単に編集ができるアプリやツールが溢れかえっている。
そんな下流で儲けるには、①巨大な存在になるか、②替えがきかない存在になるしかない。
「巨大な存在」は、組織化がひとつの解だろう。
ブランド力を身につける、というのもいいかもしれない。
人が集まるところにお金は寄ってくる。これは真理だと思う。
組織化もブランド力も、突き詰めれば効率よく人を集めるためのシステムに過ぎないと思っている。
だからこそ、儲けたければ人を集めれば良い。
映像制作や動画編集も同じだ。
ただし人を集めるための「組織化」も「ブランド化」も、多くの時間とお金と運が必要になる。
多大なリソースを投下できない個人の(アラフォーの)人が目指すには、少々博打がすぎる。
そのためよくあるオチとしては、巨大な存在になろうとしていたのに、気がつけば巨大な存在に搾取される側になっていた、なんてことはあるだろう。
俗に言う、ミイラ取りがミイラになる、それだ。
抽象的なのは苦手なので、具体的に言おう。
「市場規模が拡大し、どんな人でも儲かるビジネスです」
「どんな初心者でもスキルを身につければ、動画編集で月10万円を獲得できます」
「手取り〇〇万円だった私ですが、今はフリーランスになって最高です!」
そんな謳い文句を全面に出すクリエイターや、そんな人や企業が売り出している情報商材に魅力を感じてしまうと、危険だと言うことだ。
もしあなたが既に、そんな人たちをヨイショし始めていれば、黄色信号が点っているだろう。
「詳しくは公式LINEで」という文言を見たら、黄色信号を灯してもいいかもしれない。
僕は、そんな人たちからは距離を置いた方が良いと断言できる。
遅かれ早かれ搾取されて終わりだ。
入り口のベクトルこそあなたに向いているが、出口のベクトルは発案者(発言者)に向いていることは結構ある。こんなところとは、1日でも早く関係を絶った方が良いだろう。
情報商材の見分け方
少し話は脱線するが、情報商材の話をしたので、私の考えを少し触れておきたいと思う。
動画編集に限らず、「情報商材」や「月〇〇万円稼げます系」の良し悪しを見分ける一番のポイントは、再現性の有無だ。
「私はこうやって釣ります(釣っています)」
「釣り方は教えたので、あとはあなたの工夫と努力です」
などと言ってくる人をイメージするとわかりやすい。
確かに魚の釣り方には再現性があるし、それを学べば同じように魚を釣ることは可能だろう。
動画編集も同じだ。
スキルを身につければ、それを再現し、同じように映像が作れるだろう。
しかし、本当に魚が釣れるようになる(=本当の再現性)かどうかは、魚がいる場所に身を置かなくてはならない。魚がいるところに竿を垂らすことができて初めて、魚を釣ることができる。
僕がいう再現性とはこの「魚のいる場所の確保をどうやってやるのか?」までを考えているかどうか。
これで再現性が決まると考えている。
しかし残念なことに、魚がいそうな場所を教えてくれることはあっても、その道の行き方は誰も教えてくれないことが多い。
動画編集でいえば、「案件の獲得」がそうと言えるだろう。
「私は企業と1本〇〇万円で業務委託しています」
「今日も〇〇万円の案件の撮影をしてきました」
こんな話を聞いて、もちろんすごいと思うのは良いことなのだが(実際にすごいし)、間違っても「私もそうなれるかも」と思ってはいけない。
権威性を高めている話を聞いても、あなたの権威性は1ミリも上がらない。
「私は魚のいる場所をこうやって見つけましたよ」と(仮に親切に教えてくれる人がいたとしても)本当にそこで魚が泳いでいるのかどうかは、行ってみないとわからない。
そして残念なことに。大抵の場合、すでに魚が泳いでいる場所には、釣り方を教えた張本人や情報商材を売っている人・企業たちで溢れかえっているため、後から来たあなたのためのスペースは存在しない。
おこぼれ的に
「今僕のところで学べば、この場所の魚を釣らせてあげるよ」
「案件、紹介するよ」
「案件回せるよ」
などと、ベネフィットとして「案件受注」までを提示する商材やセミナーもあるだろうが(調べたわけではないので想像の域を抜けないが)、そんな機会も、1度かそこらで終わりだろう。
ここでもう一度念を押しておく。
下流で作業している限り、儲かるというものはない。
魚の釣り方を学んでも、魚がいなければ釣りようがない。
そして残念なことに、魚のいる場所は初めから人がいっぱいだ。
釣り方を教えてくれた人が(プラットフォーマーとして手数料ビジネスを始めるなら別だが)釣り堀まで用意してくれることはないし、自分が居座っている場所をどいてくれることも基本的にはない。
あなたが立ち寄ったそのコミュニティは、本当に下流から抜け出せているのだろうか?
魅力に感じたコミュニティをもう一度見つめ直して見てほしい。
動画編集で儲かる、と考えて動画編集を始めた人は、手段に固執してしまっている状態だ。
手段に固執して成功した例を、僕は知らない。
毎日何億円と稼ぐどんなに大手の企業ですら、柔軟に手段を変えていかないと生き抜いていけないのが今の世の中だろう。
吹けば飛ぶような弱小の個人が、手段に固執して成功するのは、2つを除いて存在しない。
①巨大な存在になるか、②替えがきかない存在になるしかない、だ。
このどちらも想像がつかないのであれば、一旦②の「替えがきかない存在」をお勧めしようと思う。
「動画編集で儲けたい」
この一心でやるなら、「上流」に行くか「替えのきかない存在」になれば手っ取り早いからだ。
動画編集で儲けたいなら、上流に行け
動画制作の流れは大きく
企画
構成(絵コンテ)
撮影
編集(音入れも)
仕上げ・調整
この流れをとる。
本当はもっと細かくあるが、今は簡単のためにこのくらいにしておく。
「4、編集」よりも上流を担当すれば、編集しかできない人よりも「儲ける」ことができる。例えば「3、撮影」は典型だろう。
編集しかできない人よりも、撮影もできる人の方が仕事の幅が増えるため、結果的に儲けることができる。
言わずもがな、撮影からできる人よりも(面白いネタやストーリーを作れるなど)「2、構成」から考えられる人の方が重宝されやすく、その人よりも「1、企画」から担える人の方が、より儲けることができる。
「1、企画」はすなわち、仕事を生み出したり、仕事をとってくる人のことだ。ディレクションや監督作業、営業活動などもここに含まれるだろう。
そこまで行けば立派な「替えのきかない動画編集者」として存在できているはずだ。
動画編集で儲けたいなら、(究極は)自分で動画編集の仕事を生み出せられるようになれば良い。
ドリルを売りたければ穴を売るアレと同じだ。
100円のコーラを1000円で売るのにも似ている。
パン屋でおにぎりを売る思考でも良い。
ここまで話すと、「私には無理だ」「どうせできっこない」などという反論をいただきそうだが、できないと言う人の多くは、実際にやっていない場合が多い。
やってみると意外と楽しかったり、意外な特技が発揮される可能性はあるのに、勿体無い……と思う。
動画編集の仕事を自分で生み出すには、どうしたら良いか。
例えば、黙ってバレずに副業として動画編集をしているなら、本業があるだろうから、そこで動画編集の技術を活かして社内のDX化を進めるのも一つだろう。
社内での評価が上がれば給料や手当に反映されるかもしれないし、何より作った動画を実績として振りかざし、黙って副業で売り込みをすることもできる。本業で知り合った企業に素性を隠し、営業をしてみてもいいかもしれない。
上流に行くための方法は一つではない。
ここは、あなたの腕と頭の見せ所だろうと思う。
何度も言うが大事なことなので我慢して聞いてほしい。
儲けたければ、四の五の言わずに上流でも作業すれば良いだけだ。
企画から考えられる動画編集者になれば、動画編集だけでも生活はできるようになる。
動画編集者として儲けるために、やって良かったこと
ここまで読み進めてくれたあなたにとって、「じゃぁお前は『替えがきかない存在』なのかよ?」と言う疑問が出てくる頃だろう。
もちろん僕も完全ではないが、一応それなりにできている方だと思う。
だからこそ
YouTube案件、1本5,000円(トライアル1,000円)
TikTok動画、1本300円
こんな案件を受けなくても仕事ができているし、生活も(今のところは)できている。
ちなみに上記のような案件は、絶対に受注してはいけない。
百害あって一理もない。
あなたのことをロボットか何か、いやゴキブリ程度にしか見ていないクライアントたちだ。
そんな案件をこなすくらいなら、自分でアカウントを立ち上げて、似たような内容でコンテンツを作り始めた方が幾許かマシだ。
それでは、僕はどうやって動画編集者として儲けているのか話をしていく。
冒頭で話したとおり「儲かる」は相対的な評価なため、この記事では「僕の儲かるレベル」=「家族が生活できるレベル」として話を進めていこうと思う。
人生の優先順位を総点検した
やや抽象的な話だが、大事なことだから最初に触れておく。
動画編集をして儲けるために、人生の優先順位を見直した。
これは本業があった頃の話であるし、別記事に詳しくまとめたのでそちらをご覧いただきたい。
簡単に結果だけを言えば、明日死ぬとして自分はどう生きたいのか? を真剣に考えた。明日が急すぎるなら来週でもいい。
ポイントは「真剣に」だ。
僕の場合は、家族。
具体的には「息子」と「妻」との生活を、人生の一番に考えることにした。
自分の幸せは3番目以降だ。趣味とかも無くした。
自分にお金を使うのも、極力後回しになった。
この辺りは個人差の話だから、各々が好きに決めれば良いと思う。
大事なのは、後で入れ替えても良いから「真剣に」考えること。
これをすることで、「限りある、あなたの時間」を無駄なことに使うリスクがかなり減る。
「真剣に考えるってどうやって?」と言う人は、何度も言うが「明日死ぬとしたら」に置き換えたら良い。
それをしたおかげで少なくとも僕は、「お金」と「時間」に対して考えが大きく変わった。
動画編集もそうだ。
人生において、動画編集なんてやらなくても決して死なない。
生きていくために必要な行動でもない。
明日死ぬとして、それでもなぜ、動画編集をしたいと言うのか?
「儲けたいから」は答えになっていない。
もっと真剣に考えるべきだ。
「月に5万円を儲けたい」と「動画編集で儲けたい」を比べて、「月に5万円を儲けたい」のほうが上に来るなら、動画編集でなくても良い。
月5万円を稼ぎたいだけなら、Uberで配達でもしたほうが確実に儲かる。
最近だと(特に若い頃は)
「有名になりたい」
「インフルエンサーになりたい」
なんて志望動機もあるかもしれない。
承認欲求は遅かれ早かれ足枷や呪いにしかならないから、一日でも早く離れるに越したことはないが、若いうちは難しいだろう。
僕も胸に手を当てるとズキンズキンと痛むから、よくわかる。
しかしこの場合も、もっと真剣に考えた方がいい。
「動画編集」と「有名」を比べて、どっちが優先順位が高いのか。
有名になる方法はいくらでもある。
なぜ動画編集じゃないといけないのか。
僕なら「本業があるのに地域で一番稼ぐUber配達員」として活躍する、その後、動画編集を学んで自分をうまく魅せる方法を考えるかもしれない。
もう一度触れるが、仕事は
「自分ができる仕事」
「自分は苦にならず、やってて楽しいと感じられること」
この2つを軸にしてやる方が良いと思っている。
そうまでして決めた人生の優先順位は、あなたの人生の軸みたいなものだから、あとはそこに合わせて生き方をデザインすれば良い。
これで「動画編集で儲けるための準備ができた」と言える。
個人のクライアントは実績づくり、企業のクライアントは収入づくり、と割り切った
スキルを身につけた前提で話すが、動画制作におけるクライアントは大きく分けて2種類いる。
「個人案件」か「クライアントワーク(法人)」だ。
個人案件は
YouTube
ウェディング
卒業や記念日などのイベント
この辺りの案件が多い。
クライアントワークは、(自身にまだ実績がなく、無名な状態であることを考えると)
YouTube
セミナーなどの記録動画
InstagramなどSNSに出稿するための広告
この辺りの案件が多い。
※法人の方は(上流にいきやすいので)これ以外の作品もたくさんあるのだが、それは後で話す。
報酬については、当然「個人」<「法人」となる。
そのため、それぞれの案件については
個人のクライアントは、実績づくり
法人のクライアントは、収入づくり
このように分けて取り組んだほうが良い。
間違ってもクロスさせてはいけない。
(個人のクライアントの案件で収入を求めようとすると大怪我をする)
始めは個人クライアントで、(時給脳で考えるとゲロを吐くくらいの低い金額だとしても)実績を増やしていく。
もちろん同時に、いつ法人にシフトしても良いように、すでに法人向けの納品をしている人の作品を真似して、自分も作ってみる。
真似する作品は1つや2つではない。5〜10作品でも作ってみよう。
そうすれば、自分なりのノウハウもかなり溜まる。
まとめればこうだ。
個人クライアントで実績を積む
単価はそこまで気にしない。(かといって搾取が過ぎる低単価は絶対に受けてはいけない)
並行して、法人案件でも大丈夫なクオリティになるよう、模倣しながら作品を作る。(例えば10作品)
ここまでにかかる時間が、大体1年ほどではないだろうか。
早い人はもっと短い時間でいけるだろうが、そんな天才たちと比べるのはツラいし、何より比べるべき相手は「過去の自分」だ。
実績を積むための努力を怠らないようにしよう。
ビジネス思考を身につける
次に「動画編集者として儲けるためにやったこと」は、ビジネス思考を身につけることだった。
具体的に言えば
独立前の準備(貯金、コネ、実績)
業界や組織に戻れる準備
強みを活かせるニッチな分野を見つけ、適応する
ポートフォリオ(あなたの専門が見えるようなカタログ)を準備する
独立当初の思いを常に維持する
根拠のない自信を持つ
この辺りだ。
特に独立前の準備のうち、貯金は半年から2年くらいの生活費は貯めておいたほうが良い。
これは動画編集に限らず、フリーランスになる人にはマストだろう。
詳しくは以下の記事で語っているので、「フリーでやりたい」と思っている人には一度確認いただきたい内容だ。
広告費用と自己投資は、分けて考える
これは僕だけかもしれないが、民間企業を経験していないため、売り上げや広告、人件費などの「お金」周りの知識が乏しい。
これはかなりのハンデになった。
そのため僕は、ビジネスの知識を身につけるとともに、お金の正しい使い方についても勉強するようになった。
僕は、複利を生かして資産運用をする、この一択を取ることにした。
お金のことで必要以上に時間を割かれたくないと思ったからだ。
仕事面では、小見出しにある通り「広告費用」と「自己投資」は別のものとして考えた。これは結構役に立った。
正しい解釈とは異なるだろうが、広告費用も自己投資も、将来の利益を得るための費用(経費)という意味では全く同じだ。
しかし、正しく理解しないとごっちゃになって、結局何も利益が得られないという状態に陥るだろう。
例えば、有料セミナーやリスキリングの講習を学ぶ場合。
10万円や20万円をかけて学んで、それを回収するのには何年かかるのか? 何案件必要なのかは、考えたことがあるだろうか。
「すぐに元を取れます」とその人がいう根拠は、どこにあるのだろうか。自分の目で実際に見て確認したのだろうか。
同じ金額を「広告や宣伝」にかけていたらいきなり回収できた、なんてことはないだろうか。
それでも、とある高額セミナーなどが魅力に思ったり、利用を検討したいと思ったりした場合。
仮に10万円かかるセミナーや授業だとしたら、書籍で言えば「60冊に相当する知識量」が得られてトントンの金額だ。
この記事をここまで読んでいただいたあなたは、今年に入って60冊も本をお読みになっただろうか。
1年で均せば、月に5冊必要だ。月に5冊読むためには、1週間に1冊以上読まなくてはならない。
1週間に1冊以上の本を読んで得られる知識や経験があってはじめて、10万円のセミナーは自己投資としての価値がある。少なくとも僕はそう考えている。
「コネクションが増えた」
「有名な人に直接質問ができた、知り合いになれた」
「お金をかけた以上、腹を括ってやるしかない」
これらは確かにメリットではあるが、そのことがあなたに利益をもたらしてくれるかどうかは、今一度しっかりと見極めたいところだ。
もう一度言う。10万円の価値は(2024年現在では)本60冊分に相当する。
よほど「あなた専用にパーソナライズされた情報」でない限り、多くの場合は搾取される側にしかならない。
繰り返しになるが、既に書いていた文章をもう一度ここで紹介する。
自己投資は(耳触りがいいから誤解しやすいが)、ただの浪費になりかねない。売り上げや利益を生み出すための費用が投資だ。
自分の満足感を満たすだけの消費や浪費は、自己投資とは言わない。
一方で、広告費用をケチっては大変なことになる。
これは実績もコネもない頃は特に死活問題になりかねない。
基本的に、世の中全ての人は、あなたのことを知らない。
だからこそ、知ってもらうためにかかる費用(広告費用)は、ケチってはダメだ。
ここでいう広告費用は、金銭的なものとは限らない。
作品やコンテンツ、時間なども含まれる。
SNSでのフォロワーもそうだろう。
下流でしか作業ができない時期には、「僕はここにいます!」と知ってもらうための広告費用は、ケチらないでおきたいところだ。
具体的に言えば
クラウドソーシングなどの利用料
Googleアドセンスの広告料
露出やチャネルが増えるようなための販管費用
いわゆるギバーの精神(SNSなどの場合)
この辺りだ。
(僕は、SNSは疲弊してしまう性格なので距離をとっているが)SNSも立派な広告宣伝のツールだろう。
初めのうちは情報発信をしたくても与える情報がないかもしれない。そんなときは「共感」を武器にして「いかに応援される存在なれるか」で考えてみるといいかもしれない。
ただ個人的には(僕がアラフォーのおじさんだからかもしれないが)SNSは多かれ少なかれ消耗することが多いと感じる。
自分に合う方法で、「広告・宣伝費」をかければ良いのではないだろうか。
企画は「掛け合わせる」か「ずらす」ところから始める
動画編集者として儲けるためにやって良かったこと。最後は「企画」について話そうと思う。
先ほど紹介した(動画制作の流れ)
企画
構成(絵コンテ)
撮影
編集(音入れも)
仕上げ・調整
このうちの一番上流にあたる部分だ。
上流に行く方法はいくらでもあるだろうし、僕自身もまだ勉強中の身だ。
だから間違ってもこれが「正解」だとは思わないでほしい。
あくまでも「脱サラして映像制作だけで生きているアラフォーのおじさん」の「自分で選択した結果」であることを念頭に置いてほしい。
動画編集者が企画も考えられる存在になるためには、「掛け合わす」と「ずらす」を意識するとうまくいくと思っている。
掛け合わすのは
自分のスキル × 経験
自分のスキル × クライアントの悩み
など何でもいいと思う。
例えば実際に僕がやったアプローチとしては、YouTubeの編集スキルを身につけた段階で、企業の人件費不足を解決できないかと考え「マニュアル動画」や「解説動画」を作るようになった。
偉そうに解説しているが、僕も多くの書籍や先人たちの知恵を拝借しているに過ぎない。
それをどうやって、今受注しているクライアントやまだ見ぬ未来のクライアントたちに提案するか? そちらの方が重要だと思う。
なぜそのクライアントは「あなたに依頼したい」と言ってくれるのかどうか。映画や小説なら自分が主人公だからご都合主義的に考えてもいいだろうが、ビジネスライクな付き合いではそうはいかない。
クライアントに「どんな課題」があって、あなたがそれを「なぜ解決できるのか」。それを伝えよう。
そういう意味では「営業力」も大事なのかもしれない。
いずれにせよ。
今やっていることに「何かを掛け合わせる」または「ずらしていく」ことで、新しい企画が思いつくかもしれない。
そうなればあとは、それは「社会が求めていること」かどうか。「自分がやりたいと思っている」かどうか。この2つと照らし合わせ、どちらも当てはまればあなたの商域となるだろう。
思いついても独りよがりになってはいけないし、無理にやっていてはいつしか破綻するだろう。
最終チェックとしてこの3つの円に当てはまっているかどうかは、確認したいところだ。
以上、大変長い文章となったが、痛ましい事件をきっかけにして僕自身が感じたことをまとめさせていただいた。
自分の選択した道を正解にするかどうかは、自分次第だと思う。
それを邪魔するのは、やはりこれも自分だ。
もっと具体的に言えば
手段に固執している自分
取るに足らないプライドを持っている自分
この2つが、自分の成功を邪魔する2大巨頭だろうと思う。
この記事がその2つを取り除くきっかけになれば、幸いである。